ものづくり補助金平成25年度製造業和歌山県

鋼管外面ショットブラストマシン導入

日建産業株式会社

この事例のポイント

  • 客先から美観向上の要請があり、従来の酸洗処理による鋼管外面の錆除去では対応が難しくなっていた。
  • 従来の酸洗処理に代えて、パイプ外面を研掃するショットブラストマシンを導入した。
  • 硫酸などの危険物を扱わなくなり、作業者や周囲の安全管理体制が改善した。

事業者のプロフィール

事業者名日建産業株式会社
所在地和歌山県 御坊市
業種鉄鋼業
技術分野機械制御,材料製造プロセス,表面処理
従業員数68人
資本金9,000万円
設立1946年

事業の背景

主力は建設機械のクレーンブーム用鋼管などを扱う付加価値鋼管製造事業で、水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管も製造している。社会的には環境問題への対応が求められており、クレーンブーム加工の国際競争力を保つことが重要と考えていた。今後は国内だけでなく海外展開も予想されていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度客先から美観向上の要請があり、従来の酸洗処理による鋼管外面の錆除去では対応が難しくなっていた。
  • その他鋼管の錆除去に硫酸を使っており、作業者の健康管理や周囲への安全管理に十分な注意が必要だった。
  • コスト・採算使用済みの廃酸を産業廃棄物として処理しており、コスト面と環境面で負担になっていた。
  • その他酸洗処理には法律上の問題があり、今後の海外展開に対応できない恐れがあった。

やったこと

従来の酸洗処理に代えて、パイプ外面を研掃するショットブラストマシンを導入した。マシンは投射装置、キャビネット、研掃材の循環装置、搬送装置、集塵装置で構成され、2台の投射機で研掃する。パイプは回転しながら前進するため全周を一度で研掃できる。さまざまな規格や材質、外径に対応するため最適ラインの速度を検証し、作業効率を考えて4パターンに集約した。その結果、スピード設定で投射量を変えず、パネル操作のみで切り替えられるようになった。

加工機ショットブラストマシン

事業の効果

硫酸などの危険物を扱わなくなり、作業者や周囲の安全管理体制が改善した。酸と薬剤の使用量および廃酸処理費が減り、コストも下がった。鋼管の供給と排出を自動化したことで生産性が上がった。ショット玉をリサイクルでき、集塵機で粉塵の飛散も抑えられるため、環境対策も一定程度図れた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    従来の酸洗処理から、これまでの鋼管加工技術を生かせるショットブラストマシンへ移行し、ノウハウを蓄積した経緯が具体的に書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    クレーンブーム用鋼管加工で日本が技術的に最先端とし、国際競争力を備えて海外展開に応える設備を獲得したと明記されている。

  • 課題の認識と解決4

    硫酸の危険性、廃酸処理費用、客先の美観要請という課題を挙げ、その解決策として導入した経緯が示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産性アップや廃酸費用の削減が述べられているが、付加価値や賃上げの具体的な目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    熟練技術者のノウハウ蓄積や従業員68名の記載はあるが、補助事業を遂行する体制の具体的な説明は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    客先からの美観向上の要請に応え、さまざまな規格や材質、外径に対応できる点が述べられている。

  • 事業化までの道筋3

    最適ラインの速度検証から始め、4パターンに集約して投射量を変えずパネル操作で対応した手順が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    1mmの狂いも許されない高強度鋼管や、世界で唯一の製品であることが紹介されているが、市場の認知度や高価格化の数値は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    環境問題への対応や社会的要請に言及しているが、経済波及効果や雇用創出の具体的な数字は示されていない。

  • 費用対効果3

    酸・薬剤の使用と廃酸費用が削減されたと述べられているが、投資額に対する効果の金額や数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    ショット玉のリサイクルや鋼管の供給・排出の自動化は書かれているが、先端的なデジタル技術の活用は読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    今後の海外展開に応えられる技術・設備を獲得したとあるが、産業構造転換への具体的な言及は乏しい。

  • 地域経済への波及2

    和歌山工場が太平洋を望む高台に位置すると紹介されているが、地域の特性を生かした雇用や成長への言及は少ない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

酸洗処理の法律上の問題を解決したことで、海外での運用に応えられる技術と設備を獲得した。熟練技術者のノウハウ蓄積により競合他社との差別化を図り、国内外への展開を進める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。