ものづくり補助金平成25年度建設業和歌山県

自社廃棄物を高品質木質ブリケットに再生することによる循環型社会への貢献

国土建設株式会社

この事例のポイント

  • 自社の建築木材の切削加工で年間約60トンのおが屑が発生し、処理に毎年100万円の費用がかかっていた。
  • ブリケッターと呼ばれる装置を使い、おが屑を圧力で成形した人工の薪であるブリケットを製造する方法に着目した。
  • ブリケットは安定的に生産できている。

事業者のプロフィール

事業者名国土建設株式会社
所在地和歌山県 和歌山市
業種総合工事業
技術分野機械制御,材料製造プロセス,製造環境,接合・実装
従業員数49人
資本金7.8億円

事業の背景

同社は一般個人住宅の建築施工を主軸とし、和歌山県内で中堅上位クラスの建築施工業者である。新築住宅の価格帯は2,000万円台から7,000万円台までと幅広い。自社の建築木材の切削加工で年間約60トンのおが屑が発生していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算自社の建築木材の切削加工で年間約60トンのおが屑が発生し、処理に毎年100万円の費用がかかっていた。
  • コスト・採算おが屑を無料で引き取る業者が現れたものの、運搬コストが相応にかかり費用面の問題が残っていた。
  • その他廃材を自社でリサイクルし、循環型社会の促進につなげたいという社内の意見があった。

やったこと

ブリケッターと呼ばれる装置を使い、おが屑を圧力で成形した人工の薪であるブリケットを製造する方法に着目した。ブリケットの試作品を薪釜を使うピザ店に試験的に使用してもらったところ、着火性・火持ち・においの点で予想以上の高評価を得た。今回の補助事業ではイタリア製ブリケッターを導入し、同社で発生する大量のおが屑をブリケットへ再生した。安定生産できる体制を構築し、製品の販売展開を目指した。

新しい製品・サービス:おが屑を圧縮成形した高品質木製ブリケット

事業の効果

ブリケットは安定的に生産できている。乾燥工程を経ているためおが屑の含水率が低く、他製品より着火性が優れ、燃焼時の有害ガスも自然の薪より抑えられてにおいの問題も解消された。自然の薪より若干安く展開できる利点もある。イタリア料理店やパン屋などで数件の契約が決まり、都市部からの引き合いや見積依頼も増えた。費用を払って処理していたおが屑を収益につなげられる段階まで引き上げることができた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    自社で発生するおが屑の処理費用年100万円を課題とし、リサイクル製品化を今後の展開として位置づけている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    都市部の飲食店から引合いが多いと書かれるが、強みと外部環境の関係を整理した記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    年間約60トンのおが屑と年100万円の処理費用を課題とし、ブリケット化で収益化する方向性が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    販売数量や売上の目標値は示されておらず、高付加価値や賃上げの数値目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    県内上位の建築施工業者で資本金780,000千円、従業員49人とあるが、補助事業の遂行体制の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ブリケットは着火性・火持ちがよく、におい・虫の問題が少ないと試用で評価され、契約につながったと書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    原料調達や粉砕機の購入計画、関西圏から中部・関東への展開が示されているが、スケジュールは具体的でない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ブリケットは一般的な製品ではないとうかがえるが、普及度や高水準の高付加価値化を示す記述は薄い。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用4

    循環型社会の促進や建築業界のリサイクルモデルケースになる点が書かれ、国が推進する資源循環への貢献がうかがえる。

  • 費用対効果4

    年間100万円の処理費用を収益につなげられる段階まで引き上げたと書かれ、費用対効果の変化が読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    先端デジタル技術の活用は書かれておらず、資源循環のモデルとしての貢献がわずかにうかがえるのみ。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    資源循環システムの推進という政策方向に沿う点は読み取れるが、構造転換への言及は具体性が薄い。

  • 地域経済への波及2

    和歌山県内の地域事業者であることはわかるが、地域の雇用や経済成長への波及は書かれていない。

今後の展望

関西圏の都市部の店舗を中心に、薪窯を使うイタリア料理店やパン屋へサンプルを提供して営業を進める。中長期的には中部・関東圏への営業も計画している。受注増に備え、同業の建築業者や建築木材加工業者からおが屑を引き取る原料調達を強化し、端材を粉砕する粉砕機の購入も計画している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。