ものづくり補助金平成25年度製造業和歌山県

起毛時にマイクロスコープを駆使した軽く柔らかい保温性のある高品質な寝具の開発

有限会社島本化繊起毛工場

成果新しい生産工程を通して12種の商品の開発に成功した

この事例のポイント

  • 起毛加工の品質を高精度に管理する検査体制が不足していた。
  • 試作品の測定体制を構築するため、起毛時の状態を確認できるデジタルマイクロスコープや自動金属検出器などの高精度検査機器を導入した。
  • 新しい生産工程を通して12種の商品の開発に成功した。新しい工程と機器での試作により、軽くて柔らかい保温性のある起毛を備えた12種の魅力ある商品が誕生した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社島本化繊起毛工場
所在地和歌山県 和歌山市
業種繊維工業
設立1961年

事業の背景

同社は起毛機の製造職人であった初代と2代目が昭和28年に創業した起毛加工業者である。毛布、ケット、シーツ、布団カバーなどの寝具からレース、ニット、資材まで多様な生地に起毛加工を施し、業界では“起毛界の駆け込み寺”と呼ばれて全国から依頼が寄せられている。約70年にわたる加工技術を次世代に継承するため、職人育成とオリジナル製品の開発にも取り組んでいた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度起毛加工の品質を高精度に管理する検査体制が不足していた。
  • 生産能力熟練職人の技能に頼る生産で、縫製のデザイン性や効率性を高める設備が足りなかった。

やったこと

試作品の測定体制を構築するため、起毛時の状態を確認できるデジタルマイクロスコープや自動金属検出器などの高精度検査機器を導入した。あわせてミシン設備(インターロック、オーバーロック、特殊マジックメロー、コンピュータ刺繍)を充実させ、縫製のデザイン性向上と効率化を図った。各種生地に適した“軽くて柔らかい保温性のある起毛”に加工できるよう新しい工程と機器で試作を繰り返し、12種の商品開発に成功した。加工途中や仕上げ時の起毛状態をマイクロスコープの画像で確認し、誤差をなくして均一な品質管理を実現した。

  • 検査測定デジタルマイクロスコープ自動金属検出器高性能金属検出機
  • 加工機インターロック、オーバーロック、特殊マジックメロー、コンピュータ刺繍のミシン設備

新しい製品・サービス:軽くて柔らかい保温性のある高品質な寝具(自社ブランド「紀州ねる」の商品群、12種)

事業の効果

  • 新しい生産工程を通して12種の商品の開発に成功した

新しい工程と機器での試作により、軽くて柔らかい保温性のある起毛を備えた12種の魅力ある商品が誕生した。マイクロスコープによる画像確認で誤差がなくなり、均一な品質管理が実現した。高性能金属検出機により安定的で高速な検出とデジタル処理による高精度な検出が可能になった。縫製のスピードと正確性も大きく向上した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業から約70年の起毛加工技術を次世代へ継ぐ取組と、自社ブランド「紀州ねる」の立ち上げが書かれており、事業の一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ドイツ式・フランス式・英式の起毛機保有や『起毛界の駆け込み寺』と呼ばれる点が強みとして書かれ、ネット販売で全国展開を狙うとある。

  • 課題の認識と解決3

    高精度の検査を取り入れて高品質化を図る方針は書かれているが、現状課題の数値や付加価値向上の目標値は示されていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    熟練の職人が在籍し、起毛加工と縫製を社内一貫体制で行っていることが書かれており、体制の一端は読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    軽くて柔らかい保温性のある起毛寝具で12種の商品を開発したとあるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の具体的な整理は乏しい。

  • 事業化までの道筋3

    マスク製作の実績や医療・福祉向け製品の順次展開など今後の方向性は書かれているが、スケジュールや解決方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    マイクロスコープを使った軽くて柔らかい保温性のある起毛は他社では製作不可能な品質と記されるが、市場内の高価格化の数値は示されていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    次世代への技術継承や職人育成に力を入れると書かれており、雇用や地域への波及効果がわずかにうかがえる。

  • 費用対効果2

    縫製スピードと正確性が格段に向上したとあるが、補助金額に対する付加価値増加や生産性の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    デジタルマイクロスコープや高性能金属検出機のデジタル処理が導入されたと書かれ、先端技術の活用がうかがえる。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    和歌山の起毛加工業として全国から依頼が寄せられ、地域の職人技術を活かした事業であることは読み取れる。

今後の展望

起毛加工と縫製を社内一貫体制で行い、ネット販売事業部はユーザーを個人向けに絞りつつ全国展開へマーケットを拡大する方針である。習得した縫製スキルを新たな事業化につなげ、初めて製作・販売したマスクに続き、医療や福祉向けの製品を順次作っていく考えである。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。