ものづくり補助金平成25年度製造業和歌山県

乾燥及び貯蔵設備の導入によるにんにくの周年出荷事業

株式会社ヨシムラファーム

成果にんにく納品数(年間) 4万個→20万個

この事例のポイント

  • 同社には乾燥・貯蔵設備がなく、にんにくを周年で出荷する生産体制が整っていなかった。
  • 乾燥・貯蔵設備を導入し、にんにくを乾燥させて冷蔵貯蔵する体制を整えた。
  • にんにく納品数(年間) 4万個→20万個。乾燥・貯蔵設備の導入により、にんにくの周年出荷を可能とする事業体制を構築し、顧客の周年出荷ニーズに応えられるようになっ…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ヨシムラファーム
所在地和歌山県 紀の川市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数7人
資本金300万円
設立2010年

事業の背景

同社は資源リサイクル事業を営むグループ会社の有機質肥料と土を使い、環境に配慮した資源循環農法で桃、にんにく、トマトを栽培している。主力の生にんにく「桃山ホワイト」は生産量を年々増やし、地元ブランドとして定着しつつある。9月に植え付け、5月ごろに収穫して約3カ月間、関西圏のスーパーや産直市場を中心に生鮮品として販売していた。和歌山県はにんにくの生産量が全国6位だが、乾燥・貯蔵設備を整えて周年出荷している例はなく、ほぼ全量を生で出荷していた。同社は3カ月間で4万個(360万円)を納品していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力同社には乾燥・貯蔵設備がなく、にんにくを周年で出荷する生産体制が整っていなかった。
  • 集客・繁閑生にんにくは収穫後の約3カ月に出荷が集中し、出盛り期に供給過多となって商品の値崩れが起きていた。
  • 品質・精度保管方法が限られるため廃棄率が高く、腐りなどの不良品が出て顧客からの返品もあり、商品化率は67%にとどまっていた。

やったこと

乾燥・貯蔵設備を導入し、にんにくを乾燥させて冷蔵貯蔵する体制を整えた。この方式は日本一の産地である青森県で採用されているものである。設備により、にんにく20万個を乾燥・貯蔵できるようになった。乾燥後に発酵処理して発酵にんにく(黒にんにく)を加工できる体制も整えた。

新しい製品・サービス:発酵にんにく(黒にんにく)

事業の効果

  • にんにく納品数(年間) 4万個→20万個
  • にんにく納品金額 360万円→2,200万円
  • 商品化率 67%→80%

乾燥・貯蔵設備の導入により、にんにくの周年出荷を可能とする事業体制を構築し、顧客の周年出荷ニーズに応えられるようになった。小売店の棚を確保して売上が増え、品薄の時期に国産にんにくを供給して販売単価が上昇した。乾燥処理と冷蔵貯蔵により商品の品質が向上し、廃棄や不良品も減っている。さらに発酵にんにくの加工が可能になり、異なる顧客層を開拓して売上増加につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    有機質肥料と土による資源循環農法を行い、にんにく「桃山ホワイト」の生産量を年々増やしている点は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    関西圏のスーパーや産直市場への販売と、出盛り期に供給過多で値崩れしていた市場環境は書かれているが、自社の強みとの関係は十分に示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    乾燥・貯蔵設備がなく出盛り期に集中していた課題を認識し、3カ月4万個360万円を12カ月20万個2,200万円へ引き上げる具体的な計画が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    具体的な目標値として12カ月20万個、2,200万円、商品化率67%から80%が示され、事例では実現した結果も記載されている。

  • 事業を進める体制2

    設立時の資本金300万円、従業員7人、農業生産法人資格の取得は書かれているが、補助事業を遂行する体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    周年出荷のニーズや小売店の棚確保、国産にんにくの供給による販売単価上昇が書かれ、顧客ニーズへの対応は読み取れるが、ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    設備の追加を見越した設置場所の計画や、植え付け数を100万個へ広げる方針が書かれ、中長期の展開は示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    乾燥・貯蔵による周年出荷や発酵にんにく(黒にんにく)の加工など、和歌山県では例がない取組として位置付けられている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    和歌山県で乾燥・貯蔵設備による周年出荷の例がないことや、産地として全国6位である点が書かれ、地域での意義がうかがえる。

  • 費用対効果4

    投資額に対し年売上が360万円から2,200万円へ、商品化率が67%から80%へ向上する計画が数字で示され、費用対効果は具体的に読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    有機質肥料による資源循環農法やエコファーマーの認定は書かれているが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    地元ブランド「桃山ホワイト」の定着や紀の川市での事業が書かれ、地域の特性を活かした取組はうかがえるが、雇用創出の記述はない。

今後の展望

にんにくの植え付け数を100万個規模に広げることを目指している。設備の追加導入を見越して設置場所や配置場所も計画済みである。エコファーマーをキーワードに、関東の小売店への進出など販路の拡大を進める考えである。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。