ものづくり補助金平成25年度製造業鳥取県

子供・高齢者、要介護者が骨まで食べれる「ファーストフィシュ」の試作開発・製造販売

有限会社小倉水産食品

成果カルシウム量(サケフライ100gあたり) 360mg→1,700mg

この事例のポイント

  • 一日当たりの魚介類の消費量が肉類より下回り、水産加工業は苦戦を強いられている。
  • 地場産魚材(さば、あじ、いわし、銀サケ等)を活用し、小中学校給食や高齢者・要介護者向けの「ファーストフィッシュ」を開発・製造販売する。
  • カルシウム量(サケフライ100gあたり) 360mg→1,700mg。骨まで食べられる栄養成分の高い商品の製造が可能となった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社小倉水産食品
所在地鳥取県 境港市
業種食料品製造業
従業員数26人
資本金8,000万円
設立1954年

事業の背景

昭和30年に創業し、干物・塩干物の生産からスタートした。化学調味料や添加物を使わない「いかの塩辛」が評判となり、食品加工会社として変貌した。国産素材のみを使い、無添加の安心・安全な食品を一品一品丁寧に製造・販売している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑一日当たりの魚介類の消費量が肉類より下回り、水産加工業は苦戦を強いられている。
  • 販路・情報発信魚介類の消費量減少を防ぐには、調理の難しさ、骨を取るのが難しい、臭いが大きな問題となっている。
  • 新製品・新技術健康食でもある魚介類を、老若男女が安心して食べられるファーストフィッシュとして新たな販路を拡大する方法が課題である。

やったこと

地場産魚材(さば、あじ、いわし、銀サケ等)を活用し、小中学校給食や高齢者・要介護者向けの「ファーストフィッシュ」を開発・製造販売する。骨まで食べられる商品を作るため、飽和蒸気調理器を導入し、魚種ごとの最適処理時間、各レシピの調味料と飽和蒸気調理器の最適化ノウハウを構築した。処理後の小分けパッケージ技術を確立し、冷凍保存保管を行い、開発食品の成分・栄養比較分析も実施した。

  • 加工機飽和蒸気調理器高効率蒸気ボイラー

新しい製品・サービス:骨まで食べられる「ファーストフィッシュ」(試作アイテム10種類、さけの骨つき中落ちのフレーク、骨やわらかあじフライ等)

事業の効果

  • カルシウム量(サケフライ100gあたり) 360mg→1,700mg
  • 従来設備と比較して3倍以上の時間短縮

骨まで食べられる栄養成分の高い商品の製造が可能となった。処分していた中骨等の廃棄資源を再利用でき、他社の廃棄資源も安価に活用できるようになった。調理時間の短縮により大量生産が可能となり、従来設備と比べて3倍以上の時間短縮を実現した。手作業の自動化による削減でコスト削減を図り、魚の骨の除去作業も不要になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    創業以来の水産加工・無添加製品の評判という過去の取組はうかがえるが、本事業の位置付けを経営戦略として明示する記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    国産素材・手づくり・無添加の強みは読み取れるが、市場動向との関係や競合に対する優位性の説明は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決3

    魚介類離れと調理・骨取りの難しさという課題は示されるが、高付加価値化の数値目標は書かれていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    従来設備比3倍以上の時間短縮やカルシウム量の増加は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    骨まで食べられる高齢者・要介護者・子ども向けの対象と、骨除去不要という選ばれる理由が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    小分けパッケージ技術の確立や冷凍保存などの課題と作業項目は示されるが、スケジュールや期間の記載は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    骨まで食べられる魚料理は新規性があるとうかがえるが、高水準の高付加価値化を数値で示す記述は限られる。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    中骨などの廃棄資源の再利用や地場産魚材の活用、6次産業化による産地振興が書かれ、地域波及の意義はうかがえる。

  • 費用対効果4

    サケフライのカルシウムが従来360mgから試作1,700mgへ、調理時間は3倍以上短縮と数値が示され、費用対効果がうかがえる。

  • イノベーションへの貢献3

    飽和蒸気調理器の導入や廃棄資源の再利用は書かれるが、先端デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は記載が薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    病院・介護施設向けの新市場開拓は書かれるが、日本経済の構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及3

    地場産魚材を活用し産地の6次産業化を図る点は地域特性の活用として読み取れるが、雇用創出の記述は薄い。

今後の展望

子どもたちへの魚料理の普及・定着と食文化への貢献を目指す。病院、介護施設、高齢者施設の給食及び学校給食をターゲットに新規市場を開拓する。骨まで食べられ栄養成分が高い商品により、幅広い商品アイテムを開発し、新たな販路開拓につなげる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。