ものづくり補助金平成25年度製造業鳥取県

高精度スプロケットを板鍛造で製作する技術開発と量産体制の確立

株式会社寺方工作所

この事例のポイント

  • スプロケットの歯すじ方向精度が旧JIS5級の精度を確保しているものの、ユーザー要求に対して余裕がない。
  • サーボプレス機を導入し、成形技術の開発と最適な加工条件の選択を行えるようにした。
  • サーボプレス機の導入により、プレス化試作品のスプロケットの歯形・歯筋精度が製品規格をクリアし、量産受注につながった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社寺方工作所
所在地鳥取県 北栄町
業種金属製品製造業
技術分野機械制御
従業員数136人
資本金3.5億円
設立1946年

事業の背景

当社は昭和21年に大阪市でプレス金型の製造を開始し、平成19年に現在地へ本社を移転した。大手自動車メーカーの部品製造を業務とし、自動車のエンジン、変速機、制御などの部品を製造している。自動車オイルポンプ用スプロケットは、切削加工から焼結合金や冷間鍛造+プレスへ移行してきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度スプロケットの歯すじ方向精度が旧JIS5級の精度を確保しているものの、ユーザー要求に対して余裕がない。
  • 生産能力現在の生産設備では大量ニーズに対応できない。
  • コスト・採算精度物はホブ盤による仕上げ加工を追加しており、完全プレス製への移行が課題となっていた。

やったこと

サーボプレス機を導入し、成形技術の開発と最適な加工条件の選択を行えるようにした。これにより、精度物もホブ盤加工の仕上げを使わず、完全プレス製の高精度スプロケットを量産できる体制を整えた。導入設備は、スプロケットの単発工程用の量産プレス機として用いるダイレクトサーボプレス機である。プレス化した試作品について歯形・歯筋精度の評価を行い、製品規格をクリアすることを確認した。搬送装置の内製化も進めた。

加工機ダイレクトサーボプレス機

新しい製品・サービス:高精度スプロケットの板鍛造による完全プレス製造

事業の効果

サーボプレス機の導入により、プレス化試作品のスプロケットの歯形・歯筋精度が製品規格をクリアし、量産受注につながった。月産8万個生産可能なタクトタイムをクリアし、量産受注体制を整備した。受注量拡大時に備えて搬送装置の内製化を進め、安定供給体制の維持を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    電子部品の超精密金型やプレス加工の技術蓄積が記載され、サーボプレス導入への連続性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    受注先からの高い評価や超精密金型・ミクロン単位の精度管理技術など自社の強みが具体的に示され、高精度スプロケットで競争優位を狙う内容になっている。

  • 課題の認識と解決4

    ホブ盤仕上げ追加や旧JIS5級の歯筋精度に余裕がない課題が示され、サーボプレス導入で完全プレス製に転換する解決策が明確である。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    月産8万個生産可能なタクトタイムをクリアした実績と、月約10万個の生産能力を持つ現ラインからの目標が数字で示されている。付加価値額や賃上げの目標値は記載がない。

  • 事業を進める体制3

    従業員136名や平成28年時点の事業概要は読み取れるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自動車オイルポンプ用スプロケットの顧客ニーズと、量産受注に結び付いた歯筋精度の実績が示され、選ばれる理由が読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    搬送装置の内製化を量産体制確認前に進めるなど段階的な進め方はうかがえるが、スケジュールや課題解決の方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    従来の切削加工から板鍛造・プレスへ置き換える独自工法で、高精度品を全プレス加工で量産する点が高付加価値化として示されている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 費用対効果3

    ホブ盤加工の工程省略やコスト低減が挙げられているが、補助金投入額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    サーボプレス機の導入は示されるが、デジタル技術の活用や新ビジネスモデルへの言及はほぼ見られない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    鳥取県北栄町の所在地は記載されるが、地域の特性を活かした雇用創出や地域成長への言及はうかがえない程度である。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

量産体制確認前に搬送装置の内製化を進め、受注量拡大時の受入態勢を整備する。将来的な安定供給体制を維持する。

  • 目標:生産能力 10万個/月→8万個/月

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。