ものづくり補助金平成25年度宿泊業、飲食サービス業鳥取県

調理・配膳部門の生産性向上と温泉の保全高度化によるサービス向上

株式会社小銭屋

この事例のポイント

  • 調理・配膳室が旧来のままで配置・構造が適切でなく、作業動線が間延びして繁忙日の生産能力が限界に来ている。
  • 調理・配膳室を全面レイアウトし直し、調理器具、作業台、収納棚等を設置した。
  • 調理・配膳室の改善により料理がタイミングよく提供できるようになり、生産余力から新調理メニューの開発と商品化が可能になってバリエーションが広がった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社小銭屋
所在地鳥取県 鳥取市
業種宿泊業
従業員数50人
資本金1億円
設立1823年

事業の背景

当館は鳥取市内の鳥取温泉中心部に立地し、個人・家族旅行の宿泊を主とする客室25室の小規模温泉旅館である。施設内の温泉井戸から直接温泉を汲み上げる自家源泉かけ流しの宿で、「自家源泉かけ流し、美味しいお料理、暖かな接客サービス」を3本柱としている。顧客の声や従業員の意見から、調理・配膳部門の生産性向上と温泉の設備保全の必要性が判明した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力調理・配膳室が旧来のままで配置・構造が適切でなく、作業動線が間延びして繁忙日の生産能力が限界に来ている。
  • 生産能力現行の食事提供スタイルへの適合性が低下している。
  • 集客・繁閑各部門間のきめ細かな相互連絡が必要だが、構内通信システムの回線不足により適切なコミュニケーションが取りにくい。
  • 生産能力温泉の成分に起因する機器の劣化が見られ、温泉の安定供給に対する不安が高まっている。
  • 人手・技能温泉の温度管理に熟練を要し、現場での毎日の温度調整に手間取る。

やったこと

調理・配膳室を全面レイアウトし直し、調理器具、作業台、収納棚等を設置した。あわせて付帯する換気設備、給排水衛生設備、電気設備を改修し、厨房・配膳室の機能を強化した。業務用電話交換機を更新し、必要に応じて専用の所内通話設備を増設した。温泉の系統機器のうち劣化の進行が顕著な中継タンクと呼水タンクの架台を更新し、非常用補給設備、遠隔監視装置、警報装置を設置して温泉の保全管理を高度化した。

  • その他調理・配膳室の改修一式調理器具、作業台、収納棚、換気設備、給排水衛生設備、電気設備業務用電話交換機温泉中継タンク・呼水タンク及び架台非常用補給設備、遠隔監視装置、警報装置温泉管理システム

新しい製品・サービス:新調理メニュー

事業の効果

調理・配膳室の改善により料理がタイミングよく提供できるようになり、生産余力から新調理メニューの開発と商品化が可能になってバリエーションが広がった。交換機の更新で館内の連絡がスムーズになり、誤って顧客に電話をかけるヒューマンエラーを防止できた。温泉タンクの更新により温泉成分に起因する供給障害の要因が一掃され、長期安定供給が可能になった。温度調整の省力化と監視強化により温泉保全の高度化が図れた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    顧客や従業員の声から強みと弱みを抽出し、調理・配膳室の改修と温泉設備保全を課題解決策として位置付けている。経営戦略との明確な一貫性までは読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    自家源泉かけ流しを重要経営資源と位置付け、旅行動向の分析を踏まえている。市場環境と競争優位性の関係は具体的に示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    繁忙日の生産能力の限界、内線回線不足、温泉機器劣化など課題を具体的に認識し、各課題に対応する改修内容を対応づけている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    売上向上や営業利益の増加を目指すとあるが、目標値の数字は示されていない。賃上げ目標も具体的な数値はない。

  • 事業を進める体制2

    従業員50名や多能工化による要員の適正化に触れているが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    タイミング良い料理提供やアレルギー・外国人対応など顧客価値は書かれているが、ターゲットやニーズの裏付けは具体的でない。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展開として利益増加や人事評価制度の構築を挙げているが、スケジュールや課題解決の方法の詳細は示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    旅館の温泉かけ流しや料理提供はあるが、新市場や高付加価値化の水準を示す記述は限定的で、わずかにうかがえる程度。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    外国人旅行客の増加や地域の温泉の保全に触れているが、経済波及効果や雇用創出の国の関与理由は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果2

    売上や営業利益の増加を図るとあるが、補助金投入額に対する付加価値額や費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    鳥取市内の市街地に湧く温泉を活かした旅館であることは書かれているが、地域経済の牽引や雇用創出の記述は薄い。

今後の展望

タイミング良い料理提供、アレルギー食材や外国人固有の食事嗜好への対応性向上、館内通信手段の向上、温泉温度管理の適正化等により総合的なサービス・おもてなしを向上させ、顧客評価を維持してリピーターの増加と売上向上を目指す。顧客満足度の向上で客数と売上が増加し、増え続ける外国人旅行客も売上増に貢献して営業利益の増加を図る。また、パート社員を多能工化して正社員に登用し処遇を改善するとともに、個別の人事評価制度を構築して意欲ある従業員の賃金を厚くする。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。