ものづくり補助金平成25年度宿泊業、飲食サービス業秋田県

新調理システム導入による惣菜店の「法要会食サービス」事業の展開

有限会社 たかえん

この事例のポイント

  • 法事に対する考え方が変わり、年忌法要が家族の絆を確認する場として重視されるようになったが、一堂に会した家族が楽しめる食事や高齢者・幼児・アレルギーへの個別対応が求められている。
  • 新調理システムとしてスチームコンベクションオーブン、ブラストチラー等を導入し、クックチルや真空調理を行う体制を整えた。
  • 温かい料理をタイミングよく提供できるようになり、温め直しによる味の劣化がないため急な法事会食の注文にも対応でき、機会損失が減少した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社 たかえん
所在地秋田県 横手市
業種持ち帰り・配達飲食サービス業
従業員数11人
資本金900万円
設立1992年

事業の背景

当社は化学調味料などを一切使わない手作り惣菜を提供してきた。消費者の生活様式や嗜好が多様化する中、既存の惣菜店ノウハウを活かして法要会食サービスを展開できると考えた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑法事に対する考え方が変わり、年忌法要が家族の絆を確認する場として重視されるようになったが、一堂に会した家族が楽しめる食事や高齢者・幼児・アレルギーへの個別対応が求められている。
  • 人手・技能小規模な法要ニーズに応えるには大量の仕込みを安全かつ効率よく行い、会食時に温かい料理を提供する必要があるが、手作りでは対応が難しかった。

やったこと

新調理システムとしてスチームコンベクションオーブン、ブラストチラー等を導入し、クックチルや真空調理を行う体制を整えた。加熱調理時間をプログラム化し、調理時間や調理温度をデータ化して簡単な機械入力で同一品質の料理を再現できるようにした。繁忙日を予測して2か月先程度の計画的な仕込みを行い、法要が重なる場合も作業量が比例しないようにした。電解次亜水による食材の洗浄・殺菌消毒も取り入れた。

その他電解次亜水生成装置
加工機スチームコンベクションオーブン
加工機ブラストチラー(ショックフリーザー付)

新しい製品・サービス:自宅法事向けの法要膳の宅配サービス、法要向けの独自デザインのギフトボックス

事業の効果

温かい料理をタイミングよく提供できるようになり、温め直しによる味の劣化がないため急な法事会食の注文にも対応でき、機会損失が減少した。加熱調理時間のプログラム化により手作りに比べ大幅に調理時間が短縮し、閑散日の事前仕込みで作業が平準化された。当日の作業負担も大きく増えず、会席参加者に充分なサービスを提供できている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の惣菜製造・販売と「化学調味料を使わない手作り料理」へのこだわりを土台に、法要会食サービスへ展開する流れが読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    法事の役割変化や高齢者・幼児・アレルギー対応の需要を背景に挙げているが、市場規模や競合との比較の数字は示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    急な注文への対応ができず機会損失が生じていた課題に対し、調理の平準化で解決する方針が書かれている。ただし数値目標は見当たらない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    調理時間が大幅に短縮したとあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、実現可能性を判断する数字が乏しい。

  • 事業を進める体制2

    既存事業と並行して展開できるとあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述はほぼない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顔の見える地元産野菜、化学調味料・合成保存料を使わない調理、高齢者やアレルギー対応など、ターゲットと選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    2か月先程度の計画的仕込みや宅配・ギフト商品化など今後の展開は書かれているが、スケジュールの具体的な期限は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    法要会食の小規模ニーズへの対応という位置づけはあるが、同分野での普及度や高付加価値化の水準を示す記述は薄い。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地元産野菜の活用や取引農家への情報発信が書かれ、地域への波及効果がわずかにうかがえる程度。

  • 費用対効果2

    調理時間の短縮や機会損失の減少が書かれているが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果の数字はない。

  • イノベーションへの貢献2

    クックチルや真空調理などの新調理システムを導入しているが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は限定的にしか読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    横手市の自宅法要が盛んな地域特性を挙げ、宅配サービス拡大を計画しているが、地域経済への効果は数字で示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

自宅法要が盛んな横手地域での宅配サービスを拡大し、宅配ノウハウを蓄積する。法要向けギフトボックスを商品化する。取引農家に顧客ニーズの情報を発信し、特徴ある農作物の生産を促す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。