ものづくり補助金平成25年度製造業鳥取県

医療・健康分野におけるヘルスケア機器の新製品開発・試作・量産体制の確立

旭東電気株式会社

この事例のポイント

  • 小型集積回路パッケージ部品が集積回路として主流になっているが、基板との接触面が部品裏側の回路パターンとなるため、外観検査では検査できない。
  • 屈曲性素材フレキシブル基板の部品実装及び集積回路パッケージ実装製品の新製品開発・試作・量産を行うため、高信頼性画像検査機と X 線透過検査装置を導入した。
  • 外観検査の自動化により検査時間を70%短縮し、コスト面で市場競争できるようになると見込んでいる。

事業者のプロフィール

事業者名旭東電気株式会社
所在地鳥取県 琴浦町
業種電気機械器具製造業
技術分野接合・実装
従業員数326人
資本金1.486億円
設立1949年

事業の背景

本社は大阪市旭区にあり、昭和24年の創業以来、各種漏電遮断器等の開発・製造・販売を行っている。鳥取事業所は昭和45年に鳥取県東伯郡琴浦町の誘致企業として設立され、プリント基板実装をはじめとするEMS事業や漏電しゃ断器等の開閉機器の生産を担っている。太陽光発電用直流開閉器や住宅用分電盤、車載・医療・民生用機器の受託生産を行い、生産用設備は自社内で製作している。医療・健康機器メーカーからの基板設計ニーズは、より高位で精密さを求める方向に進んでいる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度小型集積回路パッケージ部品が集積回路として主流になっているが、基板との接触面が部品裏側の回路パターンとなるため、外観検査では検査できない。
  • 新製品・新技術医療・健康機器メーカーとの新製品開発では基板設計により高い精度が求められており、引き続き共同開発を行うには基板設計能力に加えて完成品の検査能力と品質保証能力の向上が必須となっていた。

やったこと

屈曲性素材フレキシブル基板の部品実装及び集積回路パッケージ実装製品の新製品開発・試作・量産を行うため、高信頼性画像検査機と X 線透過検査装置を導入した。BF-Sirius は中・大型の手挿入部分を自動で画像検査し、BF-Comet は小型の手挿入部分を自動で画像検査する。VT-RNS・PRO は自動実装機で搭載した部分基板の画像検査を行う。SMX-1000plus は画像検査ができない実装部分を X 線で透過検査し、部品の裏側等を検査できるようにした。

検査測定BF-Sirius
検査測定BF-Comet
検査測定VT-RNS・PRO
検査測定SMX-1000plus

新しい製品・サービス:医療・健康分野のヘルスケア機器の新製品(屈曲性素材フレキシブル基板の部品実装及び集積回路パッケージ実装製品)

事業の効果

外観検査の自動化により検査時間を70%短縮し、コスト面で市場競争できるようになると見込んでいる。外観検査の精度を上げて検査不可だった項目を自動検査可能にし、X線透過検査で部品の裏側等の品質保証も可能になった。これにより医療・健康機器産業の基板実装の検査精度が向上し、新製品の開発・試作・量産体制を確立できた。品質保証の優位性で他社との競合にも対応できる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    鳥取事業所は1970年に誘致企業として設立され、プリント基板実装事業を継続してきたとあるが、経営戦略上の位置づけは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    医療・健康機器メーカーとの共同開発ニーズが高まり、検査能力が必須になったと書かれているが、市場規模や競合との比較は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    外観検査で検査できない部品裏側の課題を挙げ、X線透過検査の導入で解決する流れが具体的に書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    検査時間を70%短縮、医療健康機器の売上を5年で5000万円以上、雇用を5年で9名増と数値目標が示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員326名と記載があるのみで、補助事業を担う体制や人材の具体的な配置は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    品質保証と検査精度による他社との優位性は書かれているが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは限定的である。

  • 事業化までの道筋3

    鳥取工場をマザー工場とし、開発から量産へ進める段階的な展開が示されているが、スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    高精度検査で医療機器の基板実装品質を高める点が示されるが、分野の普及度や高価格化の具体的根拠は乏しい。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域の誘致企業として雇用創出に触れているが、川上・川下への波及効果や社会インフラとしての必要性は書かれていない。

  • 費用対効果2

    5年で売上5000万円以上、雇用9名増の見込みが示されるが、補助金額に対する費用対効果の算出は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    X線透過検査や画像検査で新製品開発を支える点は示されるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの言及は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    医療・健康分野という成長分野への進出が書かれているが、日本経済の構造転換との関連は説明されていない。

  • 地域経済への波及2

    鳥取県琴浦町の誘致企業として雇用創出と収益拡大を目指すと書かれているが、地域特性の活用の仕方は詳しく書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

鳥取工場をマザー工場として医療・健康分野の新製品の開発・試作から量産への対応を進める。高品位で安全安心な製品を供給し、鳥取工場の収益拡大と雇用創出につなげる。導入・改良した設備は量産設備として転用して生産を行う。医療健康機器の売上は5年で5000万円以上を見込み、雇用も5年計画で新たに9名を見込んでいる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。