ものづくり補助金平成25年度建設業鳥取県

自然エネルギー活用、及び環境考慮型ボーリング工事における設備面からの技術革新及び工法展開。

株式会社タシマボーリング

この事例のポイント

  • 地中熱利用工事やSTマイクロパイル工事で使われる従来のダウンザホールハンマー工法などは、施工は速いものの振動・騒音・飛散が生じ、都市部では不利な工法である。
  • 平成27年1月に、ダブルロータリー工法ボーリングマシンSM-10GTを導入し、試運転・試験施工を実施した。
  • ダブルロータリー工法の導入により、含水率の高い堆積層でも相当な効率化が図れることが試験施工の結果から確認された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社タシマボーリング
所在地鳥取県 鳥取市
業種設備工事業
従業員数14人
資本金2,000万円
設立1986年

事業の背景

当社は昭和61年の創業以来、各種ボーリング工事を手がけ、特に温泉工事での深掘り技術に強みを持つ。井戸工事、基礎基盤補強対策工事、地質・水源調査、特殊削孔技術、地中熱利用工事などを主な事業としている。都市部での施工需要が高まる中、振動や騒音を抑えた工法への対応が求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術地中熱利用工事やSTマイクロパイル工事で使われる従来のダウンザホールハンマー工法などは、施工は速いものの振動・騒音・飛散が生じ、都市部では不利な工法である。
  • 新製品・新技術鳥取の地盤は支持層が深く含水率の高い軟弱層が厚いため、従来工法では飛散や逆流が起こり、場合によっては施工できない恐れがあった。

やったこと

平成27年1月に、ダブルロータリー工法ボーリングマシンSM-10GTを導入し、試運転・試験施工を実施した。試験施工は掘削深度30mで、掘削ツールはØ150のアウターケーシングとインナービットクロウタイプを用いた。対象は砂礫層を含む堆積層で、従来工法のDTH工法では対策が必要となる地層であったが、急速な施工ができることを確認した。ダブルロータリー工法は、インナーとアウターが相反して回転することでトルクを抑え、低振動・低騒音で施工できる。また、水循環による削孔で高圧コンプレッサーを使わないため飛散や排気ガスを抑えられ、濁水処理汚泥の産廃量も減らせる。

加工機ダブルロータリー工法ボーリングマシン(SM-10GT)

新しい製品・サービス:ダブルロータリー工法ボーリングマシン(SM-10GT)

事業の効果

ダブルロータリー工法の導入により、含水率の高い堆積層でも相当な効率化が図れることが試験施工の結果から確認された。低騒音・低排出ガスのため、都市部での施工に大きな効果が期待できる。飛散や濁水汚泥の産廃処分を抑えられることで、環境負荷の少ない施工が可能になる。多様な要求に応えられるようになり、受注拡大、工期短縮、コスト削減につながる見込みである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の温泉工事での深掘り技術を強みとし、ダブルロータリー工法導入が今後の事業展開に位置付けられているが、戦略上の位置付けは簡潔にしか書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    鳥取の地盤は支持層が深く含水率の高い軟弱層が厚いという環境を挙げ、低振動・低騒音で都市部施工に強みを発揮できると具体的に述べている。

  • 課題の認識と解決4

    飛散や逆流で施工不能になる課題を明示し、試験施工で30mの堆積層を急速施工できたことを示して、差別化につながる解決策を述べている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    賃上げや付加価値向上の目標は「賃上げ実現」と記載されるのみで、数値目標や実現根拠は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数14名との記載はあるが、補助事業を遂行する体制や人材の具体的な配置は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    低振動・低騒音・排出土削減などの特徴と、地中熱やSTマイクロパイルでの顧客需要を比較表で示し、選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    試運転・試験施工の結果や今後の展開(地中熱事業等への適用)は示されているが、スケジュールや課題解決の詳細な方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達2

    資本金20,000千円と記載があるのみで、財務状況や金融機関からの資金調達の見込みは読み取れない。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ダブルロータリー工法は従来工法と比べて差別化された工法と読めるが、市場での普及度や高付加価値化の水準は具体的に示されていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    低騒音・低排出ガス・産廃抑制など環境配慮の効果がうかがえるが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する理由の記載は少ない。

  • 費用対効果2

    施工の効率化は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果を示す数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    地中熱やSTマイクロパイルへの環境配慮型工法の適用はうかがえるが、サプライチェーンへの貢献や新ビジネスモデルは書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    鳥取の地盤条件を踏まえた地域の工事需要への対応が書かれており、地域貢献を目指す旨も読み取れるが、経済成長への寄与は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

地中熱事業とSTマイクロパイル事業、またはその他の事業において、さらなる自然環境への配慮と地域貢献を目指す。多様な要求に対応できることで市場が拡大し、売上の上昇や社員の新たな技術習得による賃上げにつなげる計画である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。