ものづくり補助金平成30年度建設業富山県

ICT技術を活用した先進的な土木施工管理システム構築による土木工事の生産性向上

水新建設株式会社

この事例のポイント

  • 若年者の入職が少なく、人口減少による将来の働き手不足が心配されていた。
  • UAV(ドローン)を用いた3次元測量に着手し、ICT建機を導入した。
  • 高精度な3次元測量により作業人数や日数が大幅に省力化され、傾斜地や危険な場所にも立ち入らずに安全に計測できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名水新建設株式会社
所在地富山県 富山市
業種総合工事業
技術分野機械制御,測定計測
従業員数36人
資本金5,000万円
設立1977年

事業の背景

昭和52年に富山市で創業した、官公庁発注の公共土木・解体工事を柱とする建設会社で、元請けとして防災工事や大規模なほ場整備なども手掛けている。平成28年頃から国や自治体を挙げて建設現場へのICT導入が進み、すべての建設生産プロセスでICT活用が図られるようになった。当社の主力である官公庁発注の工事でもICT活用を指定する工事が増えていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能若年者の入職が少なく、人口減少による将来の働き手不足が心配されていた。
  • 生産能力国や自治体が建設現場へのICT導入による生産性向上を進めるなか、社内にICT技術の蓄積が少なかった。
  • 新製品・新技術官公庁発注の工事でICT活用が指定される件数が増え、着実に受注するためにICT機器をそろえる必要があった。

やったこと

UAV(ドローン)を用いた3次元測量に着手し、ICT建機を導入した。補助金により3次元レーザースキャナー、3次元CAD、3次元点群処理システムとソフトウェア一式、建設バーチャルリアリティ(VR)システムを導入した。社員を外部の研修や実習に積極的に参加させ、ICT技術に精通した人材の育成にも取り組んだ。3次元点群処理システムで設計データを作成し、そのデータをICT建機に取り込んで施工した。

検査測定3次元レーザースキャナー
ソフト3次元CAD
ソフト3次元点群処理システムとソフトウェア一式
ソフト建設バーチャルリアリティ(VR)システム
その他ICT建機

新しい製品・サービス:先進的な土木施工管理システム

事業の効果

高精度な3次元測量により作業人数や日数が大幅に省力化され、傾斜地や危険な場所にも立ち入らずに安全に計測できるようになった。点群による管理で土量算出や微細な地形の変化点も捉えられ、測量の品質が向上した。経験の浅いオペレーターでも高精度に施工でき、熟練工も作業効率が向上した。VR体験により社員が具体的なイメージを持って働けるようになり、若手社員の働く意欲も高まった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    1977年創業から下請け中心で技術と実績を重ね、近年はICT導入を主力方針として位置づけていることがうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    官公庁発注でICT活用を指定する工事が増えており、防災工事の実績や工事表彰を強みとして、市場動向に対応している。

  • 課題の認識と解決4

    若年者の入職が少なく働き手不足が心配とあり、ICT導入で作業効率を高め、魅力ある現場にする課題認識と対応が示されている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの具体的な目標値は書かれておらず、定性的な効果の記述にとどまる。

  • 事業を進める体制3

    社員を外部研修や実習に積極的に参加させ、ICT技術に精通した人材育成に力を注いでいることが読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    発注者や協力会社と完成イメージを共有でき、VRで現場前に疑似体験できる点が価値として整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の中長期の遂行方法やスケジュールは記載されず、今後の展望は概括的な記述にとどまる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ICT施工は官公庁工事で広がりつつあるが、高精度測量の普及度や高価格化の水準を示す記述は限られている。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    国や自治体を挙げてICT導入が進められ、生産性向上と魅力ある現場を目指す流れに沿った取組であることが示されている。

  • 費用対効果3

    作業人数や日数が大幅に省力化したと記載されるが、投入額や増加した付加価値の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    UAV測量、3次元レーザースキャナー、VRを導入し、ICT建機と連携させて施工の高度化につなげている。

政策面70%
  • 成長分野への進出3

    建設現場へのICT導入による生産性向上という流れに対応しているが、産業構造の転換への言及は具体的ではない。

  • 地域経済への波及4

    富山で防災工事や河川工事を担い、地域のインフラを支える役割と、高校生向けVR体験会による地域人材確保が示されている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

官公庁発注のICT活用工事を主力としながら、地域のインフラを支え、災害から守る地元密着の会社であり続けることを目標とする。テレビCMでドローンやVRの活用を紹介し、若い世代に魅力を伝えて男女を問わず幅広く人材を確保し育成していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。