ものづくり補助金平成25年度製造業岡山県

水力発電用ランナ(羽根車)模型の高精度、短期での製作を実現

株式会社山本金属製作所

成果加工リードタイム 100%→50%

この事例のポイント

  • 製作する水力発電用ランナ模型は羽根が高く薄くひねりの大きな三次元形状で、切削加工に使える工具の選択肢が狭く、高精度な加工に対応できない。
  • 水力発電用ランナ模型の製作を受注し、新たな設備機器を導入して高精度かつ短納期の実現に取り組んだ。
  • 加工リードタイム 100%→50%。導入した設備機器を使い水力発電用ランナ模型を製作したところ、高精度化を実現しつつ加工リードタイムを50%削減した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社山本金属製作所
所在地岡山県 岡山市
業種金属製品製造業
技術分野測定計測
従業員数99人
資本金8,000万円
設立1989年

事業の背景

株式会社山本金属製作所は昭和40年の創業以来、精密加工技術と計測評価技術の2つをコア技術として事業を展開している。精密部品や輸送機器部品の加工を手がけ、計測評価では加工時の工具摩耗や切削抵抗などのモニタリングを行い、取引先の課題解決に取り組んでいる。大阪の2カ所の技術開発センターと岡山の研究開発センターで技術の深層化に力を注いでいる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力製作する水力発電用ランナ模型は羽根が高く薄くひねりの大きな三次元形状で、切削加工に使える工具の選択肢が狭く、高精度な加工に対応できない。
  • 品質・精度工具軌跡の作成は汎用的なシミュレーション解析しかできず、細部の精度が落ちるうえに多大な時間を要する。
  • 人手・技能複雑で大きな製品は加工途中で計測ができず、専用ゲージを用いた手作業で計測している。

やったこと

水力発電用ランナ模型の製作を受注し、新たな設備機器を導入して高精度かつ短納期の実現に取り組んだ。細長いホルダーの選定が可能な高性能焼入れ装置を導入し、内部給油装置を加えて潤滑性を高めるとともに切屑の除去にも対応した。高性能CAEソフトの導入により、高効率な高速シミュレーションを可能にした。テストバーとオンマシン形状測定システムを導入し、計測時間の短縮と高精度化を図った。

事業の効果

  • 加工リードタイム 100%→50%

導入した設備機器を使い水力発電用ランナ模型を製作したところ、高精度化を実現しつつ加工リードタイムを50%削減した。発注側が求めた30%削減を上回る短期化となった。製作を通じて加工シミュレーションと工具の性能評価のデータベースが構築され、三次元形状の加工物の計測技術も向上するなど、多くのノウハウと技術力が蓄積された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の精密加工と計測評価をコア技術とする一貫性は読めるが、経営戦略上の位置付けは事例に明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    国内の水力発電所200カ所の需要や航空機部品への展開に触れ、強みとして計測評価技術を挙げているが、競争優位の説明は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    課題として工具選択肢の狭さ、ツールパスの精度低下、手作業計測を挙げ、各々に対応する設備を導入した流れが具体的に書かれている。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    加工リードタイムを30%削減の要求に対し50%削減を実現したと数字で示され、直径500mmのランナ模型で達成済みと読める。

  • 事業を進める体制3

    技術開発センターや研究開発センター、JISQ9100取得に触れるが、補助事業の遂行体制として人材や事務体制は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    水力発電用ランナ模型の高精度・短納期というニーズと、国内200カ所の発電所需要が書かれているが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    航空機エンジン部品の製作を視野に入れると書かれ、加工シミュレーションのデータベース化も挙げられているが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    三次元形状の水力発電用ランナ模型で、高精度加工の水準を高めて高付加価値化を図る取組として具体的に読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    水力発電や航空宇宙防衛産業への展開がうかがえるが、国が補助する波及効果や雇用創出は明記されていない。

  • 費用対効果3

    リードタイム50%削減という効果は数字で示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    高性能CAEソフトやオンマシン形状測定など、デジタル技術の活用は読めるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    水力発電から航空機へ発展させるとあり、成長分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    岡山の企業として大阪・岡山の拠点に触れるが、地域の特性を活かした雇用創出や地域経済への効果は書かれていない。

今後の展望

国内には大小200カ所の水力発電所があり、今後の大きな需要を見込んでいる。さらに航空機エンジン部品の製作も視野に入れており、航空宇宙防衛産業の品質マネジメントJISQ9100を取得している。

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。