ものづくり補助金平成25年度製造業広島県

大型マシニングセンター導入による新生産プロセスの構築

株式会社シンセラ

成果工程数 5工程→3工程

この事例のポイント

  • 現有機械では2台のマシニングセンターで工程を分割し全体5工程を加工せざるを得ず、機械間の運搬が必要でコスト増の要因となっていた。
  • 森精機製の大型マシニングセンターを導入し、新生産プロセスを設計した。
  • 工程数 5工程→3工程。工程数の削減により加工時間の短縮と加工精度の確保が実現し、運搬ロスの解消と外観面の不良防止につながった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社シンセラ
所在地広島県 世羅郡世羅町
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数109人
資本金2,600万円
設立2002年

事業の背景

日本の自動車産業では地球環境への配慮から車両軽量化への取り組みが進んでおり、アルミダイカスト製法による部品のアルミ化が注目されている。国内の自動車生産台数は約820万台(2013年)にのぼり、当社も自動車部品の加工で生産の一翼を担ってきた。政府も省エネ法で2015年度の燃費基準を大幅に引き上げており、各社が軽量化に取り組んでいる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力現有機械では2台のマシニングセンターで工程を分割し全体5工程を加工せざるを得ず、機械間の運搬が必要でコスト増の要因となっていた。
  • 品質・精度機械間の運搬にともない加工精度に影響が出て、キズなど外観面の品質不良を招く恐れが大きかった。

やったこと

森精機製の大型マシニングセンターを導入し、新生産プロセスを設計した。現有機械では2台で5工程を加工していたが、新生産プロセスでは1台で全3工程を完了させる。Hondaの新発売の軽自動車の軽量化部品リヤーサブフレイムの加工を、1台のマシニングセンターで全行程行う。加工対象の寸法は10mm~1000mmのワークサイズである。当社のアルミダイカスト加工技術と新規高機能の大型マシニングセンターにより新加工方法の確立を行った。

加工機森精機製大型マシニングセンター

新しい製品・サービス:Hondaの新発売の軽自動車の軽量化部品リヤーサブフレイム(アルミダイカスト製法)

事業の効果

  • 工程数 5工程→3工程
  • 加工時間 16分→13.5分
  • 着脱回数 5回→3回
  • 加工治具 5種類→3種類
  • 運搬回数 1回→0回
  • 機械稼働率 85%→100%
  • 年間売上高増 約24百万円(受注数月間1,000個)

工程数の削減により加工時間の短縮と加工精度の確保が実現し、運搬ロスの解消と外観面の不良防止につながった。着脱回数や加工治具も減り、品質と作業性が向上した。機械稼働率は85%から100%になり、加工費がそのまま売上増となって年間約24百万円の売上増が見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    自動車部品のアルミダイカスト加工技術を持つ既存事業の延長で、軽量化部品への対応を図る点が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    自動車の燃費基準引き上げという外部環境と、既存のアルミダイカスト技術という強みに触れているが、競争優位の定量的根拠は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    現有2台5工程の課題を示し、1台3工程、加工時間16分から13.5分、年間売上増約24百万円と具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    年間売上増約24百万円(月1,000個)、加工時間16分→13.5分、作業人員1名→0.3名など数値目標が明示されている。

  • 事業を進める体制2

    社員の能力向上という項目名はあるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客は自動車部品の供給先で、品質・コスト・納期での市場競争力をアピールする点は書かれているが、ニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋3

    新生産プロセスの設計内容は具体的だが、導入スケジュールや中長期の検証方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    アルミダイカスト製法による軽量化部品の加工は、業界内で一定の水準にあることがうかがえる程度である。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    自動車の燃費基準や環境対応への言及はあるが、経済波及や雇用創出など国が補助する積極的理由は示されていない。

  • 費用対効果4

    投資に対し年間売上増約24百万円、加工時間・作業人員の削減が数値で示され、費用対効果の根拠がある。

  • イノベーションへの貢献2

    大型マシニングセンターによる新加工方法は書かれているが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は明確でない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    自動車の軽量化という成長分野への対応がうかがえるが、日本経済の構造転換に資するとの記述はない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

工程の削減により不良の発生要因を減らし、品質面のメリットに加えて、運搬や着脱の省力化で労働力不足に対応しつつ、少ないスペースで効率的な生産を目指す。品質、コスト、納期のいずれでも市場競争力のある加工を顧客にアピールできる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。