ものづくり補助金平成27年度製造業長野県

医療用ポンプ製造用部品の設備導入とIoT技術による高度生産性向上事業

有限会社大原工業

この事例のポイント

  • 医療用バルブの製造工程では、リードタイムの短縮と品質の一層の向上が求められていた。
  • 平成27年度ものづくり補助金により、電動ダイカストマシン、コンパクトマシニングセンター、三次元測定機の3台を導入し、医療用バルブの製造工程を改良した。
  • ダイカスト成型の工夫や機械加工時間の短縮、検査方法の工夫により、製造時間が短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社大原工業
所在地長野県 佐久市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工,測定計測,立体造形
従業員数37人
資本金1,000万円
設立1984年

事業の背景

有限会社大原工業は1984年に設立され、アルミや亜鉛を素材とするダイカスト製品を製造している。設立後数年は仕事が少なく、社員3名で苦労した。1997年に長野冬季オリンピックの聖火トーチを製作したことで知名度が上がり、仕事の問合せが増えて事業規模が拡大した。現在は社員数約40名で、電気設備、自動車、OA機器、精密機器、建築資材など多分野のダイカストを手がけ、取引先は50社以上である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力医療用バルブの製造工程では、リードタイムの短縮と品質の一層の向上が求められていた。
  • コスト・採算旧型のダイカストマシンや機械加工・検査の方法では、製造に時間がかかり稼働率も十分に把握できていなかった。

やったこと

平成27年度ものづくり補助金により、電動ダイカストマシン、コンパクトマシニングセンター、三次元測定機の3台を導入し、医療用バルブの製造工程を改良した。最新鋭マシンは医療用バルブの高い精度と厳しい品質基準に対応し、高いパフォーマンスを発揮した。ダイカスト成型の工夫、機械加工時間の短縮、検査方法の工夫により製造時間を短縮した。生産監視システムを導入し、IoTによる分析と監視で稼働率を把握できるようにした。旧型ダイカストマシンからの入れ替えも進めている。

加工機電動ダイカストマシン
加工機コンパクトマシニングセンター
検査測定三次元測定機
ソフト生産監視システム

新しい製品・サービス:医療用バルブ

事業の効果

ダイカスト成型の工夫や機械加工時間の短縮、検査方法の工夫により、製造時間が短縮された。生産監視システムにより稼働率を把握できるようになり、生産率が大幅に向上したとされる。医療用バルブの品質向上とリードタイム短縮も目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    ダイカストで聖火トーチを製作し新境地を開拓したとあり、医療分野を数年前から注力してきた一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    鋳造から加工までの一貫生産体制と測定器による品質管理が強みと具体的に書かれ、医療用バルブでの優位性を示す材料がある。

  • 課題の認識と解決3

    リードタイム短縮と品質向上という課題認識は読み取れるが、高付加価値化の具体的な計画や数値目標は書かれていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産率の大幅向上とあるが、高付加価値創出や賃上げの目標値は数字で示されておらず、実現可能性の根拠も薄い。

  • 事業を進める体制3

    社員数約40名、一貫生産体制とあり人材面の基盤はうかがえるが、補助事業を遂行する体制の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療用バルブで高精度・厳しい品質基準に対応し、証明書類を発行できる点が選ばれる理由として具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    旧型ダイカストマシンから最新鋭マシンへの入替えを急ピッチで進行中と書かれ、進め方はあるがスケジュールの詳細は不明。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    医療用バルブの製造で高精度・高品質を追求し、難しい仕事に挑戦する姿勢が書かれ、同分野で高付加価値化を図っている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    医療分野の製造改善が中心で、川上川下への波及や雇用創出など国が補助する積極的理由は事例には書かれていない。

  • 費用対効果2

    稼働率や生産率の向上がうかがえるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    IoTによる生産監視システムで稼働率を把握し、デジタル技術を活用して生産性を高めた点が具体的に書かれている。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    医療分野という成長分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    長野県佐久市の企業で地域の特性は見えるが、地域の雇用や経済成長を牽引する記述は限定的である。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

事業者の声

いちばん難しい仕事にトライして、それができれば、ほかの製品はもう平気でこなせる

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。