ものづくり補助金平成25年度製造業広島県

メタライズ用金属ペーストによる量産可能なスクリーン印刷技術の試作開発

カワソーテクセル株式会社

成果印刷数量 1倍→3倍

この事例のポイント

  • セラミックス表面のメタライズで平面部への金属ペースト印刷を手動で行っており、位置決めや塗布厚を経験と勘で調整するため、一日に数百個程度しか印刷できない。
  • 当社が独自に開発した融解チタンメタライズ法のチタンベースの金属ペーストを元に、自動でスクリーン印刷できるペーストの条件出しを行った。
  • 印刷数量 1倍→3倍。メタライズ層ではチタンが均一に分布し、接合品の耐食性・耐熱性・高気密性の改善につながった。

事業者のプロフィール

事業者名カワソーテクセル株式会社
所在地広島県 呉市
業種電気機械器具製造業
技術分野接合・実装
従業員数92人
資本金6,750万円
設立1945年

事業の背景

創業は1877年で、食器製造から始まり、1979年にセラミックス分野へ進出した。1998年からはろう付(金属接合)製品の製造を行っている。主な取引先は、センサー、電気自動車部品、X線透過窓の分野である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力セラミックス表面のメタライズで平面部への金属ペースト印刷を手動で行っており、位置決めや塗布厚を経験と勘で調整するため、一日に数百個程度しか印刷できない。
  • 人手・技能市販の自動・半自動スクリーン印刷機は自動車分野や電子部品分野で使われているが、接合用の金属ペースト塗布に用いるものは市販されていない。
  • 新製品・新技術接合部品の量産印刷に適合する金属ペーストと、市販の自動・半自動スクリーン印刷機で量産できる印刷技術が確立されていない。

やったこと

当社が独自に開発した融解チタンメタライズ法のチタンベースの金属ペーストを元に、自動でスクリーン印刷できるペーストの条件出しを行った。バインダーの添加量、ムラなくきれいな焼き色になる最適塗布厚、印刷作業性を検証した。印刷機メーカーと仕様を検討し、ワークの搬入方法や印刷位置調整方法などを決め、半自動スクリーン印刷機でセラミックスへ量産印刷する技術を開発した。CCDカメラで位置決めしたワークを自動でスクリーン印刷する半自動スクリーン印刷機を導入した。さらに、接合部の外装金めっきについて、脱脂から水洗・乾燥を含む無電解金めっきまでの工程編成を行い、量産前提の工程別作業手順書を作成して内製工程で試作品を完成させた。

加工機半自動スクリーン印刷機(CCDカメラ付き)
その他外装金めっき処理用の設備

新しい製品・サービス:メタライズ用金属ペーストによる量産可能なスクリーン印刷技術、およびろう付後製品の外装金めっき処理技術。

事業の効果

  • 印刷数量 1倍→3倍
  • 最終製品の1日の生産量 1倍→2倍

メタライズ層ではチタンが均一に分布し、接合品の耐食性・耐熱性・高気密性の改善につながった。印刷能力は手動の約3倍となり、最終製品の1日の生産量は2倍になった。外装金めっきは量産前提の試作品が完成し、製品化の見通しが立った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性87%
  • これまでの取組との一貫性4

    1877年の創業から1979年のセラミックス進出、1983年のメタライズ確立、1998年のろう付製品と、一連の事業展開の流れが年表で示されている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    独自開発の融解チタンメタライズ法を基に、市販されていない接合用ペースト印刷の自動化に取り組んでおり、強みの位置づけは読み取れる。

  • 課題の認識と解決5

    現状は手動で1日数百個しか印刷できないと課題を数字で示し、導入後は印刷数量が手動の約3倍、最終製品の生産量が2倍になったと記載されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    売上目標として2億円規模や4,000万円規模が示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、実現可能性の根拠は薄い。

  • 事業を進める体制3

    広島県立総合技術西部工業技術センターとの協力体制や、事業責任者の部長名が示されており、体制の一部は読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    既存のセンサー・電気自動車部品・X線透過窓市場を対象に、耐食性・耐熱性・高気密性の改善を選ばれる理由として挙げている。

  • 事業化までの道筋3

    5年以内に3分野の新市場進出を果たすとし、試験採用や試作品の改良を段階として示しているが、課題解決の具体策は詳しくない。

  • 財務と資金の調達2

    資本金6,750万円、年商226,000万円、従業員92人の数字はあるが、資金調達の見込みや財務状況と補助事業の関係は書かれていない。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    接合用金属ペーストの自動スクリーン印刷は市販がなく、耐食性や高気密性を高めた高付加価値の接合品として位置づけられている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    国が補助する理由となる波及効果や雇用創出の記載はなく、新市場進出の方向性がわずかにうかがえる程度である。

  • 費用対効果3

    生産量が手動の約3倍、最終製品の生産量が2倍と効果は数字で示されているが、補助金額に対する費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    CCDカメラで位置決めして自動印刷する半自動スクリーン印刷機を導入したと記載されるが、先端的デジタル技術の活用度や業界全体への貢献は不明。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    自動車・電子部品などの新市場への進出を目指す記述はあるが、日本経済の構造転換への寄与は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    瀬戸市での創業や呉市の広島工場が記載されているが、地域の雇用や経済成長を牽引する効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

既存のセンサー・電気自動車部品・X線透過窓関連市場で、耐食性・耐熱性・高気密性を改善した接合品として2億円規模の売上を目指し、既存取引先へ営業活動中。製品形状や材料の組み合わせなどの客先要望に対応して改良し、試験採用を経て4,000万円規模の売上を目指す。5年以内に3分野の新市場進出を果たし、2億円規模の売上に向けて取り組む。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。