ものづくり補助金平成28年度製造業奈良県

医療・レーザー関連市場における微細加工技術開発と量産体制の構築

ダイワ精密プレス株式会社

この事例のポイント

  • 有機溶剤系洗浄機では複雑な形状や微細な絞り製品を完全に脱脂しにくく、洗浄時間や回数を増やす必要があり、工程のボトルネックとなっていた。
  • 有機溶剤系洗浄機を廃止し、新たに炭化水素系洗浄機へ入れ替えて導入した。
  • 洗浄工程の効率化と人員配置の見直しが実現し、作業効率が飛躍的に向上した。

事業者のプロフィール

事業者名ダイワ精密プレス株式会社
所在地奈良県 奈良市
業種電気機械器具製造業
技術分野製造環境
設立1959年

事業の背景

当社は昭和34年に設立された金属プレス・薄板加工の会社で、金型再生なども手がける。プレス加工事業に次ぐ主力として自社独自製品の開発に注力し、サプライヤーではなくメーカーとしての事業展開を目指していた。世界的に人体や環境への影響が大きい有機溶剤系の規制が強まっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 納期・工程有機溶剤系洗浄機では複雑な形状や微細な絞り製品を完全に脱脂しにくく、洗浄時間や回数を増やす必要があり、工程のボトルネックとなっていた。
  • 生産能力開発中の高付加価値製品は手洗いで対応しており作業効率が非常に悪く、量産体制の構築が難しかった。
  • その他医療機器・レーザー関連分野の高付加価値製品では有機溶剤系洗浄液の使用が認められず、世界的にも規制強化の動きがあったため、洗浄工程の刷新が急務となっていた。

やったこと

有機溶剤系洗浄機を廃止し、新たに炭化水素系洗浄機へ入れ替えて導入した。有機溶剤系洗浄液は劣化や洗浄品質の低下が早く、専任の担当者が常駐して監視しながら手作業で製品を投入・取り出しする必要があった。炭化水素系洗浄液は洗浄器内で蒸留再生することで洗浄品質を保て、監視が不要となり、製品を自動で投入・取り出しできるようになった。

その他炭化水素系洗浄機

新しい製品・サービス:金型医療診断サービス

事業の効果

洗浄工程の効率化と人員配置の見直しが実現し、作業効率が飛躍的に向上した。メンテナンスなどのランニングコストは半減できた。炭化水素系洗浄液により洗浄品質を保てるようになり、有機溶剤系洗浄液では参入が難しかった分野へ本格的に進出でき、新たな市場開拓につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の金属プレス技術と「温故知新」の理念を受け継ぎ、自社独自製品へ注力してメーカー化を目指す方針が書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    タンタル・チタン・CFRPなど多数の特殊材を取り扱い、特殊材対応力は業界トップクラスと自負していると具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    有機溶剤系洗浄機の脱脂不足が工程のボトルネックだと課題を特定し、炭化水素系洗浄機への入替えで解決する流れが示されている。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    ランニングコストを半減したと結果は書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従来は専任担当者が常駐して監視していたと書かれているが、補助事業を遂行する人員体制や事務能力の記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    医療機器・レーザー関連機器分野の高付加価値製品や、グリーン調達企業の需要に応えられる点が書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    産学官連携で開発を進めていると書かれているが、中長期の検証内容やスケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    有機溶剤系では参入が難しかった分野へ進出でき、新市場開拓につながったと書かれているが、市場の普及度は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    世界的な有機溶剤規制の強化に対応する必要があり、産学官連携で医療・レーザー分野を開発していると書かれている。

  • 費用対効果3

    洗浄工程の大幅な効率化と人員配置の見直しが実現し、ランニングコストを半減したと書かれているが、投資額との比較はない。

  • イノベーションへの貢献2

    独自の3D絞り加工「大仏絞り」で試作から量産に対応すると書かれているが、デジタル技術の活用は示されていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    医療機器・レーザー関連という成長分野に、洗浄工程の刷新で本格参入していく方向が書かれている。

  • 地域経済への波及2

    奈良市に所在することは書かれているが、地域の特性を活かした雇用や地域経済への波及は記述されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。