ものづくり補助金平成25年度製造業広島県

高精度・低コストを実現する蒸気タービン用ねじれブレードの試作開発

有限会社 広精機製作所

成果手磨き仕上げ時間の減少により、82.5時間のリードタイムを改善

この事例のポイント

  • 複数の機械・工程を経て完成させている現行製品の加工生産性が低い。
  • マシニングセンターを導入し、ワークと刃具の双方を移動させる方式で工程を統合した。
  • 手磨き仕上げ時間の減少により、82.5時間のリードタイムを改善。マシニングセンターによる工程統合で段替えによる精度バラツキをゼロにした。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社 広精機製作所
所在地広島県 呉市
業種電気機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数8人
資本金300万円
設立1973年

事業の背景

当社はストレート翼を主体にタービンブレードの加工を行ってきた。近年タービンの高効率化に伴い三次元(ねじれ)翼のニーズが高まっていたが、現状では対応できていなかった。加工には技術的・設備的な課題の解決が必要だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力複数の機械・工程を経て完成させている現行製品の加工生産性が低い。
  • 品質・精度工程ごとの段替えにより精度がばらつき、段取り用の工程間在庫(約1割)が発生していた。
  • 品質・精度一次加工での余肉取り加工と、フライス加工後の精度要求を満たすための手作業による研磨仕上げが必要だった。
  • 新製品・新技術三次元(ねじれ)翼の需要が高まっていたが、ストレート翼中心の加工で対応できていなかった。

やったこと

マシニングセンターを導入し、ワークと刃具の双方を移動させる方式で工程を統合した。CAD/CAMによる加工プログラム作成のノウハウを新たに取得した。保有ノウハウを活用し、切削加工の速度や送りなどの条件を試行錯誤しながら出し、三次元翼(ねじれブレード)の試作開発を行った。対象はワークが円弧2段T型ストレート翼(幅50mm・長さ176mm)で、段取りから100枚完成までを目標とした。

加工機マシニングセンター
ソフトCAD/CAMソフトウエア
加工機超硬ボールエンドミル

新しい製品・サービス:ねじれブレード(蒸気タービン用の三次元翼)

事業の効果

  • 手磨き仕上げ時間の減少により、82.5時間のリードタイムを改善
  • 不良発生個数 5個→2個

マシニングセンターによる工程統合で段替えによる精度バラツキをゼロにした。余肉取り工程の不要化と超硬刃具の適用で手磨き仕上げ時間が減り、リードタイムが82.5時間改善した。工程間在庫の削減と不良低減により生産ロスを圧縮し、従来の機械の負荷が下がってキャパシティも拡大した。初めてのねじれブレード加工にも成功した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    約40年のタービンブレード生産経験を活かし、ねじれブレードの試作開発を新商品として位置付けている点が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    三次元翼のニーズ増加に対し対応できていないと課題を述べるが、市場規模や競合に関する具体的記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    段替えによる精度バラツキや余肉取り・手磨きの問題を特定し、工程統合で82.5時間のリードタイム改善と不良5個→2個を示している。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    リードタイム56Hr短縮や不良5個→2個の目標を設定し、成果として82.5時間改善と不良減少を示している。

  • 事業を進める体制2

    CAD/CAMプログラムはゼネテックの支援を受けたとあるが、社内の人材や事務処理体制の記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    円弧・C型など多様な形状に対応し特急の引き合いに短納期対応できる点はうかがえるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋4

    新マシニングセンター導入、CAD/CAM習得、試行錯誤による条件出しなど遂行方法と課題解決の流れが具体的に書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ねじれブレードは蒸気タービンの高効率化に伴う三次元翼で、高付加価値の分野と読めるが、普及度や高価格化の数字は示されていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    ものづくり技術の将来の規模拡大や雇用拡大を目指すとあるが、地域やサプライチェーンへの波及効果は具体的に述べられていない。

  • 費用対効果4

    リードタイム82.5時間改善や不良5個→2個、工程間在庫削減など、設備投資に対する効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    マシニングセンターとCAD/CAMによる工程統合は生産技術の高度化だが、デジタル技術のイノベーションとしての広がりは薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    呉市の企業で、技術を様々な分野に展開し雇用拡大を目指すとあるが、地域の経済成長への寄与は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

新規導入設備の加工効率向上とコスト改善を進める。受注拡大で全社設備の稼働率を上げ、売上増加を目指す。ねじれブレードの開発を継続し、幅広い形状の受注を拡大する。技術習得と継承に会社一体で努め、将来の規模拡大と雇用拡大を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。