ものづくり補助金平成27年度製造業石川県

3Dデザイン技術と精密加工・立体造形技術を活用した九谷焼新製品開発

有限会社ミランティジャパン

成果製品開発可能サイズの割合(カタログ上) 10%→95%

この事例のポイント

  • 九谷焼の新商品開発は分業制のため、デザイン提案に長い開発期間と多くの費用がかかっていた。
  • 3D対応中型NC切削機を導入し、成形型の大型対応、デザインの微細化への対応、機械能力のスピードアップ、ツール交換の自動化による夜間運転化を図った。
  • 製品開発可能サイズの割合(カタログ上) 10%→95%。3D対応中型NC切削機の導入により、現行機の4倍のサイズの製品が作れるようになり、従来できなかったサイズの製品開発力を…

事業者のプロフィール

事業者名有限会社ミランティジャパン
所在地石川県 加賀市
業種電気機械器具製造業
技術分野デザイン,精密加工,立体造形
従業員数37人
資本金300万円
設立2004年

事業の背景

現在の九谷焼産業は、デザイン・原型・成形型・成形・焼成・加飾・販売などが分業制である。新商品を開発する場合、デザイン提案に長い開発期間と多くの費用が発生していた。昨今は顧客ニーズが多様化しており、3D技術を活用した提案と成形技術の迅速化が求められていた。当社は平成16年設立で、九谷焼などの陶磁器商品の設計から製品化を行い、電機機器・輸送用機器製造も得意としている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術九谷焼の新商品開発は分業制のため、デザイン提案に長い開発期間と多くの費用がかかっていた。
  • 生産能力従来設備では成形型のサイズが約10%までしか対応できず、デザインの微細化や機械能力にも限界があった。
  • 納期・工程試作を業者へ依頼していたため、焼成時の変形や変化の確認が遅れ、型開発の結果を新製品に迅速に反映できなかった。

やったこと

3D対応中型NC切削機を導入し、成形型の大型対応、デザインの微細化への対応、機械能力のスピードアップ、ツール交換の自動化による夜間運転化を図った。電気窯を導入し、業者に依頼せず自社の窯で試作と量産試作を行える体制を構築した。3D技術によりデザイン開発から型制作、焼成、量産試作までを一貫生産できる体制を整えた。

加工機3D対応中型NC切削機
その他電気窯

新しい製品・サービス:KUTANI 結BOX

事業の効果

  • 製品開発可能サイズの割合(カタログ上) 10%→95%

3D対応中型NC切削機の導入により、現行機の4倍のサイズの製品が作れるようになり、従来できなかったサイズの製品開発力を大幅に増強できた。切削スピードは現行機の5倍となり、夜間自動運転により型製作時間を大幅に短縮した。電気窯の導入で試作を内製化したことで、新製品開発コストと開発リードタイムがそれぞれ半減した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    設立は平成16年で、九谷焼の設計から製品化を行ってきたことは読み取れるが、過去の取組との一貫性は具体的に示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    分業制による開発期間とコストの課題や顧客ニーズの多様化は示されているが、市場動向や競争優位の根拠は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    開発期間が長く費用が多いという課題を、3D技術で短期化しコスト低減する方向で示している。成果として開発コスト半減、リードタイム半減が書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    切削スピード5倍、サイズ4倍、開発コスト半減・リードタイム半減など数値目標と実績が示されている。賃上げの目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数37人や体験工房の所有はうかがえるが、補助事業を遂行する人材や事務体制について具体的な記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    九谷焼総合カタログ約2000点のうち対応サイズが10%から95%以上に広がるなど、製品の対象範囲と効果が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後の展望として一層の開発期間短縮や三次元データ活用の方向性は示されているが、スケジュールや課題解決の方法は詳述されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    九谷焼市場の1%獲得を目標とし、大型サイズ対応や微細デザイン対応で同分野の高水準の製品開発を図る内容が読み取れる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    九谷焼産業の伝統と分業制の課題は触れられているが、経済波及や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    新製品開発コスト半減とリードタイム半減という効果は示されているが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献4

    3D技術によるデザインから型制作、焼成、量産試作までの一貫生産体制を構築し、産業のデジタル化に貢献する内容が示されている。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    3D技術やデータベース化による製品開発の変革はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は明確ではない。

  • 地域経済への波及3

    石川県加賀市の九谷焼という地域産業を拠点にしていることは読み取れるが、地域の雇用や経済成長への効果は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

新製品の開発を活性化させ、九谷焼市場の1%の獲得を目指す。開発期間と開発コストをさらに削減し、多様な製品化に対応する。三次元データを活用して異なる材質や商材への展開を進め、デザインの蓄積と技術のデータベース化を充実させる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。