ものづくり補助金平成25年度製造業広島県

胎毛(赤ちゃん毛)筆用桐箱の自動組立装置の開発

株式会社光文堂

成果組立コスト(1人当たり) 125円/個→33円/個

この事例のポイント

  • 桐箱の組立工程は接着剤塗布、組立、固定、自然乾燥が手作業で多くの時間を要し、歩留まりも悪かった。
  • 桐箱の部材を供給するパレットホルダー機構を開発し、縦側板・横側板・底板をロボットシリンダーで搬送装置に押し出す仕組みを作った。
  • 組立コスト(1人当たり) 125円/個→33円/個。組立コストは1人当たり1個125円から33円へ約80%下がり、組立ロス率は5%から0%になって年間300万円の改善が見…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社光文堂
所在地広島県 呉市
業種その他の製造業
技術分野機械制御,情報処理
従業員数70人
資本金1,000万円
設立1990年

事業の背景

主力製品は、自社開発の「他社には無い構造の高級桐箱」に収納して販売する胎毛(赤ちゃん毛)筆である。他社との差別化を図っているが、組立工程は手作業が多く、需要への対応ができなかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力桐箱の組立工程は接着剤塗布、組立、固定、自然乾燥が手作業で多くの時間を要し、歩留まりも悪かった。
  • 人手・技能組立工程に手作業の部分が多く生産性が悪く、胎毛筆の需要に対応できなかった。
  • 新製品・新技術筆用以外の桐箱市場へ参入するには、製造プロセスの自動化が必要だった。

やったこと

桐箱の部材を供給するパレットホルダー機構を開発し、縦側板・横側板・底板をロボットシリンダーで搬送装置に押し出す仕組みを作った。縦側板と横側板の接着部に、ロボットシリンダーで塗布位置・均一・定量の接着剤を連続塗布するディスペンサー装置を開発した。接着剤を塗布した縦側板と底板をロボットでピックアップし、形状治具で組み立てて定位置へ搬送する装置を開発した。桐箱の直角・水平を確保し、4方向からプレス圧をかけて均一な力で仮組立てし、コーナー部90度を確保する治具も開発した。高周波加熱と加圧で接着剤を瞬時に乾燥させる高周波接着装置を試作し、通電時間、通電電流値、周波数、アースポイントの数と位置などの最適条件を確立した。

その他部材供給用パレットホルダー機構・搬送装置
その他連続均一接着剤塗布装置(ディスペンサー装置)
ロボットロボットによる部材自動組立装置
その他高周波接着装置

新しい製品・サービス:胎毛筆用桐箱の自動組立装置(完全自動組立・接着装置)

事業の効果

  • 組立コスト(1人当たり) 125円/個→33円/個
  • 組立ロス率 5%→0%
  • 生産性 80個/日・人→300個/日・人

組立コストは1人当たり1個125円から33円へ約80%下がり、組立ロス率は5%から0%になって年間300万円の改善が見込まれる。生産性は1人1日70~80個から300個へ3.8~4.3倍に高まった。一連の作業は実証で約60秒となり、当初目標の80秒以内を達成し、低コスト化・迅速化・高効率化の最適条件も見出された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    胎毛筆と高級桐箱の製造を主力とし、他社と差別化する構造を持つ点から既存事業との関連は読めるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    「他社には無い構造の高級桐箱」や全国4万店以上の代理店、胎毛筆の年間潜在需要15万本など、強みと市場の裏付けが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    手作業による組立の非効率と需要対応不足を課題として挙げ、生産量80個/日から300個/日への引き上げという具体的な解決策を示している。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    組立コスト1人当たり125円から33円への80%削減、生産性70~80個から300個への3.8~4.3倍など、数値目標と実証結果約60秒が示されている。

  • 事業を進める体制3

    協力体制として複数の外部企業と支援機関が挙がっているが、社内の人材や事務処理体制の具体的な記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    胎毛筆の潜在需要や差別化された桐箱、ギフト等の市場規模と年間受注約5万人の目標など、ターゲットと需要の根拠が具体的。

  • 事業化までの道筋3

    試作から実証、今後の筆用以外の市場参入や5年後の受注2倍目標まで流れはあるが、具体的な工程スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    桐箱の高付加価値化として他社にない構造と高級品を掲げ、同分野で高水準の価値を図る点が具体的に書かれている。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    伝統工芸や地域の川尻筆との結びつきが示されるが、雇用創出や波及効果の定量的な記述は少ない。

  • 費用対効果4

    約300万円/年の改善効果や組立ロス率5%から0%への改善など、投資に対する効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    ロボットと高周波接着による工程自動化は示されるが、サプライチェーン全体への波及効果までは述べられていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    広島県呉市川尻町の伝統的な筆製造という地域特性が示されるが、地域経済への牽引効果の記述は限られている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

既存の胎毛筆用桐箱は、供給能力が上がることで対応しきれていなかった需要に応えられる。胎毛筆の潜在需要は年間15万本(国内誕生新生児100万人の15%)とされる。新市場としてギフト市場(17兆円)、骨董品市場(900億円)、伝統工芸品市場(1773億円)への参入を検討する。既存・新市場ともに営業を強化し、現在約5万人/年の受注を5年後に2倍の10万人/年にすることを目指す。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。