ものづくり補助金平成25年度製造業広島県

3次元転写技術による透明発熱窓の開発

株式会社レニアス

成果最大発熱密度 100mW/cm2→100mW/cm2

この事例のポイント

  • 自動車のリアやサイドウィンドウ向けに車両認証をクリアした樹脂窓を提供してきたが、近い将来の量産規模の拡大に向けて、機能・品質とコストの両立性をいっそう高める必要があった。
  • フィルム技術とインモールド成形を融合し、機能一体化製造プロセスを確立した。
  • 最大発熱密度 100mW/cm2→100mW/cm2。フィルム技術とインモールド成形の融合で工程を短縮し、生産性向上とコスト低減を目指した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社レニアス
所在地広島県 三原市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野接合・実装,表面処理
従業員数112人
資本金7,000万円
設立1976年

事業の背景

車両軽量化のニーズが高まり、従来のガラスをポリカーボネート樹脂に代替する流れが強まっている。当社は独自の技術で車両認証をクリアした製品を提供してきた。インモールド成形は、透明基材や大面積での実績が業界でもほとんどなかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力自動車のリアやサイドウィンドウ向けに車両認証をクリアした樹脂窓を提供してきたが、近い将来の量産規模の拡大に向けて、機能・品質とコストの両立性をいっそう高める必要があった。
  • コスト・採算ガラスからポリカーボネート樹脂への代替が進むなかで、量産に向けて工程数を減らし、コストを下げる必要があった。

やったこと

フィルム技術とインモールド成形を融合し、機能一体化製造プロセスを確立した。シーマナノテック社のナノ銀自己組織化技術によるSANTEフィルムを使い、金属の微細パターンをポリカーボネート成形と同時に転写して発熱させた。射出圧縮成形により樹脂製リアウィンドウの超低歪成形品を目指した。実際の自動車リアウィンドウを想定した複合Rの3次元形状で金型を設計した。一部のフィルム加工は外注し、既存の工程や設備とつないだ。

金型インモールド成形用金型
加工機射出圧縮成形機

新しい製品・サービス:ポリカーボネート樹脂に透明発熱パターンを3次元転写したデフォッガー付き樹脂窓

事業の効果

  • 最大発熱密度 100mW/cm2→100mW/cm2
  • 電気抵抗値 10Ω/□→6.5Ω/□
  • 全光線透過率 70%→82.7%
  • ヘイズ(曇価) 2%→2.57%
  • 電源供給端子接着強度 80N→170N

フィルム技術とインモールド成形の融合で工程を短縮し、生産性向上とコスト低減を目指した。工程短縮は不良の低減や信頼性向上も期待される。透明発熱の電気特性、耐久性、耐候性などの目標を達成し、ヘイズのみ目標未達だった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    開発の背景として車両用樹脂窓の製造実績や車両認証取得が書かれ、過去の取組との一貫性がうかがえる。ただ経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    車両軽量化ニーズの高まりを背景に、車両認証クリアの実績と大型透明PC一貫生産設備という強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    量産規模拡大に向け機能とコストの両立が必要と課題認識があり、工程短縮の目標も書かれるが、事業計画の数値的な裏付けは薄い。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    最大発熱密度100mW/cm2、電気抵抗6~7Ω/□、全光線透過率82.7%など目標と結果が数値で示され、達成が確認できる。

  • 事業を進める体制2

    広島県の研究所や材料メーカーとの協力体制が書かれるが、社内の人材や事務処理体制についての記述はわずかである。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    車両軽量化ニーズによりガラスを樹脂に代替する流れが強まっていると、需要の背景が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋4

    今後の展望として硬質化技術との組み合わせ、大面積化、標準化、ライセンス供与の段階的な方向性が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    インモールド成形は透明基材や大面積での実績がほとんどない分野で、同分野での優位性確保を目指すと書かれている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    車両軽量化という社会的要請はうかがえるが、雇用創出や波及効果についての記述は見当たらない。

  • 費用対効果3

    工程数の縮減による生産性向上とコスト低減が目指されるが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    フィルム技術とインモールド成形の融合による機能一体化は技術的なイノベーションとして書かれるが、サプライチェーンへの貢献は明記されていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    車両の軽量化により自動車分野の構造転換に資する方向性がうかがえるが、日本経済全体への言及は薄い。

  • 地域経済への波及2

    広島県の企業として地域の研究機関と協力する点はうかがえるが、地域の雇用や経済成長への言及は少ない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ハードコートを含む一括転写技術への発展、より複雑な形状や大面積化への対応を進める。自社の硬質化技術と組み合わせて車両向け製品を展開し、樹脂窓加工プロセスの標準化とライセンス供与を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。