ものづくり補助金平成25年度製造業広島県

ラムネ(清涼飲料)の生産効率向上と海外への販路拡大

齋藤飲料工業株式会社

成果シュリンクラベル装着スピード 20秒/本→1.8秒/本

この事例のポイント

  • ラムネの生産量を効率的に増やすため、シュリンクラベル装着工程の改善が課題となっていた。
  • 生産工程全体を見直し、シュリンクラベル装着工程を中心に新たな工程を設計した。
  • シュリンクラベル装着スピード 20秒/本→1.8秒/本。シュリンクラベル装着スピードが約11倍になり、仕掛品の不良発生率が改善されるとともに、全体の生産能力が2.5倍以上にな…

事業者のプロフィール

事業者名齋藤飲料工業株式会社
所在地広島県 福山市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
従業員数16人
資本金1,000万円
設立1898年

事業の背景

ラムネは地ラムネとして法律で保護されており、大手メーカーの激しい価格競争に巻き込まれることはないが、容器等の価格の高止まりや消費者の低価格志向に対応する必要があった。平成25年から取り組んでいるアニメキャラクターを使ったシュリンクラベルタイプのラムネは海外で販路開拓に成功しており、出荷数量の拡大と現地市場の確保・拡大が期待されていた。また「クールジャパン戦略」の後押しもあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ラムネの生産量を効率的に増やすため、シュリンクラベル装着工程の改善が課題となっていた。
  • 品質・精度現状の製造能力では、好調な輸出に伴うラムネの安定生産や市場拡大への対応が難しくなる。
  • コスト・採算容器等の価格の高止まりや消費者の低価格志向の定着に対応するため、より低コストで生産することが求められていた。

やったこと

生産工程全体を見直し、シュリンクラベル装着工程を中心に新たな工程を設計した。現製造工程の課題を洗い出し、必要な性能と機能を満たすシュリンクラベラー(ラベル装着機)を導入・設置した。導入により、精度の高いラベルの位置決めと速度向上を図り、現行の商品充填能力を毎分90本から毎分100~150本の処理能力に上げ、シュリンクラベル工程を20秒/本から1.8秒/本にすることを目標とした。

加工機シュリンクラベラー(ラベル装着機)

事業の効果

  • シュリンクラベル装着スピード 20秒/本→1.8秒/本
  • 生産数量 14,000本/日→36,000本/日
  • 不良発生率 5%→1%

シュリンクラベル装着スピードが約11倍になり、仕掛品の不良発生率が改善されるとともに、全体の生産能力が2.5倍以上になった。シュリンクラベル装着不良は1%以下となり、品質の向上と生産性の安定につながった。自動化により従来7名で行っていた手作業の工程が1~2名で済むようになり、繁忙期の臨時作業員のコスト削減(年間約160万円)にもつながった。ラベルの購入コストも年間約100万円削減できた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    ラムネの生産やアニメキャラクター商品の販路開拓を続けてきた流れが読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    海外市場で好調な輸出実績と、ビンタイプの賞味期限が3倍長いという強みに触れ、競争優位の根拠が具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決4

    シュリンクラベル工程がネックと課題を特定し、20秒/本から1.8秒/本、生産数量14千~17千本から36千~40千本/日の目標で解決を図っている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    工程時間20秒→1.8秒、生産数量の目標値、不良率5%→1%以下など数字つきの目標が示され、成果として生産能力2.5倍以上と実績も書かれている。

  • 事業を進める体制2

    従業員16人や従来7名の作業が1~2名になったとの記述はあるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の記載は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ラムネの海外7か国への輸出やアニメキャラクター商品の市場開拓など、顧客ターゲットと選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    全工程の見直しと最適なラベラー導入、国内外の販路拡大の計画は示されるが、スケジュールや課題解決の具体的な進め方は薄い。

  • 財務と資金の調達2

    ラベル購入コスト年100万円削減や人件費削減160万円の記載はあるが、資金調達や財務状況は公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ラムネは日本固有の飲料で海外に当時のアニメ商品市場がなかったと述べられ、新市場開拓の性格がうかがえるが、高付加価値化の数値は薄い。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    クールジャパン戦略に沿った海外市場の開拓と、輸出先7か国という記載から国の施策との関連はうかがえるが、経済波及効果の数値はない。

  • 費用対効果4

    ラベル購入コスト年約100万円削減、人件費年約160万円削減、不良率改善など投資に対する効果が金額つきで示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    自動化による生産体制の刷新は書かれているが、先端デジタル技術や地域・サプライチェーンへの貢献についての記述は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    日本のアニメや産地にこだわった果汁飲料の海外展開がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は明示されていない。

  • 地域経済への波及3

    広島県福山市の企業で瀬戸内ブランドなど日本の産地にこだわった商品を扱う点は読み取れるが、地域経済の牽引効果は具体的ではない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ビンタイプはペットボトルタイプより賞味期限が3倍長く、シュリンクラベルであれば落下時の破片が飛散しにくく安全性を補えるため、生産能力の大幅な向上が海外での確固たる市場確保と拡大に大きく期待できる。国内市場ではラムネのシェア拡大、かき氷シロップやペットボトル入りかき氷の販路拡大、既存先への営業強化を図る計画である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。