ものづくり補助金平成25年度製造業山口県

タレットパンチプレス機導入による板金製品の生産能力と製品品質の向上

株式会社坂口製作所

成果1度の加工面積 1倍→1.5倍

この事例のポイント

  • 第1次産業従事者の高齢化が進んで需要が減り、工業分野の板金部品加工の割合が大きくなっていた。
  • 最新・省エネ型のタレットパンチプレス機(アマダ製、REMZ-8510MT)を導入した。
  • 1度の加工面積 1倍→1.5倍。導入したタレットパンチプレス機により、工程統合と加工段取りの短縮が進み、生産効率は約2倍になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社坂口製作所
所在地山口県 周南市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数10人
資本金1,000万円
設立1972年

事業の背景

主力は乾燥装置など第1次産業従事者向けの自社製品だったが、高齢化による需要減少が進んだ。その中で半導体製造装置、鉄道車両、建築部材向けの板金部品加工の割合が増え、現在は工業分野が事業の主軸となっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑第1次産業従事者の高齢化が進んで需要が減り、工業分野の板金部品加工の割合が大きくなっていた。
  • 生産能力工業分野の競争力と品質を維持するには、主流の5×10尺(1,500mm×3,000mm)サイズの板金加工ができる設備が必要だった。
  • コスト・採算工業分野は納期、品質、コストの競争が激しい状況にあった。

やったこと

最新・省エネ型のタレットパンチプレス機(アマダ製、REMZ-8510MT)を導入した。5×10尺の板材を掴み変えずに高速加工でき、切断面のバリ取り仕上げを自動かつ高速で行える。抜きカスは自動で吸引除去でき、駆動時のエネルギーはコンデンサーに回収して再利用する省エネ型である。板材を置くテーブルは表面を傷めない浮上式ブラシ仕様とし、ダイ交換機能でプレスのスピードアップを図った。併せて工程統合と段取り時間の削減を含む加工プロセスを見直し、工場全体の製造ラインが効率化するようレイアウトを改めたうえで据え付けた。

  • 加工機タレットパンチプレス機アマダ製、REMZ-8510MT

事業の効果

  • 1度の加工面積 1倍→1.5倍
  • 加工段取りの速さ 1倍→1.5倍
  • 生産効率 1倍→2倍

導入したタレットパンチプレス機により、工程統合と加工段取りの短縮が進み、生産効率は約2倍になった。小形孔の抜きカスが自動回収され、打痕キズが減ったことで製品品質も向上した。単価ではなく従来より1日短い納期をセールスポイントにし、既存顧客からの追加発注や新規案件の受注が拡大した。従来は外注していた案件も社内で加工できるようになり、収益構造の改善につながっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    鋼板板金の主体から工業分野板金部品加工へ事業の主軸が移ったと書かれ、既存事業の延長として位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    タレットパンチプレスに特化し同業他社より低コストで製造できると述べるが、市場動向の分析は乏しい。

  • 課題の認識と解決4

    5×10尺サイズ対応の必要性と生産能力不足を課題として認識し、段取り時間削減などの改善策を具体的に実施している。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    段取り時間1.5倍、生産効率約2倍、打抜き速度2〜3倍と数値目標・効果が示されている。付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員10人で新規雇用予定と技術伝承に触れるが、補助事業を遂行する体制の具体は示されていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    高品質・低コスト・短納期が強みとして示され、既存顧客からの受注拡大につながったと書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の設備増強計画の検討や技術伝承に触れるが、スケジュールや遂行方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    レーザー加工を行わずタレットパンチプレスに特化する点が差別化として書かれているが、市場の普及度への言及はない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    半導体・鉄道・建築分野向けの板金部品供給や新規雇用が示されるが、波及効果を国が補助する根拠としては薄い。

  • 費用対効果3

    生産効率約2倍や受注拡大、外注の内製化による収益構造改善が書かれ、費用対効果の一端がうかがえる。

  • イノベーションへの貢献2

    省エネ型設備や工程統合は書かれるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は明記されていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    山口県周南市の企業で地域の雇用に言及するが、地域特性を活かした取組としての記述は乏しい。

今後の展望

高速鉄道車両分野と建築部材分野は今後数年間、安定的な需要増加が見込まれている。今後の受注に対応するためプレス機設備の増強を検討しており、さらなる生産能力と品質の向上を目指している。本年中に新規雇用を予定し、社内での技術伝承や待遇改善による人材確保に取り組んでいる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。