ものづくり補助金平成25年度製造業山口県

開栓後も醤油の劣化を防ぎ鮮度維持を可能とする次世代容器・ラベルの導入

桑田醤油有限会社

この事例のポイント

  • これまで醤油は瓶やペットボトルでの販売が主流だったが、高齢化や核家族化、鮮度への意識の高まりから、少量化と長期的な鮮度維持ができる容器が求められていた。
  • デラミ規格容器を採用した新商品の開発に取り組み、熱旋風式シュリンク装置TORNADO(トルネード)を導入した。
  • 200ml容器の8アイテムを新商品として発売し、地元スーパー等での自社商品のアイテム数が増え、他社商品を使っていた消費者が新商品をきっかけに自社の顧客になるなど売上高が増加した。

事業者のプロフィール

事業者名桑田醤油有限会社
所在地山口県 防府市
業種食料品製造業
技術分野バイオ,製造環境,複合・新機能材料
従業員数6人
資本金700万円
設立1963年

事業の背景

当社は昭和2年創業の醤油醸造会社で、天然醸造・杉樽仕込み・天然水使用の伝統を守り、1年半以上かけて諸味を発酵・熟成させている。山口県産の材料を積極的に使う地産地消にも取り組み、「マルクワ醤油」「山口杉樽仕込み本店」の2シリーズを中心に、地元を中心とする多くの消費者に愛されている。一方で、高齢化や核家族化、食品の鮮度に対する消費者意識の向上が進み、容器に対するニーズが変化していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術これまで醤油は瓶やペットボトルでの販売が主流だったが、高齢化や核家族化、鮮度への意識の高まりから、少量化と長期的な鮮度維持ができる容器が求められていた。
  • 販路・情報発信大手醤油メーカーがデラミ規格容器の商品を販売しており、今後この容器での販売が主流になると考えられたため、顧客の維持と新規獲得のために地域内で最速の導入が必要だった。

やったこと

デラミ規格容器を採用した新商品の開発に取り組み、熱旋風式シュリンク装置TORNADO(トルネード)を導入した。この装置はデラミ規格容器全体をシュリンクラベルで覆うもので、光を遮断して醤油の劣化を防ぎ、ラベルの表示面積を大きくして商品の魅力を伝えやすくした。ラベルのデザインはデザイナーを活用して完成させ、収縮率の調整を何度も行って商品ラベルとして仕上げた。容器は開栓後も内部に空気が入らず酸化を長期間防げるもので、200mlの少量販売を可能にした。

  • 加工機熱旋風式シュリンク装置 TORNADOトルネード

新しい製品・サービス:デラミ規格容器を採用した200mlの醤油8アイテム

事業の効果

200ml容器の8アイテムを新商品として発売し、地元スーパー等での自社商品のアイテム数が増え、他社商品を使っていた消費者が新商品をきっかけに自社の顧客になるなど売上高が増加した。当初想定していた少量化と鮮度維持に加え、一滴から使用量を調整できる「ちょい出し」機能が高く評価され、倒れても漏れにくく醤油差しへの移し替えも不要で、廃棄しやすいといった利便性も評価されている。本装置の導入によりラベル貼り付け作業の一部が機械化され、作業効率が向上し、ラベルの魅力も高まって商品価値も向上した。新商品をきっかけに既存商品への需要も増えており、新規職員2名の採用を計画している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    天然醸造・杉樽仕込みの伝統と「食の3重丸」等の評価を背景に、デラミ容器導入を商品価値向上の施策として位置付けている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    大手醤油メーカーがデラミ容器を採用し主流化するとの外部環境認識を示すが、自社の強みとの結びつきは概略的な記述にとどまる。

  • 課題の認識と解決4

    瓶・ペット容器の少量化や鮮度維持の要望という課題を挙げ、200mlの8アイテム発売や400ml展開で解決を図っている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。200ml容器8アイテム発売はあるが、売上目標の数字はない。

  • 事業を進める体制3

    新規正社員2名の採用計画と社内体制の整備が書かれているが、事務処理能力などの体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    「ちょい出し」機能、倒れても漏れない、醤油差し不要などの利便性と、高齢者にも選びやすい点が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後の展開として400ml商品やだし入り醤油、酢への拡張が示されるが、スケジュールや課題の解決方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    デラミ規格容器は大手が採用する途上の新しい容器で、地域内では最速導入として差別化を図っている点が書かれている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地産地消や地元スーパーでの販売など地域への関わりはうかがえるが、国が補助する波及効果や雇用創出の規模は示されていない。

  • 費用対効果2

    補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は書かれておらず、わずかに効果がうかがえる程度である。

  • イノベーションへの貢献2

    デラミ容器の導入は新しい容器の採用だが、デジタル技術や地域サプライチェーンへの貢献は記述されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    山口県産材料の採用や地元中心の展開など地域特性の活用はあるが、地域経済成長への牽引効果は具体的に書かれていない。

今後の展望

今後は商品ラインアップを強化し、まず400mlの商品を取り揃える予定である。容器の機能向上により、充填後の煮沸消毒やホットパック充填も可能になったため、「だし入り醤油」や「酢」といった新たな商品も展開していく。この容器を活用した商品が主流になると考えられるため、対応力の強化を図る。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。