ものづくり補助金平成25年度サービス業(他に分類されないもの)山口県

IT化による次世代CベースLSI設計の適切な生産効率確立

株式会社プライムゲート

この事例のポイント

  • C言語による高位合成では、ソースの修正や合成ツールの制御コマンドの修正を試行錯誤で行っているため工数が膨大になり、高位合成のメリットが相殺されている。
  • 従来は協議書をWORDやEXCELで管理し、回路設計をHDL言語で行っていたため、確認が目視にとどまっていた。
  • LSI設計の効率は数十倍になると考えられ、人手作業による錯誤や試行錯誤による工数増大を回避できる。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社プライムゲート
所在地山口県 宇部市
業種その他のサービス業
技術分野情報処理
従業員数22人
資本金1.9億円
設立1995年

事業の背景

当社は1995年設立のLSI設計会社で、大規模集積回路の設計を中心に、設計コンサルティングやアプリケーション開発を行っている。エレクトロニクス分野で「高品質」「短納期」にこだわったLSI開発がクライアントから高い評価を得ている。一方で顧客は電機・自動車メーカーに偏っており、販売価格が高額なため売上や利益が安定しにくく、顧客依存度も高い。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力C言語による高位合成では、ソースの修正や合成ツールの制御コマンドの修正を試行錯誤で行っているため工数が膨大になり、高位合成のメリットが相殺されている。
  • 人手・技能設計の生産効率面がIT化されておらず、人手作業による錯誤が生じている。
  • 人手・技能HDL言語によるLSI設計では、複数端子の並列処理を時間軸のタイミング設計と合わせて行う高いスキルが必要である。

やったこと

従来は協議書をWORDやEXCELで管理し、回路設計をHDL言語で行っていたため、確認が目視にとどまっていた。そこで協議書をEXCEL形式に統一したエントリー方式とし、これをC言語ソフトで加工して設計データと連携させた。ユーザーインターフェースとデータ管理はJAVA言語でWebベースに開発し、エントリー管理、機能仕様管理、検証仕様管理、高位合成実行管理、検証実行管理、網羅性管理の6つの管理機能を備えた。当社所有の検証ツールと連携させ、要求仕様からLSI設計データまでの整合性確認を自動実行で行い、設計データの妥当性は検証によって確認する。試行錯誤の作業は自動実行に置き換えた。

ソフトCベースLSI設計システム

新しい製品・サービス:CベースLSI設計システム

事業の効果

LSI設計の効率は数十倍になると考えられ、人手作業による錯誤や試行錯誤による工数増大を回避できる。設計の精度やスピードも増す。これによりLSI設計手法の世代交代に寄与し、日本の半導体産業を再びトップレベルに戻す可能性がある。設計データの知的財産化による高付加価値化や、異業種との連携による短期間の製品開発にもつながる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去のCベース設計手法の研究を背景に今回開発すると記載があるが、経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    電気・自動車メーカーのみの顧客や売上が不安定という弱みを挙げ、異業種展開の必要性に触れているが、競争優位の具体的根拠は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    HDL設計の課題や試行錯誤による工数増大を挙げ、設計効率は数十倍と見込むなど課題認識と効果が具体的に書かれている。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    設計効率が数十倍と考えられるとあるが、目標値として数値化された付加価値額や賃上げ目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数22人とあるが、補助事業を遂行する人材や体制の具体的な記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    短納期・高品質が強みとして示され、ニーズとして高位合成の生産性課題が書かれているが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後の課題や展望は述べられているが、スケジュールや課題解決の具体的な方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    次世代Cベース高位合成という新手法であることは読み取れるが、市場での普及度や高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    日本の半導体産業を再びトップレベルに返り咲かせる可能性や異業種連携による波及効果が示されているが、定量的根拠は乏しい。

  • 費用対効果2

    設計効率が数十倍と考えられるとあるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献4

    Web開発のシステムや異業種との連携による新製品開発、新ビジネスモデルの展開が具体的に書かれている。

政策面60%
  • 成長分野への進出4

    半導体産業の世代交代への寄与や健康・医療・航空・宇宙など異業種市場への展開が、構造転換に資する方向で書かれている。

  • 地域経済への波及2

    山口県宇部市の企業とあるが、地域特性を活かした付加価値創出や雇用拡大の記述はわずかにうかがえる程度。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

本システムはLSI設計手法の世代交代の実現に寄与し、日本の半導体事業の復権の可能性を秘めている。今後は最終製品開発力を持ち、健康・医療・航空・宇宙開発など異業種市場へ参入することが課題である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。