ものづくり補助金平成25年度製造業山口県

ベルト除菌洗浄装置の選択仕様(バリエーション)拡大による様々な食品製造工場への拡販

株式会社ブンシジャパン

この事例のポイント

  • スライサーのベルト上の菌数が多く、残渣も運転途中で止めてヘラで取り除いているため、生産ロスと品質低下が問題になっている。
  • 食品製造ラインのコンベアベルトを自動で除菌洗浄するアンベルについて、選択仕様を拡大した3機種のデモ用試作機を開発した。
  • 3機種のデモ機を各食品製造工場に設置することで、実稼働上の問題点を抽出し、その対策を検討できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ブンシジャパン
所在地山口県 周南市
業種その他の製造業
技術分野機械制御,精密加工,製造環境,接合・実装
従業員数94人
資本金2,200万円
設立1982年

事業の背景

昭和32年創業の食品業界の総合商社で、包装資材の卸売を主力に、食品容器、包装機械、食品環境衛生支援、ISO取得支援、PCO業務なども扱ってきた。成長拡大の時代が過ぎ、製品が「好み」で選ばれる時代となったため、価格競争に陥らない独自商品の開発を目指した。製造現場に密着して聞き取った悩みをもとに市場調査を行い、特許を取得したベルト除菌洗浄装置「アンベル」を開発した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度スライサーのベルト上の菌数が多く、残渣も運転途中で止めてヘラで取り除いているため、生産ロスと品質低下が問題になっている。
  • 人手・技能おむすびラインではご飯粒や具材の付着を取り除く方法がなく、ラインを止めて清掃するため作業能率が上がらず、異物混入の心配もある。
  • 生産能力シュークリームラインなど幅の広いベルトでは自動運転が多く、製造中に清掃できず、製造が終わるまで清掃できないため困っている。

やったこと

食品製造ラインのコンベアベルトを自動で除菌洗浄するアンベルについて、選択仕様を拡大した3機種のデモ用試作機を開発した。1つ目は、スライサー専用だった仕様を水洗浄を行う畜産・水産加工にも対応できる防水・コンパクトタイプ(防水Sタイプ)に変更した。2つ目は、コンベアが短く装置を設置しにくい直巻きむすびライン向けに、コンベアと一体化したタイプとした。3つ目は、シュークリームラインなど幅の広いベルトにも対応するタイプとした。これらのデモ機を貸出しや展示会で多様な顧客に評価してもらい、導入を目指した。

その他アンベル デモ用試作機(3機種)

新しい製品・サービス:ベルト除菌洗浄装置「アンベル」の選択仕様を拡大した3機種(防水Sタイプ、コンベア一体タイプ、幅広ベルト対応タイプ)のデモ用試作機

事業の効果

3機種のデモ機を各食品製造工場に設置することで、実稼働上の問題点を抽出し、その対策を検討できるようになった。デモ機の貸出しや展示を通じて全国での認知度が向上し、既存事業と組み合わせた総合サポートの道が開けた。アンベルは製造中に清掃でき、生産性と品質の向上が見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の卸売・食品環境衛生支援から自社開発へ進んだ経緯が書かれ、食品製造現場の課題を起点に開発した流れが読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    特許取得(平成26年6月20日)や、おむすび・スライサー等の現場課題に対応する3機種展開から、競争優位の根拠が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    スライサーの菌数103や生産ロス、おむすびラインの清掃による作業能率低下など課題が具体的に示され、解決策の方向も明確。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    5年間で市場の1割にあたる合計250台の販売計画と市場推定2,500台が示され、目標値は具体的だが付加価値・賃上げ目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員94人や展示会出展の記載はあるが、補助事業を遂行する体制や人材配置の具体的な説明は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ターゲットを食肉・水産加工、おむすび、調理パン等に絞り、ラインごとの課題と選ばれる理由(品質管理・清掃不要)が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    運転テストの早期実施、FOOMA出展、営業活動など販路計画の流れはあるが、スケジュールや課題解決方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ベルト除菌洗浄は従来なかった技術で特許取得済みとされ、認知度の低い新分野であることが具体的に読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    食品の安全・安心や生産性向上への言及はあるが、経済波及や雇用創出など国が補助する積極的理由は明示されていない。

  • 費用対効果3

    生産ロス削減や作業能率向上が期待されると書かれるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    食品製造ラインへの洗浄技術の導入は書かれるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は読み取れない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    食品製造の生産性向上という分野への進出はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は見当たらない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

試作した3機種のアンベルの市場は全国で合計2,500台と推定し、当初の5年間で1割にあたる250台の販売計画を立てている。運転消耗品の販売も含め、アンベル関連事業は経営の柱の一つに成長することが期待される。

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。