ものづくり補助金平成25年度製造業徳島県

ネットワーク型産業用ラジオコントロール装置の開発事業

朝日音響株式会社

この事例のポイント

  • 産業用ラジコンの双方向通信には送受信機を各2台必要とし、設置スペースと費用が2倍になっていた。
  • 双方向通信モジュールの開発にあたり、制御信号は汎用性が高くコストパフォーマンスに優れた8信号仕様に決定した。
  • 双方向通信を1台の装置で実現し、送受信機を各2台必要とした従来方式に比べて設置スペースと費用の削減を目指した。

事業者のプロフィール

事業者名朝日音響株式会社
所在地徳島県 板野郡上板町
業種電気機械器具製造業
技術分野機械制御,情報処理
従業員数47人
資本金7,000万円
設立1977年

事業の背景

天井クレーンを中心とした工場内搬送装置のラジコン制御は、送信機から受信機への単方向通信が主流である。産業用ラジコン市場は更新需要の争奪戦とメーカー間のシェア争いが熾烈で、当社はこれまで独自技術を導入した製品で顕著な業績アップを果たしてきたが、市場の閉塞感を打破するまでには至っていなかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術産業用ラジコンの双方向通信には送受信機を各2台必要とし、設置スペースと費用が2倍になっていた。
  • 新製品・新技術市場の閉塞感を打破できるブレイクスルー商品の開発が求められていた。

やったこと

双方向通信モジュールの開発にあたり、制御信号は汎用性が高くコストパフォーマンスに優れた8信号仕様に決定した。安価で入手しやすい高性能Wi-Fiモジュールを組み込み、1枚の基板上で双方向通信できる送受信機を設計した。Wi-Fiモジュールの選定のためシグナルアナライザとシグナルジェネレータを導入した。メイン基板はソフトウェア作成と並行して単体試験を行い、モジュール基板はソフトウェア作成と単体動作試験を行った後、連携テストとデバッグを行った。量産用試作機は温度特性試験や距離試験等を行い、社内基準を満たしていることを確認した。

検査測定シグナルアナライザー
検査測定シグナルジェネレータ

新しい製品・サービス:1枚の基板上で双方向通信できるネットワーク型産業用ラジオコントロール装置(双方向ラジコン通信機)

事業の効果

双方向通信を1台の装置で実現し、送受信機を各2台必要とした従来方式に比べて設置スペースと費用の削減を目指した。量産用試作機は社内基準を満たし、顧客から高い評価を得た。今後は実際の工場内クレーンでの運用テストを行い、問題点を洗い出す予定である。将来的にはスマートフォンでの操作も期待され、早期の売上向上とシェアアップを図る。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去のラジコン製品での独自技術の実績と市場閉塞感の打破という目的は書かれているが、経営戦略上の位置づけは具体的に示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    産業用ラジコン市場のシェア争いが熾烈とあり外部環境は触れているが、自社の強み・弱みを数値等で示す記述は薄い。

  • 課題の認識と解決2

    市場の閉塞感という課題は示されるが、高付加価値化や成長につながる事業計画の中身は読み取れない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    開発の役割分担は『メイン基板』『モジュール基板』程度に触れるのみで、人材や事務処理体制はうかがえるにとどまる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    双方向通信で送受信機2台分の設置スペースと費用を1台に抑える点、顧客から高い評価を得た点など、選ばれる理由が具体的。

  • 事業化までの道筋4

    試作、単体試験、連携テスト、量産試作、現場運用テストという段階的な遂行方法と、次の課題の洗い出しが示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    産業用ラジコンの双方向通信を1枚基板で実現した点が、従来の単方向通信主流の分野で差別化されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    工場内クレーンの搬送装置の安全・安価な構築という効果はうかがえるが、波及効果や雇用創出の記述はない。

  • 費用対効果2

    設置スペースと費用が2倍から抑えられるとあるが、投入額に対する付加価値増加や生産性の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    Wi-Fiモジュールを組み込んだ双方向通信やネットワーク制御は新技術の活用だが、サプライチェーンへの貢献は薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    IT技術の発展に伴う高性能Wi-Fiの活用はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

試作機への顧客評価は高く、競合他社との差別化により早期の売上向上とシェアアップを図る。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。