ものづくり補助金平成25年度製造業徳島県

コンクリート構造物の劣化防止のための無機系表面含浸剤の開発

馬居化成工業株式会社

この事例のポイント

  • 高度成長期に建設されたコンクリート構造物の老朽化に対し、劣化防止対策が課題となっている。
  • 失われたカルシウムを補うための補助剤の開発を計画し、様々な検証を実施した。
  • 各検証の結果、透水抑制、中性化抑制、防錆効果が実証できた。

事業者のプロフィール

事業者名馬居化成工業株式会社
所在地徳島県 鳴門市
業種化学工業
技術分野複合・新機能材料
従業員数54人
資本金3,500万円
設立1944年

事業の背景

当社は昭和19年設立の無機化学製品製造会社で、長年の実績がある。高度成長期に建設された構造物の老朽化に伴い劣化防止対策が問題となっている。当社は無機系表面含浸剤の事業化の可能性は高いと判断した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力高度成長期に建設されたコンクリート構造物の老朽化に対し、劣化防止対策が課題となっている。
  • 新製品・新技術珪酸塩系表面含浸工法では、補修剤の効果の元となるコンクリート中のカルシウムが中性化や風化、溶脱により失われていく。

やったこと

失われたカルシウムを補うための補助剤の開発を計画し、様々な検証を実施した。補助剤の処方検討としてpH調整や添加剤等を検討した。補助剤と珪酸塩系表面含浸剤との反応実験を行い、岐阜大学工学部に委託して補助剤の効果を検証した。小規模試作を実施し、拡大試作用の設備を導入した。SEMとEDSを新規導入し分析器による解析を行った。

検査測定SEM
検査測定EDS

新しい製品・サービス:コンクリート構造物の劣化防止のための無機系表面含浸剤(カルシウム補助剤)。少量の薬剤を塗るだけの簡単な方法で施工でき、国土交通省の新技術(NETIS登録番号SK-160004-A)に登録された。

事業の効果

各検証の結果、透水抑制、中性化抑制、防錆効果が実証できた。少量の薬剤を塗るだけで施工できる簡単な方法で、コンクリート構造物の劣化防止対策に適している。徳島県内で自社ブランドとして販売し、県内での工事実績を積み重ねた後に全国展開する計画である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    珪酸塩系含浸剤を徳島県内で初めて製造・販売し、NETIS登録した経緯が書かれ、過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    県内での自社ブランド販売と県内実績を積んで全国展開する方針はあるが、市場動向や競合に対する強み・弱みの記述は見当たらない。

  • 課題の認識と解決3

    中性化・風化・溶脱によるカルシウム減少という課題を示し、補助剤でその補填を図る解決策が書かれている。高付加価値化の数値は読み取れない。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    従業員54人の会社で、大学への委託や分析器導入はあるが、補助事業を遂行する人材・体制の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    少量塗布で施工が簡単という製品特長と、県内建設業者への販売計画が書かれている。ニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋3

    県内で工事実績を積んでから全国展開する段階的計画が示され、検証の流れも書かれている。スケジュールの具体性は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    珪酸塩系表面含浸剤を徳島県内で初めて扱うと記載され、地域での新規性はうかがえる。全国的な普及度は書かれていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    高度成長期に建設された構造物が建設後50年を迎え老朽化していると書かれ、社会インフラの維持という公的意義はうかがえる。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    NETIS登録や大学との検証はあるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献についての記述は乏しい。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    老朽インフラの劣化防止という分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    徳島県内での販売と県内建設業者への展開が書かれ、地域性はうかがえるが、雇用や経済成長への数値的記述はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

徳島県内で自社ブランドによる販売を計画し、県内の建設業者・工事業者への工事実績を積み重ねた段階で全国展開したい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。