ものづくり補助金平成25年度製造業愛媛県

レーザー加工機の連続無人運転を可能にするマニピュレーターの導入

有限会社伊藤精工所

この事例のポイント

  • 新居浜市内では住友各社からの発注の減少の影響が大きく、仕事量が減少している。
  • レーザー加工機に後付け可能なマニピュレーター等の機種選定を行い、レーザーマニピュレーター、コンプレッサー、ソフトウェア等を導入した。
  • レーザーマニピュレーターの導入により、社員が帰宅した後も無人でレーザー加工機を稼働させることが可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社伊藤精工所
所在地愛媛県 新居浜市
業種金属製品製造業
従業員数30人
資本金300万円
設立1973年

事業の背景

当社はレーザー加工による精密板金加工を行っている。リーマンショック以降の大幅な仕事量の減少に歯止めがかからず、特に新居浜市内では住友各社からの発注の減少の影響が大きい。平成24年度末から他地域で新規顧客の開拓を進め、経験のなかった量産(農機具や一部の建設機械等)の仕事にチャレンジした。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力新居浜市内では住友各社からの発注の減少の影響が大きく、仕事量が減少している。
  • 新製品・新技術量産品という分野の仕事で利益を出していくには、生産性の大幅な向上とコストの削減が必要不可欠である。

やったこと

レーザー加工機に後付け可能なマニピュレーター等の機種選定を行い、レーザーマニピュレーター、コンプレッサー、ソフトウェア等を導入した。導入後は、マニピュレーターによる材料自動搬入、加工時間の測定及び精度、加工後のワークの自動取り出し等、無人自動運転の動作を確認した。レーザーマニピュレーターは既存のレーザー加工機に後付けできる装置で、材料を加工パレットに自動供給し、加工後のシートを取り出して集積する。機械への材料セットを無人で行え、連続自動運転が可能である。

ロボットレーザーマニピュレーター
その他コンプレッサー
ソフトソフトウェア

事業の効果

レーザーマニピュレーターの導入により、社員が帰宅した後も無人でレーザー加工機を稼働させることが可能になった。残業や休日出勤がなくなり従業員の人件費の削減が可能になった。予期しない大量の受注や短納期の仕事にも余裕をもって取り組めるようになった。導入時の目標であった生産性の向上とコスト削減が実現した。今後は利益を社員への昇給や賞与に還元し、海外に流れている仕事を国内へ取り戻すことで雇用や賃金の増加につなげる予定である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    新居浜市内の住友各社からの発注減少を受け、他地域で量産仕事に挑戦した経緯が書かれ、板金加工の延長線上の取組と読める。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    レーザー加工と精密板金の強みや量産への新規進出は書かれるが、市場動向や競争優位の具体的な根拠は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    量産品で利益を出すには生産性とコスト削減が必要と課題を明示し、無人運転で残業削減と受注余力の拡大を図る流れが書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産性向上とコスト削減の目標は述べられ実現したとあるが、数値目標や付加価値額の具体的な値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    社員数30名や主要設備は書かれるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力に関する記述はほぼない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    半導体製造装置向け部品や農機具等の量産仕事など対象顧客は示されるが、製品価値の選ばれる理由は整理されていない。

  • 事業化までの道筋3

    導入、確認、成果、今後の昇給・賞与還元と国内回帰までの流れは書かれているが、スケジュールの詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    レーザーマニピュレーターは後付けの既存装置で、高付加価値化や高価格化を図る取組とは書かれていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    雇用や賃金の増加、海外に流れた仕事の国内回帰による雇用創出が述べられ、波及効果の記述がある。

  • 費用対効果3

    残業削減による人件費削減や生産性向上の成果が書かれるが、投入額と付加価値増加の数値的な費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    無人自動運転による連続稼働は示されるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    愛媛県新居浜市の地域の製造業として雇用や仕事の確保に言及しているが、地域特性を活かした付加価値創出の具体性は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

マニピュレーターの導入で得た成果を基に利益を生み出す仕組みを構築し、社員への昇給や賞与で還元する予定である。生産性の向上や経費の削減により、海外へ流れている仕事を国内へ取り戻すことも可能になると考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。