ものづくり補助金平成26年度製造業高知県

耐食性合金メッキ処理技術の確立による金属機械部品の高機能化及び高付加価値化

有限会社 中井メッキ工業所

この事例のポイント

  • 亜鉛メッキより耐食性・耐熱性などの機能に優れたメッキへの要望があり、それに応える高機能な表面処理技術が必要だった。
  • 既存の脱脂・酸処理設備は共用とし、本補助事業により電解脱脂工程と亜鉛ニッケルメッキ工程に必要な設備をそれぞれ一式導入した。
  • 亜鉛ニッケルメッキ加工の製造ラインを構築し、独自の合金メッキ技術を確立した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社 中井メッキ工業所
所在地高知県 高知市
業種金属製品製造業
技術分野表面処理
従業員数6人
資本金600万円
設立1952年

事業の背景

当社は農業用機械、建設用機械、一般用機械などの部品の表面処理を行っており、亜鉛メッキがその70%を占めている。亜鉛メッキは最も一般的な防錆処理として広く使われているが、用途によってはより高い耐食性が求められている。近年はメッキ加工の需要が減少しており、付加価値の高い加工技術で新たな需要を開拓することを模索していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術亜鉛メッキより耐食性・耐熱性などの機能に優れたメッキへの要望があり、それに応える高機能な表面処理技術が必要だった。
  • 集客・繁閑近年メッキ加工の需要が減少しており、新たな需要を開拓する必要があった。
  • 新製品・新技術付加価値の高い加工技術を取り入れ、他社との差別化を図ることが求められていた。

やったこと

既存の脱脂・酸処理設備は共用とし、本補助事業により電解脱脂工程と亜鉛ニッケルメッキ工程に必要な設備をそれぞれ一式導入した。メッキ液の成分比率、温度、浸水時間、電圧、電流密度について試作とサンプル評価を繰り返し、そのフィードバックから加工条件を割り出した。治具の製作を含めて独自のメッキ技術を確立し、精度向上に向けた研究を続けている。完成した機能性をまとめて取引先にPRし、サンプル製作と提供を行った。その結果、地元包装機メーカーの機械部品や建機アタッチメント用部材のメッキ加工に採用され、バイクや車の部品の受注も得られている。

加工機電解脱脂槽
加工機電解脱脂用電源
加工機亜鉛ニッケルメッキ槽
加工機メッキ槽架台
加工機亜鉛ニッケルメッキ電源
加工機メッキ電源架台
その他配線ケーブル
その他熱交換器
その他濾過器
その他Niアノード
その他銅ブスパー
その他メッキ用治具
その他バレルメッキ治具
その他亜鉛ニッケル合金メッキ液
加工機超音波洗浄槽
加工機超音波洗浄器

新しい製品・サービス:高耐食性アルカリノーシアン亜鉛―ニッケル合金メッキによる機械部品の表面処理

事業の効果

亜鉛ニッケルメッキ加工の製造ラインを構築し、独自の合金メッキ技術を確立した。従来の亜鉛メッキより耐熱性、耐食性、耐摩耗性に優れ、薄い皮膜でも高い耐食性が得られる製品になった。地元包装機メーカーや建機アタッチメント用部材などで採用され、バイクや車の部品の受注も得られている。四国内では同じ技術を持つ業者がなく、ステンレス素材からの代替需要も見込める。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    亜鉛メッキが売上の70%を占める既存事業を背景に、耐食性の高い合金メッキへ展開する経緯が具体的に書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    四国内に亜鉛ニッケルメッキ業者がなく大きいサイズに対応できる設備を持つことが強みとして明記され、市場動向も示されている。

  • 課題の認識と解決4

    亜鉛メッキの需要減少を課題と捉え、コストは2~2.5倍だが寿命は4倍以上でメッキコストは1/2に抑えられると効果を数字で示している。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    受注増や付加価値向上の数値目標は書かれておらず、新規顧客獲得の目指す方向が示されるにとどまる。

  • 事業を進める体制3

    試作と評価を繰り返して加工条件を確立したと書かれているが、受注増への生産体制として人材育成が必要とされ、体制は未整備とある。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    耐熱性・耐食性・装飾性の特徴と3色の展開、ステンレス代替需要、サンプル提供後の地元メーカーへの採用実績が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    既存顧客・新規顧客ごとの段階的な提案や県内PRの順序は示されているが、スケジュールや課題の解決方法の具体性は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    亜鉛ニッケルメッキは従来の亜鉛メッキより高付加価値で、四国内に施工業者がないと明記され、高水準の付加価値化が示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    県内の建機・製紙機械メーカーへの供給や輸出産業への期待が書かれるが、経済波及効果や雇用創出の規模は示されていない。

  • 費用対効果2

    約30%のコストダウンや寿命4倍の効果は書かれているが、補助金投入額に対する付加価値増加額の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    シアン・六価クロムを使わずELV・RoHSに対応する環境配慮は書かれるが、デジタル技術や新ビジネスモデルへの言及はない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    ステンレス代替や輸出産業への需要拡大に触れるが、日本経済の構造転換に資するとまでは読み取れない。

  • 地域経済への波及2

    高知県内で亜鉛ニッケルメッキを行う業者が少ない点は地域性がうかがえるが、地域の雇用や成長への寄与は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

まず県内の建設機械メーカーや製紙機械メーカーなどに製品を持ち込んでPRし、県内で亜鉛ニッケルメッキができることを知らせていく。今後は県内外の顧客獲得に注力し、受注増に対応できる生産体制を整えるため人材の育成が必要とされている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。