ものづくり補助金平成25年度製造業愛媛県

新商品開発への挑戦と新技術による販路拡大

株式会社アキ工業

成果電気使用量の減少により消費電力が大幅に削減された。

この事例のポイント

  • 海外製品との価格競争や原材料・電力料等の高騰によりコスト面が課題となっていた。
  • 油圧式射出成形機から電動射出成型機(取出ロボット、金型温度調節器、耐蝕耐摩耗加熱筒(大同特殊鋼製:最新スクリューヘッドを含む))に入れ替えた。
  • 電気使用量の減少により消費電力が大幅に削減された。電動射出成型機の導入により、薄肉・精密成型の転写性と成型安定性が向上し、速度・精密度が大きく高まった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アキ工業
所在地愛媛県 伊予郡砥部町
業種プラスチック製品製造業
技術分野精密加工
従業員数24人
資本金1,000万円
設立1985年

事業の背景

当社は長年プラスチック製品の加工を手掛ける下請企業として、自動車部品メーカー等との取引を行ってきた。近年は海外製品との価格競争や原材料・電力料等の高騰によりコスト面が課題となっていた。素材の進化や発注元からの高度な加工要求に伴い、旧式の油圧式射出成型機では対応が難しくなっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算海外製品との価格競争や原材料・電力料等の高騰によりコスト面が課題となっていた。
  • 生産能力旧式の油圧式射出成型機のため、ガラス繊維強化プラスチック複合材料など素材の進化や発注元の高度な加工要求に応えられず、引き合いを断らざるを得ないケースが生じていた。
  • 新製品・新技術下請主体から企画開発・販売するメーカーとして市場に打って出る必要性に迫られていた。

やったこと

油圧式射出成形機から電動射出成型機(取出ロボット、金型温度調節器、耐蝕耐摩耗加熱筒(大同特殊鋼製:最新スクリューヘッドを含む))に入れ替えた。導入した電動射出成型機は業界最速クラスの射出加速性を実現し、薄肉・精密成型における転写性の向上や成型安定性の確保につながった。これにより旧式の油圧式に比べて速度・精密度が格段に向上した。従来の油圧式では成型困難だった自動車部品のポケットプレートの新規受注が決定した。

加工機電動射出成型機
ロボット取出ロボット
その他金型温度調節器
その他耐蝕耐摩耗加熱筒(大同特殊鋼製、最新スクリューヘッドを含む)

新しい製品・サービス:自社製品の歯ブラシ立て「モーナツ」(吸盤で壁に取り付け、水分が底に溜まらず衛生的に使える)

事業の効果

  • 電気使用量の減少により消費電力が大幅に削減された。
  • 条件変更の柔軟さから1製造サイクルあたりの時間を短縮できた。

電動射出成型機の導入により、薄肉・精密成型の転写性と成型安定性が向上し、速度・精密度が大きく高まった。従来は成型困難だった自動車部品ポケットプレートの新規受注が決まった。従来品では製造サイクルあたりの時間が短縮され、人手作業の自動化など効率化も実現した。電気使用量が減り消費電力が大幅に削減され、コスト面の効果も得られた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    下請からの脱却と自社製品の企画開発・販売への転換が述べられ、過去の補助金採択歴も記載されるが、事業計画上の位置付けは概略にとどまる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    海外製品との価格競争や旧式油圧機の制約が示される一方、自社の強みを定量的に示す記述は少ない。

  • 課題の認識と解決3

    電気使用量の減少や1サイクル時間短縮など課題解決の方向は書かれるが、数値目標や計画の具体性は薄い。

事業の実現可能性36%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    成果として消費電力の大幅削減や時間短縮が述べられるが、付加価値増加や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    モーナツの用途や衛生面の利点、ガラス繊維強化材への対応など製品の価値は読み取れるが、顧客ターゲットの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後の活動予定として新商品創出への取組が示されるが、スケジュールや課題解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    薄肉・精密成型や複雑形状の高付加価値化に取り組む方針が示されるが、市場水準との比較データはない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域の製造業への言及は乏しく、雇用創出や波及効果の記述は限定的にうかがえる程度である。

  • 費用対効果3

    消費電力の大幅削減とサイクル時間短縮が成果として示されるが、投入額に対する付加価値増の数値はない。

  • イノベーションへの貢献2

    最新スクリューや取出ロボットの導入は示されるが、デジタル技術の活用やサプライチェーン貢献は明示されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    下請から企画開発・販売への転換が示され、構造転換の方向性がうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    愛媛県砥部町の立地は示されるが、地域の特性を活かした成長牽引の記述は見当たらない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ガラス繊維強化複合高機能樹脂を使った部品の積極受注を図り、顧客ニーズに応える製品提供で対外的信頼の向上に努める。また自社製品を企画開発・販売するメーカーとして、モーナツなど高付加価値商品やコスト競争力のある複雑形状の新商品創出に取り組む。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。