ものづくり補助金平成24年度群馬県

射出成形における金型内部でのガス焼け不良の改善技術と成形システムの開発

株式会社一倉製作所

成果金型修正回数 5回→1回

この事例のポイント

  • プラスチック射出成形特有のガス焼け不良が大きな課題となっている。
  • 金型設計段階でガス焼け不良が発生する場所を流動解析により特定し、効果的なガス排気機構の設置位置を検討した。
  • 金型修正回数 5回→1回。ガス焼け不良の原因となるガス排気位置とガスベント寸法を金型設計段階で特定できるようになり、金型修正や試作の回数が減った。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社一倉製作所
所在地群馬県 北群馬郡榛東村
業種プラスチック製品製造業
技術分野切削加工
従業員数48人
資本金2,000万円
設立1967年

事業の背景

取引先の自動車部品・化粧品容器メーカーから、新機種立ち上げ時の金型起工から量産までの大幅な時間短縮とコスト削減、量産時に不良品が発生しない安定生産による品質保証が求められている。製造現場ではガス焼け不良の発生に対し、対処療法や熟練工の勘に頼るケースが多くコスト高となっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度プラスチック射出成形特有のガス焼け不良が大きな課題となっている。
  • コスト・採算ガス焼け不良やショート不良の発生に対し、成形条件の調整や熟練工の勘に頼る対処療法が多く、コスト高となっている。
  • 納期・工程新製品の金型起工から試作・見極めの時間が不足し、不具合を抱えたまま量産に移行するケースも多い。

やったこと

金型設計段階でガス焼け不良が発生する場所を流動解析により特定し、効果的なガス排気機構の設置位置を検討した。樹脂の種類ごとにシリンダー温度と射出速度を変化させて実験し、バリが発生しないガスベントの形状と寸法を複数種の樹脂で試作してデータベースを作成した。さらに、特殊機構を持つ電動式射出成形機に不活性ガス噴射システムを組み込み、樹脂充填前に金型内部へ不活性ガスを充満させてから樹脂を注入する機構を設計し、成形条件や金型修正に頼らずに改善できることを検証した。

加工機特殊機構を持つ電動式射出成形機(不活性ガス噴射システム組込み)
ソフト樹脂流動解析ソフト

新しい製品・サービス:ガス焼けそのものを発生させない画期的な成形システム

事業の効果

  • 金型修正回数 5回→1回
  • 試作回数 4回→1回
  • 金型見極め期間が従来に比べて1/2になり、金型納期が短縮された。
  • 1型あたりのコスト 300,000円→100,000円

ガス焼け不良の原因となるガス排気位置とガスベント寸法を金型設計段階で特定できるようになり、金型修正や試作の回数が減った。1型あたり約200,000円のコスト削減と金型見極め期間の半減が見込まれ、新機種立ち上げ時のスピードアップにつながる。新機種の受注拡大や、システムのパッケージ化による同業他社への販売・技術提携も検討している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    過去の技術蓄積を活かすとの記述はあるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    取引先の自動車部品・化粧品容器メーカーからの要求に言及するが、市場動向や自社の強み・弱みの分析は読み取れない。

  • 課題の認識と解決4

    金型見極め期間や試作費の増加を課題とし、新機種立ち上げ時の時間短縮とコスト削減という解決策が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    金型修正回数や試作費用の従来比較があり、1型あたり約20万円のコスト削減、納期の半減という目標が示されている。

  • 事業を進める体制2

    委託先の群馬産業技術センターとの連携はあるが、体制や人材の具体的な配置は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客は自動車部品・化粧品容器メーカーで、新機種立ち上げ時の時間短縮とコスト低減が受注につながる理由として示されている。

  • 事業化までの道筋4

    流動解析からガスベント位置を特定し、金型起工時に設置する工程と、特許申請やシステムのパッケージ化の段階が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    ガス焼けそのものを発生させない成形システムで、従来の対処療法とは異なる独自性が示されており、金型見極め期間は従来比1/2と数字で示されている。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用2

    自動車部品や化粧品容器の製造現場の課題は示されるが、波及効果や雇用創出への言及は乏しい。

  • 費用対効果4

    開発投資に対し、1型あたり約20万円の削減や金型納期の短縮という費用対効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献4

    流動解析と不活性ガス噴射を組み込んだ電動射出成形機の新しい成形システムで、サプライチェーンの立ち上げ効率に貢献し得る。

政策面20%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

成形システムについて特許申請を行い、生産性の評価と検証を継続したうえで、システムをパッケージ化し、同業他社へのシステム販売や技術提携・ライセンス契約を検討する。化粧品メーカーや自動車部品メーカーを通じた新機種の受注拡大を目指す。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。