ものづくり補助金平成25年度製造業愛媛県

省エネに適した電流クランプメータの試作開発と生産プロセスの強化

共立電気計器株式会社

この事例のポイント

  • 従来は作業員が目視で測定値を読み取り、調整や検査を人手で行っており、生産効率が低い。
  • クランプメータの自動化対応モデルを試作した。
  • 画像処理による読み取りとデジタルデータ化により、測定値読み取りと調整検査を自動化し、製造コストの引き下げを見込む。

事業者のプロフィール

事業者名共立電気計器株式会社
所在地愛媛県 目黒区
業種業務用機械器具製造業
技術分野測定計測
従業員数200人
資本金4,200万円
設立1950年

事業の背景

昭和15年に個人創業した共立電気研究所を前身とし、電気計器製造一筋76年の実績を持つ。クランプメータは国際市場で年間約250億円規模とされ、かつては約8割のシェアを誇った。しかし円高の進展により、アジア新興国の低コスト商品にシェアを奪われ、現在は約5%程度まで低下している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来は作業員が目視で測定値を読み取り、調整や検査を人手で行っており、生産効率が低い。
  • コスト・採算中国・台湾・ASEAN諸国に比べ人件費などのコストで不利であり、価格競争力が十分ではない。
  • 販路・情報発信アジア新興国の低価格品やイミテーション商品に販路を奪われ、クランプメータの国際シェアが約8割から約5%に低下した。

やったこと

クランプメータの自動化対応モデルを試作した。電源は電池の代わりに直流安定化電源を用い、検査時に必要な電池相当の電気特性を与える。測定コードの着脱は、電圧・抵抗測定用の端子を製品下部に配置しエアシリンダーで行う。ロータリースイッチは、つまみに横方向からテンションを加えてステッピングモーターで回転させ、ホームポジションは機械的スイッチで検出する。電流測定用クランプのコア部分はエアシリンダーで開閉させ、開閉に同期して本体またはコイルのいずれかも移動させる設計とした。また、画像処理用カメラで測定器の表示を読み取り、標準信号発生器とパソコンで制御してデータ化する仕組みを導入した。

検査測定画像処理システム(画像処理用カメラ)
検査測定標準信号発生器
検査測定直流安定化電源
ロボット自動挿入機
ロボット自動加締機
ロボット自動コアーアッセンブリー機
ロボットステッピングモーター付きロータリースイッチ駆動機構

新しい製品・サービス:デジタルクランプメータ「KEW2117R」。IEC61010-1等に準拠した安全設計で、歪んだ波形にも正確に対応する実効値測定が可能。最大測定電流はAC1000A、最小分解能は0.01A、活線チェックが可能なNCV機能を搭載。画像処理によるローコスト商品として市販された。

事業の効果

画像処理による読み取りとデジタルデータ化により、測定値読み取りと調整検査を自動化し、製造コストの引き下げを見込む。検査データを品質管理に活用して信頼性を高め、国際競争力の向上を図る。新商品KEW2117Rが市販され、今後は大口OEM顧客の受注獲得による販売数量増加を目指す。自動化の経費や人件費の削減、生産効率の向上も継続して進める計画である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業76年の電気計器製造一筋の実績と、約40年前に8割シェアを持っていた経緯が書かれ、一貫性はうかがえる。経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    アジア新興国に国際シェアを奪われ現在5%程度とする外部環境と、RMS演算など技術力の強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    中国・台湾等との価格競争という課題を示し、画像処理による自動化でローコスト化する計画が書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    ローコスト化や販売数量増加を目指すとあるが、付加価値額や賃上げの目標数値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    技術顧問や開発センターの担当者は記載があるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    省エネ向けに電流・電力を簡便測定できる製品特徴と、ローコストで国際競争力を持つ顧客ターゲットが示されている。

  • 事業化までの道筋3

    試作から商品化、順次他機種へ応用する計画は示されるが、スケジュールや課題解決方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    国際クランプメータ市場は年間約250億円規模とあるが、同分野で高価格化を図る記述は薄い。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    国内の雇用創出や波及効果への言及は薄く、国が補助する積極的理由は読み取りにくい。

  • 費用対効果3

    人件費削減やローコスト化の効果は述べられるが、補助金額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    画像処理やロボット導入による自動化は示されるが、地域やサプライチェーンへの貢献は限定的にしか書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    自動化による生産プロセス強化は示されるが、成長分野への進出や構造転換に資する記述は薄い。

  • 地域経済への波及2

    愛媛工場での製造など地域拠点はうかがえるが、地域特性を活かした成長牽引としての記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

国際マーケットのシェア奪回に向けて、ローコスト化を活かした価格競争力で大口OEM顧客の受注獲得を目指す。画像処理を用いた生産ラインを、今後は電気計器全般に応用していく計画である。

  • 目標:国際市場でのシェア 80%→5%

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。