ものづくり補助金平成25年度製造業愛媛県

すずメッキ槽ヒーター電化システム導入による製品品質の向上とコストダウン

冨士電線株式会社

成果溶解温度の変動幅 15度→6度

この事例のポイント

  • 溶解槽は老朽化により溶解温度が一定でなく、不良線が発生していた。
  • スズメッキ槽のヒーターを灯油バーナー式から電気ヒーター式に切り替え、電化システムによる温度管理を実現した。
  • 溶解温度の変動幅 15度→6度。溶解温度が安定したことで、メッキ被膜が均一化され、素線の色や外径が良質になった。

事業者のプロフィール

事業者名冨士電線株式会社
所在地愛媛県 松山市
業種非鉄金属製造業
技術分野材料製造プロセス
従業員数64人
資本金4,800万円
設立1948年

事業の背景

当社は1948年設立の四国唯一の電線専業メーカーで、ゴムキャブタイヤケーブルなど自社ブランド品のほか、OEM生産も行ってきた。製造機械は既製品にないオリジナル仕様の特注設備が大半を占め、設備投資の負担が重かった。銅素線をスズでメッキする溶解槽は昭和46年から使用してきたものだった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力溶解槽は老朽化により溶解温度が一定でなく、不良線が発生していた。
  • コスト・採算溶解準備のための電力や灯油など燃料費のコストが高くなっていた。
  • 品質・精度銅線を同時に多く溶解槽に通すと温度低下が著しく、不良品の発生につながっていた。

やったこと

スズメッキ槽のヒーターを灯油バーナー式から電気ヒーター式に切り替え、電化システムによる温度管理を実現した。当初は面状ヒーターをメッキ槽下部に貼り付ける予定だったが不具合が生じたため、カートリッジヒーターに変更した。これにより設定温度に対する温度変動を、従来の±15度から±6度に維持できるようになった。

その他電気式カートリッジヒーター
その他電化システム(スズメッキ槽温度管理)

事業の効果

  • 溶解温度の変動幅 15度→6度
  • 同時溶解本数 8本→10本
  • 溶解準備時間 3時間→2時間
  • 不良線の廃棄が約1%減少

溶解温度が安定したことで、メッキ被膜が均一化され、素線の色や外径が良質になった。同時に溶解できる本数が増え、溶解準備時間の短縮とあわせて生産性が向上した。灯油から電気に切り替えたことで燃料費が削減され、コストダウンを実現した。不良線の廃棄も約1%減少した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    灯油バーナーから電気式への切り替えの経緯と「省エネ、環境を意識した設備投資」の方針が書かれているが、具体的な経営戦略上の位置づけは薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    電線市場は拡大し需要増が見込まれると記載があり、四国唯一の電線専業メーカーという点も書かれているが、競争優位の説明は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    溶解温度の不安定化、不良線、燃料費の高さという課題を示し、温度差±15°から±6°、準備時間3時間から2時間と数値で効果を示している。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    不良線の廃棄が約1%減ったという数値はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    担当者と取締役副社長の連絡先のみで、補助事業を遂行する人材や事務体制の説明はない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    品質向上や新商品開発で顧客ニーズに応えると記載があり主要取引先名もあるが、ターゲットや選ばれる理由は整理されていない。

  • 事業化までの道筋2

    導入の経緯と今後の高速スズメッキ設備の計画は書かれているが、スケジュールや課題の解決方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    電線という一般的な分野で、良質な素線製造は書かれているが、高価格化や高付加価値化についての記述は薄い。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 費用対効果3

    準備時間3時間から2時間の短縮、燃料費削減、不良線廃棄約1%減の効果は読み取れるが、補助金投入額との比較はできない。

  • イノベーションへの貢献2

    電気ヒーターによる電化と温度管理は書かれているが、先端デジタル技術や新しいビジネスモデルへの言及はない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    愛媛県松山市の企業で四国唯一の電線専業メーカーと記載があるが、地域の雇用や経済成長への効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

電線(ケーブル)市場は拡大しており、インターネットの普及や東京オリンピックを控え、さらに需要増が見込まれている。今後も製品品質の向上や新商品開発に取り組み、省エネ・環境を意識した設備投資を積極的に進める方針である。

事業者の声

使える設備は残しながら、省エネ、環境を意識した設備投資

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。