ものづくり補助金平成29年度製造業京都府

IoTに係る半導体市場の需要増加に伴う放熱板の生産体制の革新

株式会社三昌製作所

成果洗浄数(1日当たり) 15,000個→30,000個

この事例のポイント

  • 銅製放熱板の増産に対し、洗浄工程がボトルネックとなり得意先の増産体制に応えられなかった。
  • 既存機の1台と合わせて人手を増やさず稼働できるよう洗浄機の自動化を検討し、昇降台車式洗浄機を導入した。
  • 洗浄数(1日当たり) 15,000個→30,000個。洗浄工程のボトルネックが解消され、1日の洗浄数は15,000個から30,000個へ倍増し、主要得意先の銅製放熱板の増産…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社三昌製作所
所在地京都府 京都市南区
業種非鉄金属製造業
技術分野精密加工
従業員数56人
資本金2億円
設立1956年

事業の背景

当社は1956年創業で、半導体放熱板や電極端子部品のプレス加工を主力とし、銅製放熱板は金型製造から一貫生産している。半導体市場は多様な半導体が必要となり成長が見込まれ、特にパワー半導体は電気自動車や再生可能発電で採用が急増している。主力得意先ではパワー半導体の増産計画により5年間で1.5倍の成長を見込み、銅製放熱板を現状の月産40万個から50万個へ増産する依頼があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力銅製放熱板の増産に対し、洗浄工程がボトルネックとなり得意先の増産体制に応えられなかった。
  • 人手・技能4〜5層の洗浄槽をすべて手動で稼働しており、1日15,000個の処理量が限界だった。

やったこと

既存機の1台と合わせて人手を増やさず稼働できるよう洗浄機の自動化を検討し、昇降台車式洗浄機を導入した。導入機は4〜5層の洗浄槽に製品を自動で漬け替えでき、洗浄条件をタッチパネルで容易に設定でき、脱気装置を搭載して乾燥方法の基準を決められる。ワーク投入の安全性も確保している。当社技術者と設備メーカーが入念に打ち合わせを行い、最適な仕様とレイアウトを決定した。特注品だが設備メーカーの協力を得て短期間で納品された。

その他昇降台車式洗浄機

新しい製品・サービス:昇降台車式洗浄機

事業の効果

  • 洗浄数(1日当たり) 15,000個→30,000個
  • 洗浄時間 2分→1分

洗浄工程のボトルネックが解消され、1日の洗浄数は15,000個から30,000個へ倍増し、主要得意先の銅製放熱板の増産ニーズに対応できた。洗浄時間の半減により一人で既存機と導入機の2台を稼働できるようになった。加工難易度の高い3〜5mm厚の銅板加工で他社を圧倒する市場での性能的優位性を獲得し、車載向けの受注が拡大している。プレス機を8台増設して増産に対応している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    70年の高精度加工実績と銅製放熱板の一貫生産を背景に、洗浄工程改善を増産体制構築の一環として位置付けており、過去の取組との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    半導体需要急拡大を背景に、3〜5mm厚の銅板加工で競合他社を圧倒する性能的優位性を獲得したと記載があり、強みと外部環境の関係が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    洗浄工程がボトルネックだった課題を認識し、自動化で1日15,000個から目標30,000個への処理能力向上を計画・達成している。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    洗浄数を1日15,000個から30,000個へ倍増する目標を設定し、導入機だけで目標を達成したと具体的数値で記載されている。

  • 事業を進める体制3

    設備メーカーとの入念な打ち合わせや社員教育、2022年の2名採用に触れているが、補助事業の遂行体制として具体的な人員配置の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    主力得意先の5年で1.5倍の成長見込みと月産40万個から50万個の増産依頼を示し、顧客ニーズの裏付けが具体的。

  • 事業化までの道筋3

    新工場建設やプレス機8台増設の予定に触れているが、補助事業の遂行スケジュールや課題解決の方法は詳述されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    銅製放熱板は高放熱性が求められる分野だが、一般的な普及度や高価格化の具体的な記述は薄い。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用4

    脱炭素社会の実現やEV化・再生可能発電でのパワー半導体需要を背景に、国が支える重要部品の供給という積極的理由が読み取れる。

  • 費用対効果3

    洗浄数の倍増や1人で2台稼働可能になった点は生産性向上を示すが、補助金額に対する付加価値額の費用対効果は記載がない。

  • イノベーションへの貢献2

    自動機の導入は記載されるが、先端的デジタル技術やサプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は明示されていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    脱炭素社会・EV化を支えるパワー半導体分野への進出が示され、構造転換への寄与がうかがえるが具体性は限定的。

  • 地域経済への波及2

    京都市の企業であることは分かるが、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用拡大への言及はわずかにうかがえる程度。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

2023年から銅製放熱板の生産量が急増する見込みで、プレス工程の設備投資を進めている。海外メーカーへの新規受注も進め、新工場の建設を予定している。今後も銅材プレス技術を強みに、パワー半導体を支えるグローバル企業として展開していく方針である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。