ものづくり補助金平成28年度製造業岐阜県

部品の大型化・一体化に対応可能な歪み抑制ショット法の確立

有限会社桜井ダイカスト工業

この事例のポイント

  • 自動車向けダイカスト部品で、納入先から大型化・一体化した部品が求められるようになったが、対応できていなかった。
  • 大型で複雑な形状のワイパーホルダーは、タンブラーショット機では機械内でぶつかり合い破損や歪みが生じるおそれがあるため、部品をステーションという木の枝のような形のラックに吊るし、回…
  • 歪みを解消する工程が減ったことで、作業量や不良品数が激減した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社桜井ダイカスト工業
所在地岐阜県 関市
業種非鉄金属製造業
技術分野表面処理
従業員数45人
資本金2,000万円
設立1982年

事業の背景

創業以来、自動車のワイパーを動かすのに欠かせないワイパーホルダー等のダイカスト部品を製造している。電気自動車の普及などで自動車の構造が複雑化し、納入先から大型化・一体化したダイカスト部品が求められるようになった。自動車向けダイカスト部品は大手企業との競争が激しい分野であり、高付加価値化による差別化が必要だった。また、働き方改革のため約5年前に24時間操業を廃止したことで、売り上げが一時期減少していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術自動車向けダイカスト部品で、納入先から大型化・一体化した部品が求められるようになったが、対応できていなかった。
  • 販路・情報発信自動車向けダイカスト部品は大手企業との競争が激しく、差別化のために高付加価値化が必要だった。
  • 生産能力大手が敬遠しがちなバリ取りなどの後工程を充実させ、高付加価値化を図る必要があった。

やったこと

大型で複雑な形状のワイパーホルダーは、タンブラーショット機では機械内でぶつかり合い破損や歪みが生じるおそれがあるため、部品をステーションという木の枝のような形のラックに吊るし、回転させながらショット玉を投射するハンガー式ショット機を導入した。既存の機械はショット玉を当てる速度は調整できたが、高速で回すと歪みが出やすかったため、歪みを抑えつつバリを最大限取れるよう、特注でステーションの回転速度も調整できるようにした。ステーションの下にある特注のインバーター制御により回転速度を調整できるようにした。ショット玉を当てる速度とステーションの回転速度は12パターンを試し、歪みの量とバリの取れ具合を確認して最適なバランスを見つけ出した。

加工機ハンガー式ショット機
その他ステーション回転速度調整用の特注インバーター制御

事業の効果

歪みを解消する工程が減ったことで、作業量や不良品数が激減した。これにより低コスト化につながり、市場で優位に立てるようになった。歪みの問題が解消されたことで作れる商品のバリエーションが増え、納入先からの細かなオーダーにも応えやすくなった。ハンガー式ショット機の導入などによる付加価値の高い製品づくりの実現で、売り上げは以前の水準に戻りつつある。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    創業以来のダイカスト部品製造を基盤に、大型化・一体化対応とハンガー式ショット機導入を進めた経緯が具体的に書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    大手企業との競争激化と高付加価値化の必要性は書かれているが、市場動向の数値や自社の強み分析は具体的に読み取れない。

  • 課題の認識と解決4

    歪みやバリ取り作業が課題と明示され、ショット速度と回転速度の最適化で作業量と不良品数が激減したと具体的に書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    売上が以前の水準に戻りつつあると書かれるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、わずかにうかがえる程度。

  • 事業を進める体制3

    特注の調整機構や12パターンでの検証は読み取れるが、補助事業を遂行する人材や事務体制についての具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    納入先の細かなオーダーに応えやすくなったとあるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    12パターンで歪みとバリの量を確認し最適点を見つけた検証過程は書かれているが、中長期スケジュールや遂行計画は読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    高付加価値化による差別化を図り、歪みのない製品でバリエーションが増えたと書かれ、高付加価値化の取組が具体的に読める。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    自動車の電動化による構造変化への対応は書かれるが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は読み取れない。

  • 費用対効果3

    作業量や不良品数の激減による低コスト化は書かれているが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    インバーター制御の導入は書かれるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は明確には読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    関市の地域企業として働き手確保に取り組むことは書かれるが、地域の特性を活かした経済成長への言及は具体性が薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。