ものづくり補助金平成25年度製造業愛媛県

高密度織物にも対応できる最新リージングマシン(畦取り機)による生産体制の強化

愛媛県繊維染色工業組合

成果畦取り1本あたりの所要時間 35分→20分

この事例のポイント

  • 今治タオル需要の増加で加工量が伸び、現有設備では高速織機の普及に伴う短納期要請に十分応えられず、新規案件を断らざるを得なかった。
  • 最新鋭のリージングマシン(畦取機)2台を導入し、古い機械があった場所に設置して作業動線は変更しなかった。
  • 畦取り1本あたりの所要時間 35分→20分。畦取りの正確さが増し、機械の不調による作業停止がなくなったことで、作業員の負担が軽減された。

事業者のプロフィール

事業者名愛媛県繊維染色工業組合
所在地愛媛県 今治市
業種繊維工業
技術分野製造環境
従業員数21人
資本金5,790万円
設立1965年

事業の背景

当組合は愛媛県下でタオル用原糸の染晒整理加工を行い、昭和43年からサイジング共同事業を行っている。今治タオルブランドの知名度向上により生産量が増え、高品質・短納期の実現が迫られていた。リージングマシンは昭和62年製と平成8年製で老朽化が著しく、取扱メーカーのメンテナンス終了により部品調達も困難になっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力今治タオル需要の増加で加工量が伸び、現有設備では高速織機の普及に伴う短納期要請に十分応えられず、新規案件を断らざるを得なかった。
  • 品質・精度高密度織物(ガーゼタオルなど)は畦取りに4時間以上かかり、正確な畦取りができないため受注を断っていた。
  • 人手・技能リージングマシンの調整に職人の勘が必要で作業の数値化・均一化が難しく、経験者の高齢化で技術継承も困難になっていた。
  • 新製品・新技術タオルメーカーから高密度織物や新素材への対応を求められていたが、現有設備では応えられなかった。
  • コスト・採算古い設備は部品調達が困難で、機械停止や手直しに多くの時間と労力を要していた。

やったこと

最新鋭のリージングマシン(畦取機)2台を導入し、古い機械があった場所に設置して作業動線は変更しなかった。新設備では歯車が糸を整列させるため正確な畦取りが可能になり、機械の不調による作業停止時間もなくなった。畦取りのスピードを細かく制御できるようになり、糸の素材に応じた作業が効率よくできるようになった。

加工機最新鋭のリージングマシン(畦取機)

新しい製品・サービス:機能性素材と綿を融合させた新しい織物、極細番手によるアパレル向け提案

事業の効果

  • 畦取り1本あたりの所要時間 35分→20分
  • 製造能力 100%→150%

畦取りの正確さが増し、機械の不調による作業停止がなくなったことで、作業員の負担が軽減された。1本あたりの畦取り時間が大幅に短縮され、納期の計画性も高まった。高密度織物の受注にも対応できるようになり、加工量の増加にも対応できている。新たな事業への時間の投資も可能になり、各タオルメーカーの増産にも寄与すると見られている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去からのサイジング事業拡大と高密度織物対応を目指すとあるが、経営戦略上の明確な位置付けは文章から読み取りにくい。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    今治タオルの知名度向上と高速織機普及による需要増、他社との差別化に言及しており、外部環境と強みに触れている。

  • 課題の認識と解決4

    従来機で1本35〜45分、高密度畦取りに4時間以上かかり受注を断っていた課題を認識し、新設備で対応すると示している。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    1本あたり35〜45分が約20分に短縮、毎回15〜25分削減、製造量50%以上増と数値で成果を示している。

  • 事業を進める体制2

    職人の高齢化や技術継承の課題は触れられているが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ガーゼ織物など高密度織物の需要増と、メーカーの高密度・新素材への要望に応えるという顧客ニーズの裏付けがある。

  • 事業化までの道筋3

    新素材の試作やメーカーとの連携開発を今後の活動として示しているが、スケジュールや遂行方法は詳しく書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    高密度ガーゼ織物への対応は他社との差別化とされるが、分野の普及度や高付加価値化の水準については具体的な記述がない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域の基幹産業である今治タオルの生産増に寄与すると見られる点がわずかにうかがえるが、波及効果の記述は限定的。

  • 費用対効果3

    作業時間短縮や製造量50%以上増など効果は数値で示されるが、補助金投入額との費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    畦取りの自動化で作業負担を軽減したと書かれるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は具体的に書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    今治タオルという地域ブランドを支える工程で、地域の繊維産業の増産に寄与するとあるが、雇用創出などは書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今治タオルの生産増に伴い各タオルメーカーが高速織機を導入しており、新設備による短納期化が増産に寄与すると見られている。今後は機能性素材と綿の融合による新しい織物開発や極細番手のアパレル向け提案を進め、他社との差別化で事業拡大を図る予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。