ものづくり補助金平成25年度製造業高知県

生産コスト削減による原材料(栗)の確保と増産体制の構築を図る為の設備投資

株式会社 無手無冠

成果生産能力(日産) 600本/日→800本/日

この事例のポイント

  • 主力商品「栗焼酎ダバダ火振」は出荷数が供給に追いつかず、新規取引をお断りする状態が続いている。
  • 原料費の高騰に対応し生産コストを削減するため、ビン詰めラインの洗ビン機、充填機、打栓機の3機種を導入し、一連の生産工程を自動化した。
  • 生産能力(日産) 600本/日→800本/日。新ラインの導入によりメンテナンス費や光熱費が削減された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 無手無冠
所在地高知県 高知県高岡郡四万十町
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野製造環境
従業員数18人
資本金5,000万円
設立1988年

事業の背景

明治26年の創業以来、高知県内を中心に清酒を製造販売し、昭和60年に栗焼酎の製造販売を始めた。主力商品の「栗焼酎ダバダ火振」は全国的に知名度が高まり、出荷数の制限や新規取引のお断りが続くほど需要が伸びている。一方で、近年の異常気象や栗農家の後継者不足により原料の栗の収穫量が減少し、規格外の原料をめぐる競合も激しくなっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力主力商品「栗焼酎ダバダ火振」は出荷数が供給に追いつかず、新規取引をお断りする状態が続いている。
  • コスト・採算原料の栗の収穫量が減少し、菓子メーカーや食品加工会社の参入で競合が激しくなり、原料の仕入値が年間数百万円ほど高騰している。商品柄、販売価格への転嫁は難しい。
  • コスト・採算ビン詰めラインは40年前に導入した設備で老朽化が進み、メンテナンスや修繕、人件費、作業中の破損などの不要なコストが生じている。
  • 品質・精度ビン詰めラインの老朽化により不良品が増えている。
  • 納期・工程ビン詰めラインの老朽化によりリードタイムが長期化している。

やったこと

原料費の高騰に対応し生産コストを削減するため、ビン詰めラインの洗ビン機、充填機、打栓機の3機種を導入し、一連の生産工程を自動化した。洗ビン機は洗ビン時間の短縮と省電力化を図り、最新技術により洗い残しをなくして商品の安全性を高めた。充填機は、これまで対応できなかった900mlや720mlの商品や多種多様な形状の瓶への充填を可能にし、ラインの人員削減とスピードアップを図った。打栓機も多様な瓶への打栓に対応し、ライン全体の自動化を進めた。

加工機洗ビン機
加工機充填機
加工機打栓機

新しい製品・サービス:吟醸酒や純米酒などの新商品(開発中)、およびヨーロッパ産の栗を原料とした栗焼酎(試作中)

事業の効果

  • 生産能力(日産) 600本/日→800本/日

新ラインの導入によりメンテナンス費や光熱費が削減された。故障や容器の破損などのトラブルがなくなり、これまで対応していなかったビン種も自動化できたことでリードタイムが短縮された。製造ラインの人員が削減でき、他部署への応援が可能になって職場環境の向上につながった。一方、原料となる栗の収穫量は減り続けており、十分な原料確保ができず増産には至っていない。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    創業以来の清酒・栗焼酎事業を背景に、主力商品ダバダ火振の原料確保と増産を経営上の課題と位置付けている点が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    栗焼酎の知名度や需要の高まりは書かれているが、競合他社との比較や自社の競争優位性を示す具体的な記述は薄い。

  • 課題の認識と解決5

    年間数百万円の仕入値高騰や日産約600本から約800本への能力向上など数字で課題と効果を示し、コスト削減による原料確保の計画が明確。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    日産約600本から約800本への生産能力向上が示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    社員18名の規模と、設備導入後の人員の他部署への応援配置は書かれているが、補助事業の遂行体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    栗50%使用や低温蒸留による独特の香り、900ml・720ml・1.8Lの商品展開など製品の価値と特徴が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋4

    ヨーロッパ産栗を原料とした商品化の試作開発や吟醸酒・純米酒の開発など中長期の取組と課題認識が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    栗焼酎は全国的な知名度があるとされるが、同分野での高付加価値化や高価格化の水準を示す記述は乏しい。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    酒造業界や高知県の発展への貢献に言及があるが、経済波及効果や雇用創出の数値などは示されていない。

  • 費用対効果4

    設備投資によりメンテナンス費や光熱費の削減、トラブル解消、リードタイム短縮が実績として示され、費用対効果がうかがえる。

  • イノベーションへの貢献2

    自動化による生産ラインの効率化は書かれているが、先端的デジタル技術やサプライチェーン全体のイノベーションへの言及は少ない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    高知県の栗など地域資源を活かした酒造で、地域の発展に貢献する意欲が示されているが、雇用創出の数値は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

原料の更なる確保に努めるとともに、付加価値の高い栗焼酎の開発を行っていく。ヨーロッパ産の栗を原料とした「栗焼酎ダバダ火振」が商品化できれば一定の量産化が見込まれ、これまで逃してきた機会ロスを解消できると考えている。為替の影響は大きい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。