ものづくり補助金平成25年度製造業高知県

増産体制を確立する為の課題解決策として、充填・打栓ラインを導入する。

有限会社西岡酒造店

成果タンク1本(1,300ℓ)の充填時間 2時間→1.3時間

この事例のポイント

  • 増産に対応するには、機械の老朽化と人材不足がボトルネックとなり、充填・打栓ラインの改善が必要だった。
  • 火入れ機と連結し、熱酒をそのまま自動で充填・打栓する設備一式を導入した。
  • タンク1本(1,300ℓ)の充填時間 2時間→1.3時間。充填から打栓までが自動化され、火入れ・充填・打栓の流れを止めずに1.5倍の速さで処理できるようになり、生産能力が上がっ…

事業者のプロフィール

事業者名有限会社西岡酒造店
所在地高知県 中土佐町
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野製造環境
従業員数5人
資本金560万円
設立1962年

事業の背景

創業は1781年で、高知の食に合う日本酒として地元の米・水・人にこだわった酒造りを続けてきた。全国新酒鑑評会での金賞受賞や四国清酒鑑評会での優等賞受賞など高い評価を得ている。ここ3年間の売上は増加傾向にあり、既存取引先からの増産要望や新規取引先からの引き合いがあるが、日本酒全体は減少傾向にある中で純米酒や吟醸酒などの特定銘柄は販売が伸びている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力増産に対応するには、機械の老朽化と人材不足がボトルネックとなり、充填・打栓ラインの改善が必要だった。
  • 人手・技能充填・打栓作業はパート従業員に依存しており、1人でも欠けると作業ができず、急な欠勤の場合は生産が止まっていた。
  • 生産能力充填できるのは1.8ℓビンのみで、720mlや300mlの小ビンは貯蔵していた1.8ℓビンから手作業で移し替えており、需要が増えても対応しきれなかった。
  • コスト・採算充填・打栓ラインの機械は41年前のもので老朽化により故障が多く、修繕費の支出が膨らんでいた。
  • 人手・技能ラインは5名で作業しており、一度機械を止めると再起動に時間がかかるため、ラインを稼働させると2~3時間は離れられない状態だった。

やったこと

火入れ機と連結し、熱酒をそのまま自動で充填・打栓する設備一式を導入した。フレキシブル充填機は180mlから1,800mlまで多種多様なビンに対応し、フレキシブル打栓機はPPキャップや王冠の打栓を行う。打栓機には専用のスロートと王冠供給機を組み合わせ、打栓後のビンは集ビンテーブルで一時待機させる。寒冷時には蒸気でビンを温めるシャワーコンベアを設置し、熱酒充填によるビンの割れを防いだ。

加工機フレキシブル充填機
加工機フレキシブル打栓機
金型スロート(PPキャップ用ヘッド)
金型デラックス王冠スロート
加工機王冠供給機
その他集ビンテーブル
その他シャワーコンベア

事業の効果

  • タンク1本(1,300ℓ)の充填時間 2時間→1.3時間
  • 充填・打栓ラインの作業人数 5名→3名

充填から打栓までが自動化され、火入れ・充填・打栓の流れを止めずに1.5倍の速さで処理できるようになり、生産能力が上がって増産に対応できるようになった。小ビンへの充填も直接可能になり、繁忙期でも小ビン出荷の要望に応えられる。パート人件費と機械の修繕費を削減でき、以前の機械に比べて使用電力が約15%減って光熱費も下がった。作業人数が減ったことで、パート職員に過度に依存せずにラインを稼働させられるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成24年の圧搾濾過装置導入など過去の取組と増産方針の連続性はうかがえるが、経営戦略上の位置づけは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    取引先からの増産要望や県外比率70%、特定銘柄酒の販売伸長に触れるが、競争優位性として整理された記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    充填1.5倍速・充填時間約2時間から1.3時間、人員2名削減など、課題と効果が数字で示され、増産と事業継続につながっている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    充填時間2時間→1.3時間、1.5倍の処理速度、電力約15%削減など高い目標値が具体的に示されている。

  • 事業を進める体制3

    正社員雇用の拡充やパート依存からの脱却、製造販売ノウハウの蓄積に触れるが、補助事業の遂行体制の詳細は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    製品は清酒10種・多様なビンサイズ対応と述べ、県外取引先の増産要望に触れるが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の方針として地産外商や社員雇用が述べられるが、スケジュールや課題解決の方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    純米酒や吟醸酒の販売伸長に触れるが、一般的な普及度や高付加価値化の水準を示す記述は限られる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    地域の米・水・人にこだわる酒造りや中土佐町での雇用・米生産への取組が示されるが、国が補助する積極的理由は明示されていない。

  • 費用対効果4

    投資に対し人員2名削減、修繕費・パート人件費・電力コストの削減など費用対効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    高知の米・水・人を活かした酒造りと地産外商、農家・酒蔵・酒屋の連携による地域の持続性への言及がある。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

県外向けの出荷が7割を占める中、増産体制が整ったことで県外からの要望に応えていく。今後は地産外商にさらに力を入れる。パート従業員の高齢化と人口減少による確保の困難さに対応するため、製造販売に従事する社員を正社員として雇用し、ノウハウの蓄積を図る。また、自社での米生産にも着手し、農家・酒蔵・酒屋がすべて持続可能な仕組みづくりを目指す。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。