ものづくり補助金平成25年度製造業高知県

地域素材を活用したグルメ食品(缶詰)の製造体制を構築する設備投資

株式会社黒潮町缶詰製作所

成果製造量が倍増した。

この事例のポイント

  • ゼロからの立ち上げだったため補助事業導入前の生産ラインは研究所の機能しかなく、製造量を増やす設備が不足していた。
  • 半自動シーマーを導入し、缶蓋の真空化と巻き締めを行う機器として2台目を導入して製造量の大幅増に対応した。
  • 製造量が倍増した。設備導入により、自動化と設備増強で非効率な工程が機械化され、コンパクトで効率的な生産ラインが実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社黒潮町缶詰製作所
所在地高知県 黒潮町
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数16人
資本金3,000万円
設立2014年

事業の背景

黒潮町は2012年に南海トラフ巨大地震の想定で34.4メートルという日本一の津波が来ると示され、住民の「避難放棄」と「震災前過疎」が懸念された。その対策として町が第三セクターとして当社を設立し、防災関連食料品の産業化として缶詰に着目した。町内外の食材を使い、食物アレルギーに配慮したグルメ度の高い缶詰を開発したが、生産は研究所レベルで量産体制がなかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ゼロからの立ち上げだったため補助事業導入前の生産ラインは研究所の機能しかなく、製造量を増やす設備が不足していた。
  • 人手・技能缶の真空化や巻き締めに時間がかかり、計量やラベル貼りを手作業で行うなど非効率な部分が多かった。
  • 品質・精度製品の内容量を検査する体制が整っておらず、品質管理を徹底する必要があった。

やったこと

半自動シーマーを導入し、缶蓋の真空化と巻き締めを行う機器として2台目を導入して製造量の大幅増に対応した。大型ミキサーで大量の食材を効率的に切る・混ぜる・練る作業を行えるようにした。小型充填機で注液と秤量の時間を大幅に圧縮し、液だれ防止機能でロスを軽減した。ウェイトチェッカーで検品時に製品の内容量を計測し、許容値外の製品を除去して品質管理を徹底した。半自動ラベラーを側面用と上面用に導入してラベル貼りを機械化し、ロス率を軽減した。プレハブ冷凍庫で原材料の入荷量を増強し、インキュベーターで製品を一定温度で管理して品質や風味の変異を検査できるようにした。

加工機半自動シーマー
加工機大型ミキサー
加工機小型充填機
検査測定ウェイトチェッカー
加工機半自動ラベラー(側面)
加工機半自動ラベラー(上面)
検査測定インキュベーター
その他プレハブ冷凍庫

新しい製品・サービス:おかずやおつまみにもなる「グルメ缶詰」など、日常的なメニューラインナップになり得る新商品の開発を計画している。

事業の効果

  • 製造量が倍増した。
  • 従業員数 5名→16名

設備導入により、自動化と設備増強で非効率な工程が機械化され、コンパクトで効率的な生産ラインが実現した。製造量が倍増し、継続的な販売の見込みが立ち、大口の取引先にも製品を積極的にアピールできるようになった。OEMが伸び、現在は全体売上の約3割を占める。作業員のストレスが軽減され、調理や肉詰めに集中できるようになり、見た目の美味しさも向上した。雇用も増えた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成25年の事業開始から防災食品の缶詰製造を続けてきた経緯が書かれ、設備投資は一貫性のある取組と読める。経営戦略上の位置付けは明示的ではない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    南海トラフの津波想定や「ローリングストック法」への適合、7大アレルゲン不使用など顧客ニーズと独自性が具体的に書かれ、競争優位性がうかがえる。

  • 課題の認識と解決4

    手作業の計量やラベル貼り、真空化・巻き締めの時間が課題として挙げられ、設備導入で製造量が倍増したと具体的に解決策を示している。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    製造量が倍増し従業員が社員5名前後から15人前後になったと書かれるが、付加価値額や賃上げの数値目標は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員は16名で増員を図り、パート含め15人前後を推移と書かれるが、補助事業を遂行する事務処理体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    防災・アレルギー対応のグルメ缶、OEMが売上の約3割を占める実績など、顧客と選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    今後の新商品開発や販路開拓の方向性、外国人観光客向け訴求など計画は書かれるが、スケジュールや課題解決方法は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    災害食の缶詰で一般的な普及度が低い分野に、OEMや高付加価値のグルメ缶を展開している点が事例から読み取れる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用4

    南海トラフ地震想定の津波による「避難放棄」「震災前過疎」を防ぐため雇用を確保する第三セクター設立の経緯があり、国が支援する理由が具体的に読める。

  • 費用対効果3

    製造量の倍増や雇用増加は書かれるが、補助金投入額に対する付加価値額の増加など費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    ローリングストック法や新しい販路の開拓は書かれるが、デジタル技術の活用や地域サプライチェーンへの貢献の記述はわずかである。

政策面70%
  • 成長分野への進出2

    防災関連産業という新しい分野への進出は読み取れるが、日本経済の構造転換への言及はわずかにうかがえる程度である。

  • 地域経済への波及5

    黒潮町の地域食材を使い、社員5名前後から15人前後へ雇用を増やしたと数字で示され、地域の雇用創出が具体的に読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は新商品開発を進め、ローリングストック法に適した商品を目指す。7大アレルゲン対応を推進し、アレルギー対策品として認知度を上げる。オリンピックや万博、インバウンドを見据え、外国人観光客向けのお土産品として訴求する計画である。

事業者の声

地産外商を常に意識しながら、町産や県産の食材をふんだんに取り入れた缶詰製造を私たちの町の産業にしていきたい。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。