ものづくり補助金平成25年度製造業福岡県

健康食品用ブタ由来高機能性プラセンタエキス粉末の試作開発

佳秀工業株式会社

この事例のポイント

  • 健康食品と化粧品にそれぞれ必要な基準を満たす機能性と安全性を持つ、コストパフォーマンスの良い独自の抽出・粉末化手法を確立する必要があった。
  • 当初は医薬品レベルの高機能なプラセンタエキスを目指していたが、健康食品と化粧品に合わせた低温加熱による抽出法を採用した。
  • 真空凍結乾燥機の導入により、熱の影響を抑えてプラセンタの活性を保持した粉末化が可能になり、回収率も大きく向上した。

事業者のプロフィール

事業者名佳秀工業株式会社
所在地福岡県 北九州市若松区
業種金属製品製造業
技術分野バイオ,複合・新機能材料
従業員数130人
資本金5,000万円
設立1969年

事業の背景

昭和44年の創業以来、鉄鋼二次製品や鋳物製品の販売から始め、現在は小型の板金部品から大型の架台・製罐部品まで少量多品種で製造している。平成25年に新規事業としてヘルスケア事業を立ち上げ、バイオ関連装置づくりで培った技術がそのきっかけとなった。プラセンタ市場は認知度の向上により拡大しており、供給不足の状態が続いているとされる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度健康食品と化粧品にそれぞれ必要な基準を満たす機能性と安全性を持つ、コストパフォーマンスの良い独自の抽出・粉末化手法を確立する必要があった。
  • 品質・精度粉末化にスプレードライ製法を使うと、粉末化の過程で素材に予想以上の熱負荷がかかり、回収率も低かった。
  • 品質・精度プラセンタは動物由来のため、感染性に対する安全対策が必要だった。

やったこと

当初は医薬品レベルの高機能なプラセンタエキスを目指していたが、健康食品と化粧品に合わせた低温加熱による抽出法を採用した。粉末化には熱の影響を与えず活性を保持でき、回収率も非常に高かった真空凍結乾燥機(フリーズドライ)を導入した。安全対策として、膜分離法による除菌・除ウイルスと低温加熱による殺菌・ウイルス不活性化を実施した。成分測定や細胞培養などの機能性試験方法を確立し、プラセンタサンプルを評価した。評価では、チロシナーゼ阻害活性、真皮繊維芽細胞と表皮角化細胞での細胞増殖促進、表皮角化細胞でのヒアルロン酸産生促進とコラーゲン量増加、正常ヒト組織細胞でのメラニン生合成促進作用が確認された。

その他真空凍結乾燥機(フリーズドライ)

新しい製品・サービス:プラセンタ粉末原料「KXシリーズ」(佳秀バイオケムブランド)と、サロン向けの化粧品ブランド「Genpress」。女性向けヘアケア商品(シャンプー、リンス、頭皮用美容液)の開発も行っている。

事業の効果

真空凍結乾燥機の導入により、熱の影響を抑えてプラセンタの活性を保持した粉末化が可能になり、回収率も大きく向上した。膜分離法と低温加熱による除菌・殺菌により、安全性も実証された。細胞試験で複数の機能性が確認され、プラセンタが多様な細胞で細胞賦活作用を持つ可能性も示された。商品化の目処が立ち、原料の販売と化粧品ブランドの展開を始めている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の板金・製罐加工から2013年にヘルスケア事業を立ち上げ、加工技術を活かした経緯が書かれているが、戦略上の位置付けの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    市場や競争環境への言及はなく、プラセンタ市場の供給不足が追い風と述べる程度で、自社の競争優位の根拠は示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    当初の医薬品レベル追求による課題や、真空凍結乾燥機導入で熱影響を抑え回収率を高めた解決過程が書かれ、商品化につなげている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    研究開発を担うヘルスケア事業部の体制や、自社で養豚農家とのパイプを確保している点は書かれているが、補助事業遂行体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    チロシナーゼ阻害活性やヒアルロン酸産生促進などの機能性データと、化粧品・健康食品・原料販売の用途が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    海外販路や代理店網構築、良質な胎盤調達の課題が書かれているが、スケジュールや具体的な解決方法は限定的。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    プラセンタの認知度向上と供給不足を述べ、医薬品レベルから独自抽出法で高機能の原料粉末を作る高付加価値化の方向性が示されている。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    健康食品・化粧品分野の商品化が中心で、経済波及や雇用創出など国が補助する積極的理由は読み取れない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    膜分離や低温加熱による除菌・ウイルス不活性化など技術面の工夫はあるが、地域やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    北九州市の企業である点は示されるが、地域の特性を活かして雇用や地域経済を牽引する記述はわずかにうかがえる程度。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

健康食品のOEMメーカーや通信販売会社へのプラセンタ粉末原料の供給、海外向けジャパンブランドとしての販路開拓を進める。販売パートナーや代理店網の構築により普及を目指す。今後の課題は良質な胎盤の安定調達であり、自社で養豚農家との結びつきを作り調達ルートを確保している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。