ものづくり補助金平成25年度製造業福岡県

風力発電用増速機 ショットブラスト表面改質工程の強化

株式会社石橋製作所

成果ショット玉噴出孔数 2個→5個

この事例のポイント

  • 風力発電用増速機は強度・耐久性・清浄度など品質の向上が求められていた。
  • ショットブラスト加工機を最新機種に更新した。
  • ショット玉噴出孔数 2個→5個。ショット玉噴出孔の増加により加工時間が短縮され、コストダウンにつながった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社石橋製作所
所在地福岡県 直方市
業種はん用機械器具製造業
技術分野材料製造プロセス,表面処理
従業員数125人
資本金1億円
設立1932年

事業の背景

同社は1958年から歯車減速機の製作に取り組み、増速機は主要製品である。国産大型商業用風力発電の増速機の大半を製造する国内トップメーカーである。風力発電は今後の発展が期待される一方、欧米企業との競争が厳しく、絶え間ない技術改良が必要とされている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度風力発電用増速機は強度・耐久性・清浄度など品質の向上が求められていた。
  • コスト・採算国際競争力を高めるためにコストダウンが必要だった。
  • 生産能力増速機の大型化に対応できず、大型の加工物は外注に頼っていた。
  • 人手・技能従来のテーブル型では反転作業が必要で、作業時間と作業者の安全性に課題があった。

やったこと

ショットブラスト加工機を最新機種に更新した。ショット玉を噴出する孔(ローター)を従来の2個から5個に増やし、噴出量を増やして加工時間を短縮できるようにした。加工方式を従来のテーブル型からモノレール(吊り下げ)型に変更し、反転作業を不要にして全面を一度にブラストできるようにした。ブラストの対象寸法は1500mmから2500mmへと大型化した。

加工機ショットブラスト加工機(最新機種)

事業の効果

  • ショット玉噴出孔数 2個→5個
  • ブラスト可能寸法 1,500mm→2,500mm
  • 外注費と運搬費などで年間243万円余の削減

ショット玉噴出孔の増加により加工時間が短縮され、コストダウンにつながった。モノレール型の採用で反転作業が不要になり、作業時間が大幅に短縮され、作業者の安全性と職場環境も改善された。大型加工物を社内で扱えるようになり、外注加工費が年間243万円余削減された。加工物の強度と耐久性も向上し、品質が上がった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    1958年から歯車減速機を製作し半世紀以上の実績があり、風力発電増速機の主要製品と位置付けられている。ただし設備投資と事業の連続性を結ぶ経営戦略の記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内の大型商業用風力発電増速機の大半を製造するトップメーカーで、海外企業との競争に勝つため新機種導入でコスト・品質を改善すると書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    外注加工費の年間243万円余の削減、大型化への対応(1500mmから2500mm)、加工時間短縮など、課題に対応する具体的な効果が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    増速機の売上は今後年10%程度の成長を見込むと書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員125人、資本金1億円の記載はあるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力についての記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    風力発電の大型化やメンテナンス負担という顧客ニーズに対し、高強度化・高清浄度化による品質向上を提供する点が具体的に述べられている。

  • 事業化までの道筋3

    治具の製作や詳細な条件設定を研究していく必要があると今後の課題に書かれているが、スケジュールや解決方法までは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ショットブラストは歯車製品の加工工程で、一般的な普及度が高い分野と思われる。風力増速機の高品位化で高水準を狙う点はうかがえる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    風力発電は再生可能エネルギーの一翼として国の施策で増やす考えがあると述べられ、国が支援する意義は一定程度うかがえる。

  • 費用対効果4

    外注費と運搬費の削減で年間243万円余の効果、加工時間短縮、ショット玉噴出孔の2個から5個への増加など、費用対効果を示す数字がある。

  • イノベーションへの貢献2

    最新のショットブラスト機の導入による品質向上は読み取れるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は記述が乏しい。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    風力発電の拡大への期待は書かれているが、日本経済の構造転換に資するという明示的な記述は薄い。

  • 地域経済への波及2

    地域の経済成長や雇用創出についての記述はなく、福岡県直方市所在という立地がわずかにうかがえる程度。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

風力発電は国の施策として増やす考えがあり、増速機の売上は今後年10%程度の成長を見込んでいる。

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。