ものづくり補助金平成25年度建設業福岡県

独居老人向け通話機能付ペンダント型緊急通報システムの開発

株式会社キューオキ

この事例のポイント

  • 施設向けの「Qコール電話機」を個人宅向けに改良する必要があったが、監視通報の内容が1系統しかなく、自宅で起こる火災・ガス漏れ・侵入や生活リズムの異常に対応できなかった。
  • 高齢者個人宅向けのシステムやサービスの課題を検証したうえで、「Qコール電話機」を個人向けに改良した。
  • ボックス型の親機とペンダント子機により、高齢者が簡単な操作で緊急通報でき、24時間の緊急通報や相談対応が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社キューオキ
所在地福岡県 福岡市南区
業種設備工事業
技術分野情報処理
従業員数56人
資本金2,000万円
設立1971年

事業の背景

日本社会は急速に高齢化し、65歳以上の高齢者の比率は平成26年で約26%だが、平成72年には約40%と予測されている。こうした背景から、同社は高齢者向けの緊急通報装置やコードレス徘徊センサーマットなどIT技術を活かした「高齢者見守り」製品を開発・販売してきた。特に高齢者施設で実績のある「Qコール電話機」は、国内で初めて通話機能付ペンダント型緊急通報装置と電話型親機を組み合わせた緊急通報システムとして開発・導入された。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術施設向けの「Qコール電話機」を個人宅向けに改良する必要があったが、監視通報の内容が1系統しかなく、自宅で起こる火災・ガス漏れ・侵入や生活リズムの異常に対応できなかった。
  • コスト・採算個人で購入するには価格が高く、個人向け需要に応えるには低コスト化が必要だった。
  • 新製品・新技術電話機の形状のため高齢者には操作が難しいという課題があった。

やったこと

高齢者個人宅向けのシステムやサービスの課題を検証したうえで、「Qコール電話機」を個人向けに改良した。操作性については、電話機タイプより操作が容易なボックスタイプの親機を新たに開発し、居室や自宅のセンサー装置との接続機能も開発した。ペンダント子機は現在使用している電話回線に接続する形態とし、電話回線装備のある住宅であれば工事なしで設置でき、現在の電話をそのまま利用することもできるようにした。監視通報内容には火災・ガス漏れ・侵入・生活リズムセンサーなどの緊急事態に備えた系統を追加した。コストについては低コストの材料を選定し、組み立てのかからない構造とし、従来の子機と互換性を持たせることで低価格化を図った。

新しい製品・サービス:個人宅向けの「Qコール電話機」(ボックス型親機とペンダント子機)

事業の効果

ボックス型の親機とペンダント子機により、高齢者が簡単な操作で緊急通報でき、24時間の緊急通報や相談対応が可能になった。電話回線に接続するだけで設置でき、新たなナースコール回線の敷設も不要になった。個人宅だけでなく介護施設や病院でも使える製品となり、ナースコール機能としても活用できる。低コストの構造により、個人が購入しやすい価格を目指した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の高齢者施設向けQコール電話機を個人向けに改良する方針が書かれ、過去製品からの展開として一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    高齢者世帯の増加や個人購入の価格の高さ、電話機操作の難しさが課題として挙げられ、外部環境の認識は読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    火災・ガス漏れ・侵入などのセンサ系統追加や低コスト構造の採用が書かれ、課題への対応は具体的だが数値は薄い。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    全国の特約店ネットワークや保守対応の強みがわずかにうかがえるが、人材や事務処理体制の記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    24時間の緊急通報や徘徊検知、電話回線を使う導入容易性など、製品の価値と利用場面が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    展示会出展やメディア露出、中継器による利用範囲拡大の計画が書かれ、遂行方法は読み取れるが期限や数値は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    高齢者向け緊急通報装置は普及途上との位置づけが読み取れ、電話型親機の操作性改善も書かれているが、普及度の数値はない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    高齢化の進展と在宅介護・独居高齢者の見守り需要の増加が社会的背景として書かれ、公的意義は読み取れる。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    IT技術を活かした見守り製品と、ナースコールや徘徊センサーとの連携が書かれ、デジタル活用の方向性は読み取れる。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    高齢化への対応として見守り需要に応える点はうかがえるが、産業構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

展示会への出展やメディアへの露出により製品の認知度を上げていく。沖電気工業株式会社の特約店として全国の特約店ネットワークを活かし、協力会社と連携して販路拡大を目指す。電波を受信する中継器を付けることで利用範囲を広げる計画である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。