ものづくり補助金平成28年度建設業山口県

i-Constructionを実現するドローン等を使った赤外線探査システムの実用化

国益建設株式会社

成果コスト 100%→30%

この事例のポイント

  • コンクリート構造物の老朽化状況を緻密かつ確実に診断する手法が必要だった。
  • 光波測量器と赤外線の非接触検査装置を組み合わせ、コンクリート構造物の異常を発見する構造物安全性診断を実用化した。
  • コスト 100%→30%。非接触検査により、業界で初めて打診検査によらない科学的な診断が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名国益建設株式会社
所在地山口県 下松市
業種総合工事業
技術分野情報処理
従業員数20人
資本金5,000万円
設立1955年

事業の背景

当社は昭和33年創業、昭和55年に法人化した下松市の公共工事を主体とする老舗建設会社である。平成20年の建築基準法改正で特殊建築物定期調査時に外壁全面診断が義務化され、県内では毎年約9万棟のビルの外壁点検が必要となった。国土交通省が推進するi-Constructionの流れもあり、当社は情報化施工研究チームを立ち上げて対応を模索してきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術コンクリート構造物の老朽化状況を緻密かつ確実に診断する手法が必要だった。
  • 新製品・新技術打診検査に頼らず、非接触で科学的に診断する技術が業界になかった。
  • コスト・採算高所の診断では足場を組んで作業員が作業する必要があり、コストと納期がかかっていた。

やったこと

光波測量器と赤外線の非接触検査装置を組み合わせ、コンクリート構造物の異常を発見する構造物安全性診断を実用化した。赤外線カメラを搭載したドローンと、ひび割れ計測システムKUMONOS(クモノス)を導入した。KUMONOSはクラックスケールを内蔵した光波測量器である。赤外線画像解析システム(THRMO DELTA)で測定した温度データを自動分析し、外壁診断用に図面化と画像化ができるようにした。

ロボット赤外線サーモグラフィカメラを搭載したドローン(ドローンサーマル調査キット)
検査測定ひび割れ計測システム KUMONOS(クモノス)
ソフト赤外線画像解析システム(THRMO DELTA)

新しい製品・サービス:光波測量器と赤外線の非接触検査装置を使ったコンクリート構造物の構造物安全性診断

事業の効果

  • コスト 100%→30%
  • 納期 100%→25%

非接触検査により、業界で初めて打診検査によらない科学的な診断が可能になった。足場と作業員が不要になったことで、コストは従来の30%、納期は25%になった。老朽化インフラの安全性向上に貢献する体制が整った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の公共工事主体の事業と情報化施工研究チームの取組みに触れており、一貫性はうかがえるが戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    建築基準法改正による外壁全面診断義務化で県内約9万棟の需要があると書かれ、外部環境は読み取れる。自社の強み・競争優位との関係は具体的でない。

  • 課題の認識と解決4

    打診検査から非接触検査への転換で足場が不要になり、コスト30%・納期25%にできたと課題解決の効果が具体的に書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    コストを従来の30%、納期を25%にするという数字はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    認証取得や情報化施工研究チームは書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的な記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    打診検査ではなく非接触の科学的診断が業界で初めて可能になったとあり、対象施設や需要も示され、選ばれる理由がうかがえる。

  • 事業化までの道筋3

    今後の展望で民間・公共の施設をターゲットにPRし受注を目指すとあるが、スケジュールや課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    赤外線とひび割れ計測を組み合わせた非接触のコンクリート構造物診断を業界で初めて可能にしたと書かれており、高付加価値性がうかがえる。

公的補助の必要性87%
  • 波及効果・雇用4

    老朽化インフラの安全性向上や公営住宅・橋梁・トンネルの点検需要への貢献が書かれ、公共性の理由は具体的に読み取れる。

  • 費用対効果4

    投入した補助金に対して、コストを従来の30%、納期を25%にでき、足場作業が不要になったと費用対効果の数字が示されている。

  • イノベーションへの貢献5

    赤外線カメラ搭載ドローンとひび割れ計測システムを組み合わせ、非接触の科学的診断を業界で初めて実現したと書かれ、デジタル技術活用が具体的。

政策面60%
  • 成長分野への進出3

    ドローンや3次元測量を使ったi-Constructionの生産性向上の取組に触れており、建設分野の変革への関わりはうかがえるが、構造転換との関係は明示されていない。

  • 地域経済への波及3

    下松市の老舗建設会社で県内の外壁点検需要に対応すると書かれ、地域性はうかがえるが、地域経済の成長への効果は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

建築基準法改正による外壁全面診断の義務化を踏まえ、構造物安全性診断の実績をPRして診断業務の受注を目指す。民間需要はマンションや病院、工場施設等、公共需要は市営・県営住宅、病院、行政施設、橋梁、トンネル等をターゲットとする。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。