ものづくり補助金平成25年度製造業福岡県

手で簡単に開封可能な重量物の包装を想定したポリ袋の拡販

平川産業株式会社

この事例のポイント

  • ポリエチレン袋は伸びと強度があり、切れ目を入れても途中で開封できず、開けやすい袋として商品化できなかった。
  • フィルムメーカーが開発した、中間層に縦横90度に引き裂きやすい樹脂を挟み込んだ多層フィルムを使い、刃物がなくても簡単に開封できる袋「ハンディーカット袋」の試作袋を完成させた。
  • ハンディーカット袋は幅広い業界に受け入れられつつあり、紙袋を使っていた業界にもポリエチレン製の袋として提案して商品化に至った業界がある。

事業者のプロフィール

事業者名平川産業株式会社
所在地福岡県 北九州市
業種プラスチック製品製造業
技術分野複合・新機能材料
従業員数70人
資本金3,500万円
設立1946年

事業の背景

昭和21年創業の大型包装容器メーカーで、大型クラフト紙袋・樹脂クロス袋・重軽包装ポリエチレン袋・フレキシブルコンテナの4製品を主力に、農業、化学、電気関係のメーカーや商社、肥料メーカーに販売している。同社の肥料用などの重包装用ポリエチレン袋は、開けにくさから商品化に至らなかった。主な取引先の肥料メーカーにサンプルを持ち込んだが、コスト面で折り合いがつかなかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術ポリエチレン袋は伸びと強度があり、切れ目を入れても途中で開封できず、開けやすい袋として商品化できなかった。
  • 生産能力ノッチ加工と熱圧着のコーナーシール加工を手作業で行っており、3名体制でも1日1,000袋の生産量が限度だった。
  • コスト・採算開封性を高めた試作品は従来品より袋の製作コストが1.5~1.6倍かかり、市場に受け入れられるか見極めが必要だった。

やったこと

フィルムメーカーが開発した、中間層に縦横90度に引き裂きやすい樹脂を挟み込んだ多層フィルムを使い、刃物がなくても簡単に開封できる袋「ハンディーカット袋」の試作袋を完成させた。ノッチ加工と熱圧着のコーナーシール加工を行う機械を導入して量産化体制を整えた。導入設備はフィルムの巻出し部、コーナーシールと切れ込み加工を行う中間装置、巻取り部の3部で構成した。原反を載せるだけで機械が自動で袋を作るオリジナルの製造ラインをメーカーと協議して構築し、工程を無人化した。

加工機コーナーシール加工機械(ノッチ加工・熱圧着)
加工機フィルム巻出し部・中間加工装置・巻取り部からなる製造ライン

新しい製品・サービス:ハンディーカットポリパック(ハンディーカット袋)

事業の効果

ハンディーカット袋は幅広い業界に受け入れられつつあり、紙袋を使っていた業界にもポリエチレン製の袋として提案して商品化に至った業界がある。水分を通さないため保存期間が長くなり、少ロットでしか作れなかった製品を大量ロットで製造できるようになってコスト削減にもつながった。工程の無人化により生産性が上がり、人件費を削減して競争力を強められたと考えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の袋製造の取組からフィルム素材の開発へ進んだ経緯は書かれているが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    開封性の高い独自素材で既存の紙袋市場へ提案し、価格面で問題なく軽くなるとの評価を得たと具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    手作業で1日1,000袋が限度だった課題に対し、コーナーシール機の導入と無人化で生産性と競争力を高めたと書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値や賃上げの具体的な目標値は書かれておらず、人件費削減やコスト削減の記述にとどまる。

  • 事業を進める体制2

    メーカーとの協議を重ねて製造ラインを構築したとあるが、人材や事務処理体制についての記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    開封性と水分を通さない保存性が価値として示され、業界ごとに商品化した具体的な顧客像と評価が書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    今後はペットフードなど新分野への拡大を図るとあるが、スケジュールや課題解決の方法は明確ではない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    縦横90度に切れやすい多層フィルムを用いた袋は、従来品と比べ開封性が大きく異なる新機能素材として説明されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    業界への波及や雇用創出について直接の記述はなく、国が補助する積極的理由はうかがえる程度にとどまる。

  • 費用対効果3

    製作コストが従来品の1.5~1.6倍とあり、保存期間延長とロット拡大によるコスト削減の効果が一部示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    ポリエチレン多層フィルムの新素材は示されるが、デジタル技術や地域サプライチェーンへの貢献は明確ではない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    新分野への展開は述べられているが、日本経済の構造転換に資する点までは読み取れない。

  • 地域経済への波及2

    北九州の企業であることは示されるが、地域の特性を活かした付加価値や雇用創出の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ペットフードなど新しい分野にも積極的に取り組み、事業領域の拡大を図りたいと考えている。

  • 目標:手作業では3名体制で1日1,000袋が限度だったが、量産化により生産能力が向上したとされる。
  • 目標:従来品に比べ製作コストが1.5~1.6倍かかる試作品だった。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。