ものづくり補助金平成25年度製造業福岡県

高品質特定名称酒の携帯端末醪温度管理システムによる製造能力強化モデルの確立

山の壽酒造株式会社

成果2018年の第7回福岡県酒類鑑評会では純米吟醸酒・純米酒の部で福岡県知事賞と金賞を受賞した。

この事例のポイント

  • 麹や醪の温度管理は手間がかかり、測るために手洗いや着替えが必要で、杜氏に任せきりになっていた。
  • 麹や醪の温度を携帯端末で管理するシステムを導入し、醪温度管理をシステム化した。
  • 2018年の第7回福岡県酒類鑑評会では純米吟醸酒・純米酒の部で福岡県知事賞と金賞を受賞した。温度確認の手間が減り、携帯端末で休憩時間でも温度を確認できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名山の壽酒造株式会社
所在地福岡県 久留米市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野情報処理,製造環境
従業員数3人
資本金1,000万円
設立1818年

事業の背景

創業は文政元年(1818年)で、受け継いできた技術を守りつつ若い感性を生かした酒造りに取り組んでいる。伝統的な杜氏制による酒造りから新しい形の酒造りを目指す時期にあった。温度管理は品質を大きく左右する要素である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力麹や醪の温度管理は手間がかかり、測るために手洗いや着替えが必要で、杜氏に任せきりになっていた。
  • 人手・技能温度管理が作業者の負担として大きく、従業員の時間や情報共有が進みにくかった。
  • 品質・精度酒質を左右する温度管理の精度が求められるが、0.5℃の差を人の手で管理するには限界があった。

やったこと

麹や醪の温度を携帯端末で管理するシステムを導入し、醪温度管理をシステム化した。タンクもコンパクトに小型化し、水や氷を使った温度調整がしやすいようにした。遠隔操作も導入し、離れた場所でも複数のタンクごとの温度をリアルタイムで確認、記録、グラフ化できるようにした。設備業者と連携し、酒造工程を知る施工業者のもと、コストを抑えながら自社に合ったシステムを構築した。

ソフト醪温度管理システム(携帯端末による温度確認・記録・遠隔操作)
加工機小型化した醪タンク

新しい製品・サービス:高品質特定名称酒

事業の効果

  • 2018年の第7回福岡県酒類鑑評会では純米吟醸酒・純米酒の部で福岡県知事賞と金賞を受賞した。

温度確認の手間が減り、携帯端末で休憩時間でも温度を確認できるようになった。複数人での情報共有が進み、従業員の一体感が高まった。温度や天候の予想に合わせた対応を話し合うようになった。品質が維持・向上し、全体の売り上げが盛り返した。2018年の第7回福岡県酒類鑑評会では福岡県知事賞と金賞を受賞した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の温度管理の課題と杜氏制からの転換を背景に挙げ、システム化を事業の一環と位置づけているが、中長期の戦略記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    若い感性を活かした酒造りや固定ファンへの言及はあるが、市場動向や競争優位を示す数値・記述は読み取れない。

  • 課題の認識と解決4

    杜氏退職後の酒質変化や温度管理の負担という課題を示し、携帯端末による温度管理システム化で解決を図ったと具体的に読み取れる。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    売り上げが盛り返したとあるが、付加価値額や賃上げの目標値、具体的な数値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員3人の規模と設備業者との連携は読み取れるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    温度管理の精度0.5℃の差や、タンク小型化による遠隔操作など、製品価値と選ばれる理由が具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    設備業者とのコミュニケーションや規模に合わせた構築は書かれているが、スケジュールや中長期の検証方法は読み取れない。

  • 財務と資金の調達2

    自己資金や融資でもシステムを作れたとあるが、資金調達の計画や金融機関との関係は具体的に読み取れない。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    酒造業での携帯端末による醪温度管理という点は独自性がうかがえるが、高価格化や普及度を示す記述は乏しい。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域の酒造業や雇用に触れる記述はあるが、国が補助する積極的な波及効果は具体的に読み取れない。

  • 費用対効果2

    コストを抑えながら構築したとあるが、補助金投入額に対する付加価値増加などの費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    携帯端末による温度確認やグラフ化・予測活用などデジタル技術の利用は読み取れるが、地域やサプライチェーンへの貢献は薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    久留米市の酒造業であることはうかがえるが、地域の特性を活かした雇用創出や成長牽引の記述は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

事業者の声

システム導入でスマートフォンなど携帯端末で温度確認ができるようになりました。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。