ものづくり補助金平成25年度製造業佐賀県

測色色差計の導入による品質管理の高効率化・品質向上の生産体制の構築

三栄興産株式会社

成果焙煎色度異常によるクレームがゼロになった。

この事例のポイント

  • 目視による焙煎色度の比較では室内の照度や職人の感性により若干の誤差が発生していた。
  • 焙煎した商品の色度を測色色差計で測定し、L値を用いた色度基準値を策定した。
  • 焙煎色度異常によるクレームがゼロになった。測色色差計の導入により、焙煎時の外気温や原材料品種の違いによる色度と焙煎温度の関係について蓄積データを得られ、効率よく…

事業者のプロフィール

事業者名三栄興産株式会社
所在地佐賀県 唐津市
業種その他の製造業
技術分野測定計測
従業員数22人
資本金2,000万円
設立1965年

事業の背景

弊社は昭和40年の創業以来、各地の茶問屋に麦茶の製造卸を行ってきた。創業当時は丸粒麦茶を半製品で納品する原料メーカーとしての性格が強かったが、消費者ニーズの変化によりティーバッグ商品が主流になり、最終商品を製造するメーカーへと変化してきた。消費者からの質問では、抽出した水溶液の色の濃淡に関することが最も多かった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度目視による焙煎色度の比較では室内の照度や職人の感性により若干の誤差が発生していた。
  • 人手・技能基準が弊社独自の数値のため、得意先を含む外部に品質管理方法を伝えにくかった。
  • 新製品・新技術同業他社や食品メーカーが同様の計測器を導入し、数値で品質管理を行い始めていた。
  • 生産能力基準サンプルと抽出検体の作成に時間がかかっていた。

やったこと

焙煎した商品の色度を測色色差計で測定し、L値を用いた色度基準値を策定した。測色色差計を導入することで、焙煎した物質を直接計測し数値データで管理できるようになった。色度を測定して焙煎濃度をコントロールしながら焙煎し、後の包装工程で半製品を切り込む際にも焙煎色度を再確認する。色度基準値の策定後も、原料や室温等の違いによる仕上がり差を考慮して基準値の見直しを行い、製品の安定化を図る。

検査測定測色色差計

事業の効果

  • 焙煎色度異常によるクレームがゼロになった。

測色色差計の導入により、焙煎時の外気温や原材料品種の違いによる色度と焙煎温度の関係について蓄積データを得られ、効率よく正確な焙煎作業が可能になった。品質管理の報告をL値を用いた具体的な数値で行えるようになり、色度異常の問い合わせにも素早く対応できる体制が整った。焙煎色度異常によるクレームはゼロになった。今後は食品スーパーへの定番納品による受注増も見込んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来は目視で基準サンプルと比較していたとあり、品質管理の課題認識はあるが、経営戦略上の位置づけは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    同業他社が数値管理を始めたことや消費者の関心の高まりに触れ、競争環境を踏まえた記述はあるが、自社の強みの分析は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    目視比較の誤差、基準の非開示、基準サンプル作成の時間などの課題を挙げ、測色色差計導入で解決すると具体的に述べている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    予想数量年間約20万本、末端売価約5千万円と数値はあるが、賃上げや付加価値額の目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    新規得意先や100店舗程度のスーパー定番納品の見込み、OEM提案など顧客とニーズの見立てが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    基準値の見直しを続けるとの記述はあるが、遂行スケジュールや期間の記載はうかがえる程度にとどまる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    麦茶の品質管理に色度基準を導入する取組で、同分野での高付加価値化を示す記述はわずかにうかがえるだけである。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域の雇用や波及効果への言及はなく、唐津の拠点に触れる程度で国が補助する積極的理由は読み取れない。

  • 費用対効果3

    焙煎色度異常クレームがゼロになったとの成果はあるが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    測色色差計による数値データ管理は導入しているが、デジタル技術のサプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    佐賀県唐津市に所在する点は示されているが、地域特性を活かした雇用創出や成長への言及は具体的ではない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

色度基準値による焙煎色度の均一化で既存取引先の売り場を維持し、新規得意先との取引や未納品の売り場獲得を目指す。PB商品のOEM製造提案でも受注増が可能になる。100店舗程度で展開する食品スーパーに定番納品できれば、年間約20万本(末端売価約5千万円)を見込む。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。