ものづくり補助金平成25年度製造業佐賀県

国内外流通産業における青果物・花卉類の輸送にともなう長期鮮度保持の試作開発

株式会社炭化

成果6連の流量調整可能なゲル化装置に改造した。

この事例のポイント

  • 青果物や花卉類の長期鮮度保持には低温貯蔵などの方法があるが、設備コストが高く、一部の高額商品にしか採用されていない。
  • 竹炭とカテキンによるエチレンガス、アセトアルデヒド、アンモニアの吸着性能を佐賀県窯業技術センターで検査した。
  • 6連の流量調整可能なゲル化装置に改造した。流量調整可能な点滴装置と竹炭・カテキン・光触媒を組み合わせた鮮度保持材の試作により、青果物や花卉類の長期鮮度保持の見通…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社炭化
所在地佐賀県 佐賀市
業種化学工業
技術分野製造環境,複合・新機能材料
従業員数8人
資本金950万円
設立2012年

事業の背景

株式会社炭化は平成24年に設立され、竹炭とカテキンを用いた青果物・花卉類の鮮度保持材の開発を進めてきた。流通産業では安価で高機能な鮮度保持剤が求められているが、既存技術は一部の高額商品にしか採用されていなかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力青果物や花卉類の長期鮮度保持には低温貯蔵などの方法があるが、設備コストが高く、一部の高額商品にしか採用されていない。
  • コスト・採算既存の鮮度保持方法は湿度管理や微生物管理ができず、コストも高い。
  • 品質・精度輸送後に鮮度が落ちた青果物は廃棄物となり、廃棄処理に伴うエネルギー消費など環境負荷が大きい。

やったこと

竹炭とカテキンによるエチレンガス、アセトアルデヒド、アンモニアの吸着性能を佐賀県窯業技術センターで検査した。酸化チタン皮膜の光触媒はHRC LTDに依頼してSUSおよびALに被膜し、LED紫外線(365nm)による分解と殺菌を検証した。韓国のFULL&FILL BIO社には抗菌試験とエチレンガスの性能試験、成分分析を依頼した。エスアイ電子にはLED紫外線ランプの電子制御と省電力回路の設計を依頼した。流量調整可能な6連のゲル化装置に改造し、ゲルの点滴位置を上下調整できるようにし、出来上がったゲルを随時取り出せる装置とした。試作品TANKA-S59,60で室内とコンテナ輸送の実証試験を行い、14日の輸送後にCO2、温度、湿度、鮮度を確認した。

加工機流量調整可能な6連のゲル化装置(点滴装置)
加工機真空ミキサー TMV1000
加工機竹粉微粉化装置
その他LED紫外線ランプ(365nm)
検査測定CO2ガス濃度計
検査測定検知管

新しい製品・サービス:LED紫外線と光触媒による抗菌効果とガス分解を加えた鮮度保持装置システム(試作品TANKA-S59,60)

事業の効果

  • 6連の流量調整可能なゲル化装置に改造した。
  • 海外向けリーファコンテナにおいて14日の輸送後に現地で鮮度を確認した。

流量調整可能な点滴装置と竹炭・カテキン・光触媒を組み合わせた鮮度保持材の試作により、青果物や花卉類の長期鮮度保持の見通しを得た。コンテナ輸送による実証で14日後の鮮度確認を行い、廃棄物やロス率の低減につながる可能性を示した。事業化に向けた問い合わせも多く、2015年9月には本格的に事業化を推進できる体制を整えた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の鮮度保持技術の課題を整理し竹炭・カテキンと光触媒の組合せ開発に取り組んだ経緯は読めるが、過去の事業との連続性は明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    既存技術は高額な低温貯蔵に限られるという市場課題は示されるが、自社の強み・競争優位の具体的な裏付けは薄い。

  • 課題の認識と解決4

    青果物ロス率の低減とコンテナ輸送での長期鮮度保持という課題を示し、2015年9月に事業化体制を整えたと具体的に記載されている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    ロス率減少や環境負荷低減の目的は書かれるが、付加価値額や賃上げの数値目標は記載されていない。

  • 事業を進める体制4

    体制面で9月に本格的に事業化推進できる体制を整えたと書かれ、外部の大学・技術センター・海外企業との連携も具体的に示されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    輸送後の鮮度保持という製品価値と、青果物・花卉類の生産者向けの顧客ターゲットが明確に書かれている。

  • 事業化までの道筋4

    国内九州〜関東や博多〜香港での実証を経て本格事業化する順序と、資金は借入等を専門家に相談する方針が示されている。

  • 財務と資金の調達2

    資金や人材が必要だとしてファンド・銀行からの借入等を検討すると書かれているが、財務状況や調達見込みの数字は示されていない。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    既存の鮮度保持は高額な一部商品に限られるとし、竹炭とカテキン、LED紫外線光触媒の組合せで安価な新方式を目指すと記載されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    青果物ロスの削減と廃棄物処理にかかるエネルギー低減という環境面の効果は読み取れるが、雇用や波及効果の定量的な記述はない。

  • 費用対効果2

    費用対効果を示す補助金額と付加価値額の数値は書かれておらず、ロス率低減の方向性がうかがえる程度である。

  • イノベーションへの貢献3

    LED紫外線と光触媒による分解・殺菌を組み合わせた新しい鮮度保持システムとして、流通のイノベーションにつながる可能性が示されている。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    流通の鮮度保持分野での事業化をめざすと書かれるが、日本経済の構造転換への言及は見当たらない。

  • 地域経済への波及2

    佐賀県の窯業技術センターや地元の技術支援を活用している点はうかがえるが、地域の雇用や成長への効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

国内の九州〜関東や博多〜香港で実証を行い、早い段階で本格的な事業として進めていく予定である。資金や人材はファンドや銀行からの借入、資金提供などを専門家に相談しながら進める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。