ものづくり補助金平成25年度製造業長崎県

蒲鉾原料製造に高精度水分制御システムを導入し品質の飛躍的向上を図る

長崎蒲鉾水産加工業協同組合

成果脱水にかかる1か月の作業時間 110時間→55時間

この事例のポイント

  • 熟練作業者の手の感覚に頼った水分値の推測により、すり身の水分にばらつきが生じ、製品の品質評価に大きな影響が出ていた。
  • 蒲鉾原料の製造工程の脱水に、インバータ装置が内蔵された最新の自動型スクリュープレスを導入した。
  • 脱水にかかる1か月の作業時間 110時間→55時間。脱水工程の自動化により作業者の労働時間が半分になり、人件費が削減された。

事業者のプロフィール

事業者名長崎蒲鉾水産加工業協同組合
所在地長崎県 長崎市
業種食料品製造業
従業員数60人
資本金1.109億円
設立1972年

事業の背景

長崎県は水産県として知られ、新長崎漁港に隣接する立地を活かし、その日に水揚げされた新鮮な魚を使ってすり身を生産している。1日に約10トンを生産し、イワシすり身の生産高は全国一である。2018年にはHACCP対応の新工場が稼働し、衛生面でも高い評価を得ている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度熟練作業者の手の感覚に頼った水分値の推測により、すり身の水分にばらつきが生じ、製品の品質評価に大きな影響が出ていた。
  • 生産能力脱水機の調整不良により歩留まりが変動し、製品ロスも生まれていた。

やったこと

蒲鉾原料の製造工程の脱水に、インバータ装置が内蔵された最新の自動型スクリュープレスを導入した。これにより、従来3〜5%であった水分分散を均一化することができた。歩留まりの変動が減ったことで生産ロスが大幅に改善された。自動化によって人件費の削減にもつながり、オールステンレス仕様で衛生面が向上し、省エネにも結び付いた。

加工機インバータ装置内蔵の自動型スクリュープレス

事業の効果

  • 脱水にかかる1か月の作業時間 110時間→55時間
  • 従来3〜5%であった水分分散を均一化することができた

脱水工程の自動化により作業者の労働時間が半分になり、人件費が削減された。水分量が安定したことで歩留まりが改善し、生産ロスが減少した。オールステンレス化により衛生面が向上し、省エネにもつながった。さらに品質の向上にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは書かれていない。HACCP対応の新工場など設備投資の経緯がうかがえる程度。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    新鮮な魚を使い、イワシすり身の生産高が全国一という強みは読み取れるが、市場動向との関係は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    熟練者の感覚に頼る脱水工程の課題を認識し、水分分散3〜5%を均一化して生産ロスを改善したと具体的に書かれている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    脱水にかかる1ヶ月の作業時間が110時間から半分になったとあるが、付加価値や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    組合員22社、従業員60名などの規模は書かれているが、補助事業を遂行する体制や人材の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け2

    製品品質の向上は書かれているが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は読み取れない。

  • 事業化までの道筋3

    今後の展望として非接触型水分計と水分コントロールシステムを連携させ、脱水工程の自動化を目指すと書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    すり身の水分制御は練り製品分野の中での品質向上にあたるが、高付加価値化や高価格化の具体的記述は少ない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    地域の水産業と新長崎漁港の利用がうかがえるが、波及効果や雇用創出は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果4

    作業時間が110時間から半分になり、人件費削減と生産ロス改善が示されており費用対効果がうかがえる。

  • イノベーションへの貢献3

    水分計と制御システムを連携させた脱水工程の自動化を目指すとあるが、サプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    長崎の水揚げ魚を活かしてすり身を生産する地域特性が書かれているが、地域経済の成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

非接触型水分計(近赤外線水分計)と水分コントロールシステム装置を連携させ、脱水工程の自動化をさらに進めるシステム開発を目指している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。