ものづくり補助金平成25年度情報通信業長崎県

3Dプリンタの利活用をデータ作成から製品完成まで、一貫して提供する革新的サービス事業

オフィスメーション株式会社

この事例のポイント

  • 長崎県の製造業では、試作の迅速化と生産性向上による納期の短縮が喫緊の課題である。
  • 提案された漁礁のアイディアをいち早く実体化するため、アワビ養殖向けの漁礁モデル案を3Dプリンタで作成した。
  • 実験工房をオープンしたことで、いくつかのメディアで取り上げられ、口コミ効果もあって各方面から問い合わせや見学の依頼が増えてきた。

事業者のプロフィール

事業者名オフィスメーション株式会社
所在地長崎県 長崎市
業種情報サービス業

事業の背景

3Dプリンタは新聞やテレビで連日取り上げられ、今後急速に普及すると見込まれている。一方で、地方では都心部に比べてまだ馴染みがなく、3Dデータに熟知した人材が少ないのが現状である。そこで、いち早くこの分野に取り組み、県内で3D関連機器を扱える技術者を増やすことを考えた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 納期・工程長崎県の製造業では、試作の迅速化と生産性向上による納期の短縮が喫緊の課題である。
  • 人手・技能都心部と比べて地方では3Dプリンタがまだ馴染みがなく、3Dデータに熟知した人材も少ない。

やったこと

提案された漁礁のアイディアをいち早く実体化するため、アワビ養殖向けの漁礁モデル案を3Dプリンタで作成した。打ち合わせを円滑に進めることと、実証実験のための縮小サンプルとして活用した。3Dスキャナで生産中止となった部品をスキャンし、3Dプリンタで複製した。3Dスキャナで人物をスキャニングしてフィギュアを作成し、工業団地計画の造成地や建築模型の部品、工業部品の試作品も3Dプリンタで作成した。さらに本社社屋の一角に実験工房『電脳工房 D Dejima』を開設し、青少年の科学技術発展のための「科学の祭典」にも出店した。

加工機3Dプリンタ
検査測定3Dスキャナ

事業の効果

実験工房をオープンしたことで、いくつかのメディアで取り上げられ、口コミ効果もあって各方面から問い合わせや見学の依頼が増えてきた。学校授業の一環として工房を利用したいという相談も受けた。製造業者から3Dデータの持ち込みがあり、データの3次元化と3Dプリンタでのモデリングを行って、製品化に向けたプレゼン資料として利用された。工房をきっかけに、今まで取引がなかった企業との関係もでき、本業であるシステムの商談を受けるきっかけにもなっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    OA機器販売・保守やシステム開発の本業から3Dプリンタ事業へ広げた経緯は読めるが、経営戦略上の位置づけの説明は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    県内で3Dプリンタ技術者が少ないことは述べられているが、自社の経営資源との強み・弱みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    長崎県の製造業の試作迅速化と納期短縮が課題と示されているが、事業計画の数値や具体的な高付加価値化の内容は薄い。

事業の実現可能性36%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    社屋に実験工房を開設したことはわかるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の記述はほぼない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    試作品作成や模型・フィギュア作成などの用途と、問い合わせや学校からの相談が増えたことは読めるが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展望で大量生産には不向きで試作判断材料として価値があると述べるにとどまり、スケジュールや課題解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    3Dプリンタは普及度が低い地方での利活用と述べられており新市場性はうかがえるが、高付加価値化の水準は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    県内の製造業の試作・納期課題や技術者育成、漁礁のアワビ生産力増強など地域への波及が書かれている。

  • 費用対効果2

    補助金投入額や付加価値額の増加など費用対効果を示す数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    3Dプリンタの活用で製品化の検討や他業種との関係構築につながったと書かれており、地域イノベーションへの寄与がうかがえる。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    3Dプリンタという成長分野への進出はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は書かれていない。

  • 地域経済への波及3

    長崎県の製造業の課題解決や技術者育成が示され、地域特性を活かした取組として読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

よく相談を受けるのは、ある程度の数量を見込んだ製作が3Dプリンタでできるかという点だが、3Dプリンタは大量生産には向いていない。あくまで試作品を作り、製品化(大量生産)するかどうかの判断材料として造形物を利用してもらうことに価値があると考えている。今後も一般の方々に向けて、ビジネスだけでなく趣味としての活用も含めて積極的に情報を発信していく予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。