ものづくり補助金平成25年度製造業長崎県

蓄光製品の量産化を目指したプレス機導入による低コスト化及び製品精度の向上

有限会社筒山太一窯

この事例のポイント

  • 製造は手動のハンドプレス機で1個ずつ成形し、成形品を手作業で電気炉に充填して焼成しており、生産量に限界があった。
  • 成型工程の自動化と焼成品質の安定化を主な目的に、蓄光セラミック自動成形装置として「蓄光製品成型油圧プレス機」を導入した。
  • 設備導入後は製品精度が安定し歩留まりが改善された。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社筒山太一窯
所在地長崎県 東彼杵郡波佐見町
業種窯業・土石製品製造業
技術分野複合・新機能材料

事業の背景

当社は長崎県窯業技術センターと共同で蓄光セラミック製品「エコほたる」を開発した。エコほたるは太陽光や蛍光灯などのエネルギーを蓄え、暗くなると発光する製品で、半永久的に使え、JIS規格輝度試験で発光時間が長く耐候性にも優れることが実証されている。一方で手作業での製造のため、製品精度を保ったまま大量に生産することが難しい状況だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力製造は手動のハンドプレス機で1個ずつ成形し、成形品を手作業で電気炉に充填して焼成しており、生産量に限界があった。
  • 品質・精度納品後に返却があるなど製品精度に問題があった。
  • 納期・工程大量受注と追加注文が入ったが、従来の生産方法では納期を守れるか不安があった。

やったこと

成型工程の自動化と焼成品質の安定化を主な目的に、蓄光セラミック自動成形装置として「蓄光製品成型油圧プレス機」を導入した。試運転で時間当たりの成型数や寸法精度などの要求仕様を満たすことを確認した。炉内の温度分布が均一でプログラム制御できる電気炉も導入し、温度分布が一定で精度にムラがないことを確認した。電気炉使用時の排出ガス対策として白金触媒脱臭装置を付与し、生産現場の環境改善にも取り組んだ。

加工機蓄光製品成型油圧プレス機
加工機プログラム制御式電気炉
その他白金触媒脱臭装置

新しい製品・サービス:蓄光セラミック製品「エコほたる」

事業の効果

設備導入後は製品精度が安定し歩留まりが改善された。製品によっては従来の数倍の生産が可能となった。これまで1個の成形と焼成に時間がかかり、電気炉の温度むらで精度にバラつきがあったが、その問題が解消された。設備導入前にはできなかった短期間での大量納品にも対応できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    手作業製造の限界を補うため設備導入に踏み切ったと書かれているが、過去の取組や経営戦略上の位置付けは具体的に読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    蓄光製品の避難対策用途や大型自然災害後の市場性に触れ、屋外利用の強みが述べられているが、競争環境や自社資源の分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    手動成形・焼成による生産量限界や製品返却、納期への不安という課題が明示され、設備導入で解決する流れが読み取れる。ただし高付加価値化の具体的数値はない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    製品によって従来の数倍の生産が可能になったと記載されるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述は見当たらず、設備導入の決定経緯のみがうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    エコほたるの発光時間やJIS輝度試験での優位性、避難誘導用途など製品価値と用途が書かれている。顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    試運転で成型数や寸法精度を確認したとあるが、中長期の遂行スケジュールや課題解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    蓄光製品は樹脂製品に比べ発光時間が長く耐候性が優れると書かれ、高付加価値の方向性はうかがえるが、市場の普及度や価格の数値は示されない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    大型自然災害時の避難対策に有効で市場性が高いとの記述があり、社会的意義がうかがえるが、経済波及効果や雇用創出は書かれていない。

  • 費用対効果2

    生産量が月産限界から増加し短期納品にも対応できたとあるが、補助金額に対する付加価値増加などの費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    電気炉の温度分布を均一にするプログラム制御や排出ガス対策の導入が書かれるが、デジタル技術や地域・サプライチェーンへの貢献は限定的。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    長崎県窯業技術センターとの共同開発や波佐見町の窯業地での立地が書かれ、地域の特性を活かした事業であることがうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

エコほたるは昼間の光で蓄光し日没から夜明けまで発光でき、耐候性と耐水性に優れ屋外に向くため、夜間の避難道路の鋲や避難誘導灯、階段などの避難対策に有効である。近年の大型自然災害を受けて避難対策の市場性は高く、将来的な大量受注に備えて販路開拓に努めていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。